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冒頭の10ページが勝負の分かれ道

ある有名なハリウッドの脚本家さんがおっしゃってました。1日に何冊も届く脚本やシナリオに目を通すのが一苦労なんだそうです。その方は、冒頭の10ページを見たらその脚本の良し悪しが分かるそうで、10ページでシークエンスがしっかりしてないものは、見なくても悪さが分かるんだそう。
読む人の心を惹きつけないそうなんです。冒頭から惹きつける内容は、その後も仕上がり具合が良い。
10ページ以内にまとまりがないシナリオはゴミ箱行きだそうです。

小説における「シークエンス」とは、物語を展開させるための一連のシーンや出来事のまとまりを指します。これは、物語の特定の部分で起こる出来事が、明確な目的を持って一貫性を保ちながら連続することを意味します。

シークエンスの特徴:
1. **物語の節目**:シークエンスは物語の重要な場面や展開のまとまりとして、ストーリーを進めるために使われます。例えば、あるキャラクターの問題解決に向けた一連の行動や、事件の発端から結末に至るまでの流れがシークエンスになります。
 
2. **目的を持った連続性**:シークエンスは単にシーンの集まりではなく、全体として特定の目標や感情を伝えるために構成されます。例えば、主人公が困難に直面し、解決策を模索し、最終的に新たな状況に移るプロセスがシークエンスの一つとして扱われることがあります。

3. **リズムとテンポ**:シークエンスは物語のリズムやテンポを決定する要素でもあります。複数のシークエンスが連続して展開することで、物語にスピード感や緊張感、または緩やかな休息を与えます。

構造的な役割:
シークエンスは、映画などと同様に小説のストーリーを構造的に分割し、ストーリーテリングを効果的に進行させる役割を果たします。特にミステリーや冒険小説では、一つのシークエンスが一つの事件や謎解きの過程を描き、その積み重ねが全体の物語を形作ることが多いです。

シークエンスの配置や長さは、小説のジャンルやテーマによって異なり、作家が読者にどのような感情や情報を伝えたいかによって工夫されます。

シェイクスピアのオープニング

ここでシェイクスピアのオープニングの執筆の仕方を見てみましょう。作品の参考にしてみてください。


これらのオープニングは、それぞれの作品の中心的なテーマや展開を示す重要な場面です。

シェイクスピアの作品の冒頭10ページを簡潔に要約します。作品ごとに内容は異なりますが、以下は代表的なものの要約です。

1. **『ハムレット』**  
  デンマークのエルシノア城で、兵士たちが王ハムレットの幽霊を目撃し、不安を抱く。新しい王クローディアスは、先王の死後すぐに王位を継ぎ、未亡人ガートルードと結婚。王子ハムレットは、父の死と母の再婚に深い悩みを抱え、悲しみに沈んでいる。

2. **『ロミオとジュリエット』**  
  ヴェローナの街では、モンタギュー家とキャピュレット家の従者たちがいさかいを起こし、喧嘩が勃発。プリンス・エスカラスが両家に争いをやめるよう命じる。ロミオはロザラインへの失恋に沈んでおり、友人ベンヴォーリオは彼を励まそうとする。

3. **『マクベス』**  
  スコットランドの荒野で、マクベスとバンクォーが戦場からの帰還中に、3人の魔女と出会う。魔女たちはマクベスに「これから王になる」と予言し、バンクォーには「王の父となる」と告げる。彼らはこの予言に困惑しながらも野心を抱く。

4. **『オセロ』**  
  イアーゴーとロダリーゴーが、オセロに対する不満を募らせ、オセロとデズデモーナの結婚を暴露しようと策略を立てる。イアーゴーはオセロを裏切る計画を進めるため、ヴィネチアの元老院にデズデモーナとの結婚のことを知らせる。

これらの冒頭は物語のテーマや登場人物の性格を明示し、作品全体の展開に繋がっていく重要な部分です。

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