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ミックスダール(ビーンズスープ用豆のミックス) 料理編  うちにあって 日本の一般家庭の1%未満にしかないと思うものを挙げてみる その22 (上)


その17ではナムキーンになっていたインドの豆、ムングダル。
ここでは本来ダルと言えばこれというほど食事に欠かせない、スープ用の豆のミックスを紹介します。

インド、ネパール、バングラデシュ、スリランカ、パキスタンあたりでは食事に豆はつきもです。とりわけ菜食が基本のインド、ネパールは更に存在感を増します。
日本食で醤油、味噌、豆腐などの大豆なしが考えられないのですが、そこまではいかなくともそれに準ずる頻出食材です。

インドに行った時の朝食の例
左上が多分マスードダルで下の四角い部分にチャナ(ひよこ豆)
これもインドの簡素な食堂での昼ごはん
何種かのおかずのうちアルゴビ(ジャガイモとカリフラワー)を頼んだら
デフォルトのライスダルの上にかけて供してくれた

日本人の多くは、ごはんと味噌汁に漬物とかふりかけとかだけでも簡素ではあっても家の朝食として全然成立すると思います。
ネパールの定食をダルバート(ダル&ライス)と言うように、そこいらの北インドの人もダルチャワル(ダル&ライス)にアチャール(辛い漬物というかピクルス)やヨーグルトや炒ったクミンなんかを混ぜて食べたりしています。
昔インド料理店でアルバイトした時、賄いのお店のカレーを断って、ライス&ダル&クミンを炒ったものだけを食べていた現地人スタッフのことを思い出しました。ナンにチキンカレーなんて、ノンヴェジタリアンでもそうそう食べることはないので、賄いでは日常飯を食べたかったのでしょう。
映画なんかでは豪華な食事より、簡素だったり母の作るオクラのおかずにホロリとくるみたいに描かれます。
主食とダルが有れば基本は完成。そこに野菜(サブジ)があればなおいい。
そこに乳製品やフルーツをつければ立派な朝食だし、昼食だって夕食だってダルがついていることが多いのです。

最初からミックスしたものを見るようになったのは、2000年代に入ってからのような気がするのですが、どうなのでしょうか?
上の2枚の写真は2016年のものですが、このように単品の豆で一品作られていました。
以前はこのようにいずれかの豆単品か、ミックスするとしてもセルフでしていた方が多いように思えますが、実は昔から売られていたのか?それともここ15年くらいの流行りなのか?

いずれにしても火が通りやすいようにそれぞれ挽き割りにしたり、また粒が残って食感を楽しめるように皮付きのものを入れたりしてあるので、使いやすく、家で一番好まれる ムングダルのみは単品で常備して、時々このダルミックスを使って変化をつけることにしています。

で、先日の夕食はこれ。月2、3回は季節のもので北インドまたはネパール風の料理を家で作ります。

もう少し煮込めばポタージュ状に皮付きや大粒の豆が混じるが、今日はこんな感じ

ピンクや黒の色はかなり抜けて、入れたスパイスの主にターメリックによって黄色味を帯びています。

基本的にこのダル(豆スープ)は周りのインド人はダーッととライスにかけて指で混ぜて食べる人が多かったので、私もそうしていました。
もちろんその他のおかず類も好きなように混ぜ合わせてもつまんでも。
添えられているヨーグルトやアチャールでさえ混ぜて合わせてもつまんでも。
食べ物は右手で、というマナーや(左で押さえたり、食事中人に渡す時は自分が口をつけていない左で渡すなどはある)、格上格下の食べ物とか油で揚げている方が清浄度が高いみたいなマナーはありますが、日常の食事では混ぜ合わせることには日本より全然OKな気がします。

時々このステンレスの容器(カトリ)をひょいと持って口をつけている人や、具材を浸している人もいます。
このような仕切りプレートではない場合、普通のお皿や正式なバナナの葉によそう場合はご飯に直接ダルをかけてくれるので、基本はそうなのでしょう。

日本の知り合いを呼んでこのようなインド飯を食べる会を何度か催したことはありますが、ここら辺の抵抗が皆かなり強いようです。
どんなに「ダルはかけて食べるといいよ」と勧めても、私がやってみせても皆頑なにスプーンですくっておちょぼ口で舐めるばかりです。他のカレーはご飯にかけるのに抵抗ないようなのに、ダルに関してはハードル高いようです。

まあ日本ではおかずをご飯に乗っけた丼物はOKでも、添えられた味噌汁もかけなさいと言われると嫌がるだろうから、わかる反応といえばそうかもしれません。

このミックスダルのいいところは、豆だけでなく挽き割りやらホールやら皮付きやらもミックスして、食感が楽しめるところです。

材料分析したのでそれは(下)の素材編へ

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