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休職して海を見に行った日

文章を書くのがだいぶご無沙汰になってしまいました。どうもLimです。

今回は、私が休職期間に行った海の話です。

私は海が大好きで、家族で行った夏を感じる葉山の海も、好きな人と眺めた昼下がりの鎌倉の海も、修学旅行で行った沖縄の透明な海も、鮮明に覚えています。

また、私は海の生物も大好きで、小さい頃は「将来さかなチャンになってるかもね〜」と言われていました。(21歳現在はまださかなチャンになってはいませんが笑)
今も変わらず大好きです。

そんな私が怖いと感じた、でも一生忘れられないであろう海のお話。


私は去年の夏、仕事に行けなくなりました。

当時、私は新卒で一番忙しいと言われていた店舗に配属され、生活リズムは崩れに崩れていました。

ある日、軽い熱中症になったのがトリガーになったのか、その日から食べたものは全部吐いてしまうようになったのです。

吐き気止めを飲んで、ごまかしつつ仕事に行っていましたが、どんどん情緒も不安定に…
(何もなくても号泣し出したと思ったら、何に泣いてるのかわからなくて急に大声で笑い出し、彼氏くんを焦らせたことがありましたね。あの時はごめんね彼氏笑)

ついに仕事に行けなくなり、退職しようと思ったのですが、社長と対談して1ヶ月ほど休職、店舗移動が決まりました。

ずっと死人の様な顔で、歩くのすらままならなくなり、生きた心地がしませんでした。


休職期間。
家で何もせずに過ごしてみたり、近くを散歩したりして、少しずつ身体を戻していたある日、ふと海に行きたい衝動に駆られました。

私が住んでいるところは海なし県で、1番近くても電車を乗り継いで1時間ほどかかります。

当時の私には、電車で1時間という距離はなかなかに遠い場所でした。
でも、何故か「行かなくちゃ」という気持ちが強く、1人海に向かいました。

休職してから1度も乗っていなかった電車は意外にもすんなりとクリア。最寄りまでバスに乗り、あっという間に海につきました。

あいにく風が強く、波も少し荒い日でした。
それでも海水浴をしている人は多く、私は人を避けて端の方を目指して歩きました。

波が来るギリギリのところを歩いてみたり、貝殻を拾ってみたり、片耳だけで聞いていたラジオに耳を傾けてみたり…
とぼとぼと歩いていく時間は、考えることをやめない頭と心を空っぽにしてくれました。

次第に歩き疲れ、岩に腰掛けてただぼーっと海を眺めていました。

社会人1年目での挫折、劣等感、葛藤、身体がボロボロになっている感覚、今後の不安…

それらを含め、私自身までも、広く大きい海に呑み込まれてしまいそうになり、次第に怖くなりました。

自殺に海を選ぶ人はこんな気持ちなのかな、と不謹慎にも思うくらい、海は全部呑み込めるように思いました。

ぼんやり眺めてた海。
遠くにスカイツリーが見えますね。


それからしばらくして、私は配信アプリを開きました。

なんとなく、顔も性格も見知らぬ人とぼんやり話したくなり、慣れた手つきで配信スタート。
すぐに人が入り、ぼんやりと海にいることや、好きなことについて話しました。

途中、屋台のケバブを買って食べ、
またしばらく海を眺めて、早めに帰路につきました。

家に帰り、家族に海に行ったことを話しました。

割と近かったよ〜、なんて話しながら夕飯を囲みました。

初めて海を怖いと感じたことは、未だ誰にも話したことはありません。

その日は疲れていたためかぐっすり眠って、
次の日、仕事復帰のメールを送りました。

あれから1年が経とうとしていますが、時折あの海を見に行ったあの日を思い出します。


おしまい


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