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【シンガポール国立大学留学①】  ー出来事編ー

こんにちは!鈴木梨里です。

2022年の1月よりシンガポール国立大学(NUS)に派遣交換留学に来ており、本日でちょうど1ヶ月が経つので、今回は留学生活1ヶ月目を振り返った記事を書いてみようと思います!

はじめに

1月から 5月までの派遣交換留学期間のなかで1ヶ月に一回の頻度で更新していきたいと思っています!1ヶ月分の日々を1つの記事にぎゅっと詰め込むととても長くなってしまいそうなので、ここでは異国の地で何をみて何を経験したかを綴る「出来事」パートと、その日々の中で自分自身が思考したことを書き連ねる「内省」パートの2つに分けて書いてみようと思います。今回はその「出来事」編です。

日々の生活

まずはNUSでの生活はどんなものなのかを、冒頭に少しご紹介したいと思います。

Google Earth, National University of SIngapore

国土の狭さで有名なシンガポールにある国立大学とは思えないほど、NUSのキャンパスは上の写真のようにとんでもなく広いです(実に150ヘクタール!)。私の母校である慶應義塾は複数のエリアにキャンパスを構えていますが(三田・日吉・矢上・信濃町・湘南藤沢・芝共立)、NUSにおいてはほぼ全ての学部がこのエリアに集約されています。学生の多くはキャンパス内の学生寮で生活しており、私もその一人です。部屋は狭いながらも1人部屋で、バス・トイレは共用になっています。また、寮では毎週のようにイベントが開催されています。交流が盛んで楽しいのですが、あまりにイベントが多いのでその理由を尋ねると寮にステイするためには「大学に貢献した」という事実が必要で、委員会に入り寮のイベントを催すことでそのポイントを稼いでいるのだそうです。ご飯に関しては寮にミールプランがついており、朝食と夕食はダイニングホールにて取ることができます。昼食は昼休みの時間がないので食べ損ねることもしばしば…笑

月から金までは授業に追われており、日中は私を含め皆部屋にこもって勉強しています。夜は寮のラウンジでグループワークを行ったり、Supperと呼ばれる夕食後のご飯を食べに出かけたりしています。土日になると現地生は家に帰ってしまいますが、実家が国内にはない現地生や留学生と買い物や国内観光に出かけるなどして楽しく過ごしています。

Chalking Day

長い長い隔離期間(7日間ホテルに缶詰)を終え念願の入寮を果たした4日目には「Chalking Day」と呼ばれる面白いイベントがあったのでご紹介します。長期休暇が明け学生がキャンパスに戻ってくる学期の1週目を私の寮では「Welcome back week」と呼んでおり、Chalking Dayはその一環のイベントです。寮生全員にチョークが1本ずつ配られ、一人一人のドアにメッセージを書いて回ります。

Chalking してもらった後の私の部屋のドア


120名の寮生とともにメッセージを書いて回る中で驚いたのは、飛び交う言語のあまりの多様さです。国家の公用語である英語、中国語、マレー語はもちろん、スペイン語やフランス語、そして日本語まで聞こえてきます。シンガポールが多民族国家であることは有名ですが、思った以上に複数の言語を互いにやり取りすることが文化として根付いているのを目の当たりにしました。会話をしながら、話す相手によって、そしてその内容によって、次から次へと言語を変えていくのだから鮮やかです。これを学術用語で

code switching:2種以上の言語体系ないし言語変種の切り替えが行われること

Wikipedia

というそうですが、なぜそこまで頻繁にそれを行うのか友人に尋ねると、「コモン・バックグラウンドを整えるためかな。やっぱり共通点があったほうが人間関係を作るのって簡単だし早いから」と教えてくれました。

言語はコミュニケーションの手段にしか過ぎない。けれどその手段を使って初めて生まれるのが人間関係。翻訳技術がどんなに発展しても、我々人間は言語を学び続けるに違いありません。


レクリエーションセンター

本留学の目的の一つに「シンガポール政府の移民政策を学ぶ」というものがあったため、早速移民について学んでいる学生グループに所属しました。そこで訪れたのがレクリエーションセンターです。レクリエーションセンターとは国内に8カ所存在する公共施設で、いずれもシンガポールの郊外に位置しています。コロナ禍の現在、市民の入場は制限される一方で、移民労働者にとってはアクセスできる唯一の娯楽施設となっています。

わかりやすい投稿
https://www.instagram.com/p/CV2AfXGluMJ/?utm_medium=copy_link

Instagram, capt.migrants

寮から30分ほどバスに揺られ到着した最初の印象は、「整備された公共施設」というものでした。スポーツコートやフードコートを備え、大学の近くにある施設とあまり変わらないように見えます。しかし周りを見渡してぎょっとするのが、その街並みの違いです。レクリエーションセンターの周りには、工場と住居以外何もなく、ただただ草原が広がります。遠くにぼんやりと見えるのはマリーナベイの高層ビル群。たった30分車を走らせただけなのに、まるで別の国にいるようでした。レクリエーションセンターにアクセスするには車に頼るしかありません。公共バスや鉄道は通っていないのです。なぜそのような郊外にレクリエーションセンターを配置したのか質問すると、政府主導のプロジェクトであり都市部に作ることは許されなかった上に、住宅街に建設することに市民が強く反対したという話を教えてくれました。柵に寄り掛かっていた労働者に怒鳴っている管理人の姿や厳しい入場制限を設けたレクリエーションセンターに入るために作られた長蛇の列を見ると「制約の中の自由」という言葉が浮かんできました。
なぜ政府は市民と移民労働者の生活領域を切り分けようとしたのか、そして市民は国家のインフラを支える移民労働者に対してどのような感情を抱いているのか、是非これから学んでいきたいと思います。

レクリエーションセンター内の様子



到着して2週間とちょっとの出来事をぎゅぎゅっとまとめてみるとこんな感じです。最後まで読んでいただきありがとうございました:)
内省編もこれから書いていきます〜!!


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