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人助けをすることで自分の欲求を満たす救世主願望(メサイア・コンプレックス)


「世の中の役になる仕事がしたい」「誰かの役に立ちたい」そんな思いで対人援助関係の仕事に就く人が多いと思います。「人の役に立ちたい」ってとても素敵ですよね。献身的で優しいイメージ。

だけど、なかには無意識のうちに「自分が救われたい」という気持ちから、人の役に立ちたいと思っていることがあります。これを「メサイア・コンプレックス」というそうです。

自分の「感謝されたい」という欲求を満たすために無意識のうちに対人援助職を選ぶ


メサイアは救世主のことで、メサイア・コンプレックスは救世主願望とも呼ばれています。

救世主願望のある人は、自分自身に価値を感じることができないために、人から感謝されるようなことをして自分自身の価値を感じようとするのですが、これは抑圧された強い劣等感によるものです。

「自分を認めてほしい」「頼りにされたい」こうした思いは誰にでもあると思います。私の個人的な主観もあるのですが、私は看護師や介護士の仕事をしてきましたが、特に医療・福祉系の仕事に就いている人に多いのではないかと思います。(全員ではないです)恩着せがましいというか、闇を感じる人も多かったです。。

私も実は「メサイア・コンプレックス」なのではないか?と思います。看護師になった理由も「誰かの役に立ちたかった」というのもありますが、看護師になることで何か満たされない欲求を解消したかったのかもしれません。もともと強い劣等感は強烈にありましたから。

メサイア・コンプレックスの人の特徴

・自分の心の底にある不満や劣等感の反動で、完璧主義になりやすい
・人助けをすることで自分を満たそうとする
・自分では善意と思ってやっているから自分では気づきにくい。気づかない。
・理想主義で頑張りすぎてバーンアウト(燃え尽き症候群)になりやすい
・自分が犠牲になってまで相手を助けようとする
・誰かに必要とされることを過度に求めている
・自分が優位な立場であり続けられる相手に絞って助ける


対人援助職は燃え尽き症候群になりやすい

対人関係の仕事には、他社を思いやり忍耐強く温かい愛情を持つことが求められます。でも、援助者自身が心の底に不安を抱え愛情に飢えていると、その自分の欲求を満たすために、仕事をするようになります。自分自身が抱えている深い孤独感を癒すためにその仕事に就いているかもしれません。これが悪いこととは一概には言えませんが、どんなに躍起になって相手に働きかけても空回りしてしまい、燃え尽きて自分自身がしんどくなってしまうと思います。できない自分が許せない完璧主義な人が多いため、理想と現実のギャップに悩み、対人援助職はバーンアウトになりやすいのではないかと思います。

メサイア・コンプレックスの問題点

メサイア・コンプレックスの人はだいたい無自覚なのではないかと思います。人を助けることで自分自身を満たすことは別に悪いことでもありません。ですが、相手の気持ちをよく理解せずに的外れな行動をすると相手に迷惑が掛かります。人助けはするものの、恩着せがましかったり、思い通りにならないと怒り出す人もいます。

「私が〇〇してあげる」「私の言うとおりにすれば大丈夫だから」と、相手をコントロールするような言葉をよく言う人、周りにいませんか?そういう人は何か一緒にいてて不愉快ですよね。そんな恩着せがましかったり見下した言い方をする人からは、周りの人が勝手に離れていくのでわかりやすいですが、逆に周りから慕われる人もいます。特に恩着せがましいことはせず、人助けをして貢献しようとする人。尽くしすぎる人です。周りの人からは「なんていい人なんだ」「素敵な人」と評判がいい人です。

そのような人は、自分が限界なのに相手へ一生懸命尽くそうとする。自分を犠牲にしてまで人助けしようとする。相手が喜んでくれるから。でも自分の心はボロボロ。そういう人はなかなかメサイア・コンプレックスであることに気が付きにくいと思います。自分の傷を手当てしないと、どんどん心が蝕まれていって、うつ病や希死念慮・・取り返しのつかないにことになると思います。

メサイア・コンプレックスを克服するために「心理学」を学ぶ

まずは自分には強い劣等感があるということを認めるということが大切なのかなと思います。承認欲求が強いのだな。と自分で自分を認めること。そして、「誰かの役に立ちたい」と思えることは素晴らしいということだけど、過度に相手に求めすぎてはいけないということをよく知っておくこと。対人援助職に就くときはこういう「心理学」の学問が非常に役に立ちます。強い劣等感を感じている時こそ、人を助けたがるときがあります。でも、自分が溺れそうなときに人は助けられませんよね。まずは自分を助けてあげましょう。自分をしっかり抱きしめてあげてください。私もそうしながら生きています。

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