Taylor Swift: The Eras Tour、Tokyo N3行ってきました。
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テイラー熱がまだまだ冷めやらない、黒木りりあです。
2/7から4日間にわたって東京ドームで行われたTaylor Swift: The Eras Tourの東京公演のN3とN4に、参戦して参りました!
ずっと楽しみにしていた本公演。始まる前は楽しみでずっとそわそわしていましたが、終わってからも余韻でそわそわし続けております。遅まきながら、そんなThe Eras TourのレポートをN3とN4の2回に分けて実施していこうと思います。どうぞ、最後までお付き合いいただけますと嬉しいです。
The Eras Tour開演まで
東京ドームでの公演のみだったThe Eras Tour。長年Swiftyをしていながらも、今までライブに縁がことごとくなく参戦できなかったため、私にとっては初の生テイラーだったのですが、実は東京ドームに行くのも初めて。事前にXでたくさんのSwiftiesの参戦レポートを読み、戦々恐々としつつもしっかりと考えうる準備をしての参加となりました。
リセールで何とか手に入れたステージサイド席のチケット、の入ったスマートフォンを握りしめ、いざ東京ドームへ。開場時間の15時半を目標に、15時過ぎには会場に到着しました。前日発表された座席は外野ライト席。にもかかわらず、入場口は外野レフト側のゲート。ドームの正面から約半周、歩きました。開場前の待機列に並び、さらに開場後はドームを約一周しないといけないという謎の動線にフラストレーションを感じながらも、「テイラーのため」を合言葉にたくさん歩きました。
ドーム内を歩くのは、実はとても楽しかったです。さすが世界の歌姫テイラー。参加しているお客さんは非常に国際色豊かで様々な言語が飛び交っていてとても楽しかったです。更に、Swiftyの衣装がすごい。あれはあのミュージックビデオ、あれはあの賞を取った時の衣装、などどの衣装がどんな意味を持つのかを考えながら歩くのは本当に楽しく、あっという間にドームを一蹴してしまいました。
また、Swiftyは良い人が多いな、とも思いました。見知らぬ人ともFBを交換したりプレゼントしたり、「今日のサプライズソングはなんでしょうね」なんて会話があっさりできてしまう。これぞテイラーのパワーだな、と感じました。
私の座席は少し中央寄りのライト席。再度のモニターとステージの全体が後ろからでもよく見える座席でした。椅子は背もたれのないベンチだし、ドリンクホルダーはベンチの下で下手したら飲み口がベンチの下につきそうで、ドリンクを置きたくないなあ、という構造ではありましたが、熱心なSwiftyが多い座席のように感じました。
開演時間が近いことを知らせる時計がスクリーンに映し出されると、会場は一気に盛り上がります。そして、ステージサイド席ライト側の特権である、テイラー入りのBOXも目視で確認。テイラーが入荷されたことでいよいよ開演するんだ、と胸が高鳴りました。
Lover Era
時計の針がゼロになり、いよいよ開演です。まずは7枚目のアルバム、 Lover Era の始まりです。
オープニング曲 "Miss Americana & the Heartbreak Prince" の一説 'it's been a long time coming' で泣きそうになるのを堪えながら、テイラーの登場に歓声を上げました。「本当に目の前にあのテイラーがいる!?」というのが率直な心境で、目の前の光景に今一つ現実味が湧きませんでしたが、とにかく 'Okay!' と叫びまくりました。全体的にピンク色がかったライティングが良い雰囲気を醸し出していました。
この日のLoverボディースーツは、少し珍しいパープルのタッセルが印象的な一着でした。
そして曲はすぐに "Cruel Summer" へ。連日投稿されていた東京公演での本楽曲のブリッジ映像を見ていたので、みんなで合唱できると期待してその瞬間を待ちます。
そして、いざブリッジ。
テイラーと共にみんなで一斉に声を出すあの一体感。これぞまさにThe Eras Tourといった感じで、非常に楽しかったし、嬉しかったです。テイラーも満足そうな笑顔を見せてくれました。
テイラーの短い挨拶を聞いてから、曲は "The Man" へ。オフィスセットが登場し、テイラーもThe Manジャケットを羽織ります。この日のジャケットは、こちらも登場回数が多くないネイビーのものでした。
サイドからだと残念ながらセットは見づらいのですが、スクリーンに映し出されたステージの様子を楽しめます。個人的には、この楽曲だとスクリーンの映像が撮影しやすく、シャッターチャンスが多くありました。
そして、ライブリミックスバージョンの "You Need To Calm Down" へ。このライブバージョンではイントロのパーカッションが個人的なお気に入りなのですが、音に合わせて会場のブレスレットの色がこまめに変わる演出がとてもきれいでした。ステージサイドだからこそより楽しめたような気がします。
そして、チャントの一つである 'Shame never made anybody less gay!' を周囲の方々と絶叫。会場の熱気も盛り上がりました。曲の後半、LGBTQコミュニティを支援するこの楽曲のメッセージに合わせたレインボーカラーのライティングがとてもキレイでした。
"Lover" のイントロと共にLoverハウスがスクリーンに登場。テイラーはジャケットを脱いでギターを片手にセンターステージへ。
ここで、最初のMCです。日本語で「エラズツアーへようこそ!」とテイラーが語るのですが、今回は「ツアー」部分を英語で発音してしまったため、日本語発音に言い直していました。きちんと日本語発音で言い直すあたりに、彼女のこだわりとプロ意識を感じました。これにより、「18年に及ぶ音楽の冒険」が始まりました。
ギターを自らかき鳴らしながら、 "Lover" を笑顔で歌唱するテイラー。ツアーが始まったばかりの頃は涙を流していたテイラーが笑顔でこの歌を歌えるようになったのは、聞いている方としても嬉しかったです。会場のライトは一気にピンクに染まり、一瞬にしてロマンティックなムードに包まれました。局注ではライトがピンクのハートを客席に浮かび上がらせるなど、演出が凝っているなと感じました。個人的に "Lover" はとても好きな曲なので、横揺れしながら一曲丸ごと一緒に熱唱してしまいました。
ギターを置いて、Lover Era 最後の曲である "Archer" へ。劇場版では収録されていない楽曲だったので、初めてフルで見るパフォーマンスにドキドキでした。
ただ、ここで思わぬ伏兵が。このタイミングで客席の出入りが少なくなく発生しました。これは推測ですが、開演時間ギリギリに会場に到着した方々が、ようやく客席に到着したのではないかと思います。何と言ってもステージサイドのライト側は、ドームを半周した後に約1周するため、20分ほど時間がかかるのです……。予想外の遮りに少し残念な思いはありましたが、それでもテイラーの美しい歌声を堪能することができました。そして、テイラーに降り注ぐブルーのライトがとてもきれいで、幻想的な印象を覚えました。
Fearless Era
Era違いですが、 Sparks Fly と呼びたくなる火花とシャイニーな演出で一気にFearless Eraへ。
聞き馴染んだギターのイントロで "Fearless" からスタート。ゴールドのシマ―が長いドレスに身を包んだテイラーがギターとともに登場します。ステージ上にもギターが浮かび上がる演出が。1コーラス終えてからの Fearlessターン を生で見る感動は凄まじいものでした。私自身の感覚も一気に中高生の頃へとタイムスリップしました。そして、ブリッジを終えての目玉の Fearlessハート 。この瞬間を動画に収めたい気持ちも写真に収めたい気持ちもあったのですが、やはりテイラーと一緒にハートを作りたくて、スマートフォンを手放しました。スクリーンに映るテイラーが本当にかわいかったです。
そして "You Belong With Me" が始まると会場のボルテージは一気に高まります。音源よりも生バンドらしいイントロの音色に心踊ります。フルコーラスでこんなにも多くの人が歌える歌って多くはないと思うのですが、私を含めエリア内のほとんどの人が熱唱しているような状況で、私もとても楽しむことができました。テイラーの言葉通り、本当に高校時代にタイムスリップしたような感覚になりました。
その熱気のまま、セットリストは "Love Story" へ。会場のライトの演出がとてもきれいでした。小さな丸が集まって輪を作るライティングは、天井のある東京ドームでは存分に味わうことができるので、東京公演ならではかな、とも感じました。そして"Love Story"といえばお決まりなのがプロポーズですね。残念ながら私の周辺では見かけず、オペラグラスを使って会場内も少し探してみたのですが、さすがに見つけることはできませんでした。
"Love Story" は "Fearless" のアルバムの中で私が最も好きな曲で、Swiftyとなったきっかけの曲でもあったので、生で聞くことができて感動して少し泣きそうになってしまいました。
さすがテイラーをスターダムにのし上げたアルバム、そして再録プロジェクトの第一弾を飾っただけあり、たったの3曲にもかかわらず大いに盛り上がり存在感を見せつけるEraだったな、と感じました。
evermore Era
スクリーンがブルーになり会場が少しクールダウンしたところで、ステージに樹木がにょきにょきと生えてきて、evermore Era の始まりです。凝った演出に注目していたのですが、残念ながら多くの人が休憩といわんばかりに席を外したり座席に座ったりと、悪い意味でクールダウンしてしまったような印象で、とても残念に感じました。言葉では表現しづらいのですが、白けたような空気だったように思いました。
そんな空気は気にせず、最初の一曲 "'tis the damn season" に意識を集中させます。こちらも映画版ではカットされていた楽曲なので、The Eras Tourで観るのは初だったので個人的期待値が非常に高かった一曲です。テイラーは映画と同じイエローのドレスで登場。静かな楽曲なので落ち着いた演出家と思えば、後半では赤系のライトが印象的なステージングとなっていました。
そして暗い森の奥へといざなわれ、"willow" の始まりです。魔女たちによる秘密の集会を思わせる演出のこの楽曲は映画で見てとても心を打たれたので楽しみにしていたのですが、残念ながら前半はステージサイドからでは気に阻まれてほとんど何も見ることができず、スクリーン頼りとなりました。
中盤からテイラーたちがゆっくりと花道に出て来てくれたので、ようやく姿を拝むことができました。空間としてはとてもよかったのと、ライティングを横から見ることができたのは良かったのですが、この楽曲についてからは正面やアップで観るのが最適だと痛感しました。
集会が終わると今度は "marjorie" の世界へ。ライトの演出は相変わらず美しかったのですが、やはりそれ以上に美しいのは観客が照らすスマートフォンの光です。場所によってはまばらに見えるところもありましたが、Marjorieさんには十分思いが伝わったのではないかな、と思いました。
この直後のグランドピアノに着席してのMCでもテイラーはこのことについて触れていて、国境を越えてもこの伝統が守られていることの感謝と感動を伝えてくれました。更に、東京公演でのSwiftyの衣装がとても「カワイイ」と褒めてくれて、その表情がとてもかわいかったのですが、衣装づくりに日夜励んでいたSwiftyの方々の努力が認められたんだな、となんだか嬉しくなりました。
さて、MCが終わると次は "chanpagne problems" です。"evermore" の中で一番好きな曲なので、それを生で聞けるだけでもうれしいのですが、この楽曲はピアノ弾き語りという演出がさらに私の心に刺さりまくります。更に、このピアノがステージの向かって右寄りに設置されるため、私の席からは比較的近くに観ることができて、殊更感動してしまいました。想像していたほどではありませんでしたが、ブリッジもそこそこの盛り上がりを見せていて、切ない曲ではあるものの幸せな気持ちに浸ることができました。
セットリストは進み、このEra最後の楽曲である "tolerate it" へ。凝った演出の楽曲ではありますが、席の位置からほとんど演出は観られないだろうと諦めておりました。実際、基本的にはテイラーの美しい背筋を眺める時間となったわけですが、映画ではみることのできなかった演出のからくり部分をじっくりと観察することができました。その演出というのが、テイラーがテーブルの上から放るグラスや花瓶の仕掛けです。SNS上で、背後の壁から棒が伸びてきて小道具を回収している、という情報を観てはいたのですが、それを実際に目撃することができました。タイミングをうかがって棒がこっそりと小道具を書き出していく様はテイラーの歌声とはギャップがあり、観ていてとても興味深かったです。
全体的に客席の盛り上がりに欠けた印象のあったevermore Eraではありましたが、一曲一曲の演出が素晴らしく、The Eras Tourの要の一つだなと実感しました。そして、ここで一緒に盛り上がれたお客さんたちはSwiftyだな、という謎の安心感も覚えました。
Reputation Era
コツコツというヒールの音とダークな雰囲気、ヘビがスクリーンに写し出され、Reputation Eraに突入です。
一曲目はもちろん、 "…Ready For It?" 。歌詞も音もスタートを切るのにぴったりの楽曲で鳴り響く低音と共にボルテージが上がります。個人的にはかなり盛り上がる曲だと思うのですが、会場の雰囲気は温度差があるように思いました。ものすごく盛り上がっている人と、そうでない人のテンションがくっきり分かれていて、不思議な感覚でした。
会場のテンションが静まってから、ダイアモンドステージを中心に魅せる "Delicate" へ。オープニング直後の '1, 2, 3, Let's Go Bitch!' を周囲の人と共にバッチリ決めると、機嫌の良いテイラーが歌い始めます。この楽曲は、テイラーの動きに合わせてガラスのようにバリバリとヒビが入っていくステージの演出が目玉です。 ステージサイドからだと、少し見づらくはあったものの、その分テイラーの優雅な横滑りの動きを堪能することができました。
ステージが一気に暗くなったかと思えば、神々しい光がステージから天井に真っ直ぐと伸び、 "Don't Blame Me" が始まります。この光が伸びる様はなかなか映画では体感しづらく、SNSで見かけてキレイだと思っていたので、生で見ることができて感動しました。ステージサイドからだと、真っ直ぐに放たれる光が本当にキレイに見えました。特に、何度か登場する、ライトが一度徐々に消えてから一気にすべてのライトが点灯する瞬間がきれいだと思いました。
そして、この曲の見せ場でもある 'Usin' for the rest of my life' の後のロングトーンがこの日はとてもきれいに決まっていて、一度音程が下がった後、最後にピッチが跳ね上がるところまで声が出ていました。このロングトーンの高ピッチは必ず聞けるわけではないので、ひどく感動しました。
The Eras Tourの中で最も天才的なつなぎともいわれる "Don't Blame Me" のアウトロから "Look What You Made Me Do" のイントロへのスムーズな移行は、生で内観すると鳥肌ものでした。残念ながらサイドステージからは歴代テイラーの衣装はあまり見えず、またモニターの演出はサイドだとあまり見ることができないので、演出を楽しむという意味では若干の物足りなさは否めないものの、会場の雰囲気は少し上がっていたので盛り上がりやすかったです。
Reputation EraはエナジェティックでパワフルなEraなので、全体的にもう少し盛り上がるかなと思っていたものの、実際はそこまで盛り上がった感がなく、温度差がかなり出ていたように感じ少し残念に思いました。しかし、テイラーのパフォーマンスは素晴らしく、またThe Eras Tour全体を見てもこのEraは非常にアイコニックで特徴的なので、彼女の音楽の旅の中にこのEraが存在することの重要さを改めて痛感することができました。
Speak Now Era
先ほどまでとは打って変わって会場が一気にドリーミーな雰囲気に包まれます。優しい紫のライトアップが広がり、"Enchanted" の前奏が始まります。プリンセスドレスがアイコニックな Speak Now Era の幕開けです。この日のドレスは優雅なピンクドレス。たっぷりとしたスカートの動きが優雅で素敵な一枚です。スパンコールのようなライトがステージから天井に向かって流れていく演出が非常に印象的でした。
この楽曲もブリッジが非常に印象的ですが、海外公演ほどではないものの、そこそこの合唱となっていた印象です。ついつい私も熱唱してしまい、後で動画を見返して少し気恥しくなりました。
テイラーの優雅な歌声に魅せられた会場に "Long Live" の前奏が流れると、再び歓声が上がります。'The crowds in stands went wild' の直後にしっかりと会場が歓声に包まれたのがとても印象的でした。プリンセスドレスに身を包みながらギターをかき鳴らす様は少しギャップがあって、まさにテイラーらしい姿だと思いました。せりあがりステージで披露される楽曲なため、ステージサイドからもバンドメンバーが良く見えて大満足な一曲でした。
アルバム "Speak Now" には様々な楽曲が収録されているにもかかわらず、メジャーかつ人気の高いシングル曲ではなく "Enchanted" と "Long Live" がチョイスされたことを物足りないと感じる人もいるかもしれません。確かに、 "Mine" や "Mean" 、 "Back to December" といった楽曲を聴きたい気持ちは私もあります。しかし、ここ数年TikTokを中心に再度流行した "Enchanted" と、バンドへの想いを込めた "Long Live" を選択し、アコースティックかつ「歌」を効かせるコーナーとしてこのEraを演出したのは、The Erat Tour 全体の構成で緩急をつけるにはとても重要なことで、非常に効果的だったな、と振り返って改めて感じました。
RED Era
プリンセスドレスなテイラーを見送った後は、オープニングから大盛り上がりなRED Eraに突入です。おそらく、日本で一番人気が高い Era なのではないでしょうか。
ミュージックボックスの仕掛けから始まり、真っ赤ならいてぃぐと共に明るい雰囲気で "22" の始まりです。この日のTシャツは "WE ARE NEVER GETTING BACK TOGETHER LIKE EVER" でした。自然と会場が一体となってノリノリになりました。サイドステージ付近までテイラーが来てくれた時には周囲がかなり沸き立ちました。
"22" といえば一番気になるのは、ハットがもらえるラッキーガールは誰かということ。このハットのプレゼント場面は何度見ても胸がいっぱいになって泣きたくなってしまいます。この現象に名前を付けたいところ。この日も例に漏れず、喜んでいる少女の表情に思わず泣いてしまいそうになりました。
盛り上がりを維持したまま、 "We Are Never Ever Getting Back Together" へ。日本で一番著名なテイラーの楽曲なだけあって、会場の盛り上がりは一番に近かったのではないでしょうか。前奏から多くの人が歓声を上げていました。当たり前のように巻き起こる合唱に若干戸惑いつつも、そのノリに乗っかりました。この曲の目玉はブリッジの最後にダンサーのKamが放つ言葉です。本来は 'Never!' と叫ぶ場面ですが、公演場所によってセリフを変えてくださっており、東京のN1は「ありえない」、N2は「絶対にない」でした。
注目のN3は……「マジ無理」!この最高すぎるセリフに会場は大いに沸き立ちました。
テンションを保ちながら、 "I Knew You Were Trouble" へ。こちらもかなりの合唱が巻き起こりました。東京公演で大きく注目されるのが、テイラーの髪の毛に起こる静電気。頭をかなり激しく振る楽曲な上に気密性が高いからなのか、割と激し目に静電気で髪の毛が逆立ってしまっている模様でした。この日もばっちりと静電気で紙が逆立つテイラーを目撃することができました。更に 'trouble' に合わせて目まぐるしく変化するライティングがとても印象的でした。
RED Eraを締めくくるのが、"All Too Well (10 Minute Version)"。このバージョンが公開されただけでも喜ばしいのに、この楽曲を生で聞ける日が来るなんて、本当に夢のようでした。微かに合唱は起きていたものの、海外公演ほどのエモーショナルさがなかったのは少し残念でしたが、それでも周囲に歌っている人が多かったからか、自然と我慢せずに口ずさむことができて嬉しかったです。会場全体のライティングも非常に美しく、最初は割と静かなのにもかかわらず、曲のテンションが上がるのと合わせて情熱的な色へと変化し、曲の最期にはMVを連想させる雪のような映像がスクリーンに映り、さらにライトの影響か天井にもそれが映り、本当に雪が降っているような演出になっていたのがとても印象的でした。
個人的には 'And I was never good at telling jokes, but the punch line goes / I'll get older, but your lovers stay my age' の直前にテイラーが片脚をかくっと曲げる仕草が大好きで、それを生で見ることができたのがとても嬉しかったです。
最も熱気を見せた RED Era でしたが、"All Too Well (10 Minute Version)" でしっとりと終了して次の Era に備えられたのは全体の演出としてよくまとまっているな、と改めて感動した一方で、やはり日本ではこのアルバムが一番知名度が高く、テイラーが過去にインタビューで話していたように、"We Are Never Ever Getting Back Together" は日本人にとって特別な一曲なんだな、と再認識しました。その一方で "All Too Well (10 Minute Version)" については知名度が高くないのが会場の雰囲気から手に取るように分かり、再録版のことは日本ではあまり知られていないのではないかな、とも感じました。
folklore Era
"All Too Well (10 Minute Version)"の余韻を残した会場に、虫や小鳥の音、そしてテイラーのモノローグが静かに響き渡ります。一気に森の奥に連れてこられて、folklore Eraの始まりです。ステージにはfolkloreキャビンが現れます。
ロッジに薄いピンク色のドレスで登場したテイラー。屋根の上に座り、軽快な雰囲気で "the 1" を歌い始めます。残念ながら私の座席からは見事にキャビンで視界を遮られ、テイラーを直接見ることはできませんでした。スクリーンに映ったテイラーを眺めながら、彼女の歌声に集中します。会場のライトもこの楽曲はとても静かなので、まさにテイラーの歌声とコーラス、バンド演奏に集中する一曲でした。
曲が終わるとテイラーが屋根から降りてくるのですが、ここでトラブルが発生。屋根の向こうでテイラーの伸ばした手が危なげに伸びたのが一瞬見えたと同時に、会場から心配の叫び声が漏れます。どうやら屋根を降りる際に転びかけたようでした。(後で他の方の動画を確認したら、本当に転びかけていました。)
何とか無事にキャビンに降りてきたテイラーでしたが、本当に危ないところだったらしく、MCにて「一瞬、走馬燈が見えた」「落ちなくてとても幸運」などと何度も話していました。何事もなくてよかったですが、本当に気を付けて欲しいです……。
そして、folkloreの説明、そして例のティーンエイジャーの三角関係について語り、三角関係の一角を担う James という青年の歌 "betty" が始まります。相変わらず、ステージサイドからはキャビンの仲がほとんど見えないのでスクリーン頼りではありましたが、 "betty" は "folklore" の中で一番好きな曲かつ The Eras Tour の演出もとても好きなので、生で聴くことができて感無量でした。広いドームという開錠の中でも、ライブハウスでのセッションのような感覚が味わえる、なんとも贅沢な時間だと思いました。
そして、セットリストは "the last great american dynasty" へ。古きアメリカらしい衣装に身を包んだダンサーさんたちも見どころな一曲です。サイドステージからはあまり中央のダンサーさんたちは見えませんでしたが、その代わりに映画ではあまり映らなかったような、キャビンの脇で踊るダンサーさんたちを見ることができました。ついつい踊りだしてしまいたくなるこの楽曲、思いのほか会場は静まり返っていましたが、その分パフォーマンスに集中できました。
会場が少し明るくなり、ティンエイジャー三角関係の一角、James のひと夏の恋の相手、Augustine 視点の "august" へ。切ない思いがひしひしと伝わってくる、人気曲の一つです。実はこの日、唯一壊してしまったFBが "august" のもので気に入っていたのでショックを受けていたのですが、曲の真ん中、テイラーがダイアモンドステージ上にてライトサイドに駆け寄って来てくれるシーンを正面から見ることができたので、その悲しみも癒えました。
Augustine の切ない想いは次の "illicit affair" の心の叫びにつながります。テイラーと共に魂の叫びをぶつけるSwiftyの声を遠くに聞きながら、私もブリッジを熱唱しました。
また会場が暗くなり、まっすぐな一筋の光がテイラーに注がれ、 "my tears ricochet" が始まります。 "illicit affair" の心の叫びの後にこの曲を聴くと、なんとなく魂が浄化されるような気分になります。テイラーとコーラス隊によるゆっくりとした歩みと伸びやかな歌声に耳と心を完全に預けます。最後の盛り上がりに合わせて会場のライトが波のようなパターンを描き、感情を持っていかれました。
そして folklore Era を締めくくる、 "cardigan" です。映画版ではカットされているため、初めて見るパフォーマンスです。ティーンエイジャー三角関係の一角を担う James の恋人 Betty 視点でつづられる楽曲で、 "folklore" のリードシングルでもありました。その影響か、会場ではこの Era の中ではお客さんの空気が一番盛り上がっていたように感じました。くるくると回りながら音を楽しむかのようなテイラーの姿が静かな癒しとして心に届きます。
全体的に静かなEraではありますが、その中でもライブセッションのようなスタイルでより近くにテイラーの存在を感じることができました。演出も凝っていたし曲数も多く、なによりもテイラーの表情がとてもよかったように個人的には感じました。映画ではカットされていた "cardigan" もようやく聴くことができて大満足でした。
実はこの日は folkloreを意識した白のワンピースとカーディガン、チェックのコートジャケットで参戦していたため、より思い出深い Era となりました。映画版を観に行った際にもこの服装だったのですが、 "cardigan" が削られたと知った時にはなかなかなショックを受けたので、今回それを消化どころか昇華できたので、もう思い残すことはない!といった気持ちになりました。
1989 Era
幻想的な雰囲気から一転、暗転してからどことなくエレクトリックな雰囲気に会場が包まれます。そして "Style" の前奏と共に映画と同じピンク色のツーピースに包まれたテイラーが登場します。テイラーに歓声を上げるのが忙しく、 'What time is it, Taylor?' のチャントをすっかり忘れた黒木でした。
会場のボルテージも少しずつ上がり、盛り上がり始めた印象です。座席が非常に狭いながらも、テイラーと共に歌い踊りまくってとても楽しかったです。
テイラーがバシッとポーズを決めた後に、 "Blank Space" のビートが聞こえ始めます。The Eras Tourでのこの曲の振り付けがちょっと謎ながらもかわいくて好きなので、真似して踊りました。映画で見たときも驚きましたが、気づけばダンサーさんが自転車に乗って登場していたり、テイラーがゴルフクラブを握っていたり、と目を離す隙のない演出には感嘆の言葉しか出ません。
ブリッジ部分の 'Boys only want love if it's torture / Don't say I didn't, say I didn't warn ya' の合間に都市名を叫ぶ、という1989 World Tourのシドニー公演をきっかけにできたチャントがあるのですが、その東京版を実践なさっている方がいらしたので、途中からその方に便乗して 'Tokyo!' と叫ばせていただいたのも、良い思い出です。
前奏が始まったとたんに、体が思わず縦乗りしてしまう "Shake It Off" へとセットリストは進みます。この瞬間跳ねたのは私だけではなかったはず、というのも、足元の床がグワングワン揺れていたので、東京ドーム中が揺れていたのではないかと思います。"We Are Never Ever Getting Back Together" に次ぐぐらい大きな反応だったと思います。テイラーのパフォーマンスが素晴らしいのは当たり前なのですが、観客がいたるところで体をシェイクしているのはとても興味深い光景でした。客席のライトも明るい雰囲気で色がきれいに変わり、とても印象的でした。
興奮の絶頂だった会場も、テンションはそのままに暗転で静まると、テイラーの鼓動がドームに響き、 "Wildest Dream" へ移ります。映画版ではカットされていたおり、The Eras Tourのセットリスト内で観るのは初めてでした。"1989" の中で一番好きな曲なので、短縮版だったのは少し残念ですが、それでも生でパフォーマンスを体感できて嬉しかったです。
短期間の少し切ないロマンスを描いた楽曲で、静かなメロディと情熱が共存するところが魅力の一つだと思います。静かな青系のライティングから確かな情熱を見せる赤を基調としたライティングが混ざり、派手に照明がたかれて次の楽曲の導入にもつながる見事な演出がとてもかっこよく、ロックテイストなバンドのサウンドも決まっており、一味も二味も違う "Wildest Dream" となっていたように感じました。
そして、静かな夢から挑発的な "Bad Blood" へと会場は急展開。この Era の締めくくりです。テイラーの表情も、直前までのロマンティックな表情から打って変わって険しいものへ。テイラー軍団の一員になったような気分で、力強く 'Hey!' と叫ぶのはなかなかに気持ちよかったです。機材トラブルか、一瞬テイラーのマイクが入っておらず歌が途切れることもありましたが、すぐさま対応がなされたこととテイラーの冷静な対処で大きく目立つほどではありませんでした。ケンダリック・ラマー気分で 'You forgive, you forget, but you never let it go' も無事に差し込むことができ、引き締まったテンションで Era を最後までテイラーとともに走りきることができました。
RED Era に匹敵するほどに盛り上がった 1989 Era。あまりの盛り上がりに、 folklore Era と比較して少し驚いてしまいましたが、多くの人がテイラーの楽曲で盛り上がっているのを観るのは、やはりとても嬉しい光景でした。
実は 1989 Era に入るまで、私は写真や動画撮影のためにスマートフォンを出し入れしていたのですが、後ろのセットリストのためにスマートフォンを温存すべく、この Era ではスマートフォンを鞄にしまってその場を楽しむことに全力を注ぐことにしました。結果的にこれが本当に楽しくて。テイラーやテイラーのクルー、そして会場の方々と一体になった感覚が本当に最高でした。後になってみて、やっぱり動画や写真も欲しかったな、と思わないこともないのですが、あの体験は生もので、一生に一度しか経験できないものだったので後悔はないです。本当に、楽しい Era でした。
Acoustic Session
会場は興奮冷めやらない中、映画と同じく赤に近い濃いピンクのドレスに身を包んだテイラーがステージにやって来ます。会場にあるのはシンプルにギターとピアノとマイクだけ。Acoustic Session の始まりです。
Acoustic Session は、テイラー本来のパフォーマンスの素晴らしさと楽曲の良さを存分に味わえる、サプライズソングです。今日の楽曲はなんだろう、とワクワクしながらステージを見つめます。
テイラー自身もこの時間をとても楽しんでいるというMCから始まり、ギターをかき鳴らすテイラー。この日のサプライズ1曲目は、 "Speak Now" に収録されている"Superman" でした。可愛らしい歌詞が特徴の一曲ですが、あまり有名ではなくマイナーな曲です。実際にライブ演奏されたことがほとんどない楽曲なので、とてもレアなパフォーマンスです!
観客が静かなことも幸いし、テイラーの美しく澄んだ声とギターの素朴な音色がドームに響き渡りました。あまりの美しさに声が出ないとはまさにこのこと、な状態になってしまいました。
そして、スタンドアップピアノに移って、前奏を奏で始めます。とても昔に書いた曲であることを少し恥ずかしそうに説明しながら、デビューアルバム "Taylor Swift" に収録されている "The Outside" が始まります。テイラーが12歳の頃に書き上げた楽曲で、切なくも「あなたは一人じゃない」と勇気づけてくれる一曲です。この曲もあまり有名とは言えないマイナーな曲ではありますが、その分、やはりライブで披露されたことがあまりない楽曲で、とてもレアな一曲です。
この曲でも、静かな東京ドームにテイラーの美しい歌声とピアノの旋律が響き渡ります。この演奏も息を飲むほど美しく、繊細でありながらも力強さをもったパフォーマンスに涙が出そうになりました。
笑顔でパフォーマンスを終えると、満足気に立ち上がったテイラー。ステージに水の演出が登場すると、 The Eras Tour 名物、テイラーがステージへと飛び込みます。花道をぐんぐんとテイラーの映像が泳ぎ進んでいくのでした。
今回テイラーが演奏した楽曲は、どちらも知名度が高い曲ではありませんでしたが、その分、他でパフォーマンスしたことがほとんどない、とても貴重なステージでした。日本の観客は静かだ、とはよく言われていますが、むしろそれがプラスに作用したパフォーマンスだったとも言えるのではないでしょうか。
Midnights Era
ラベンダー色の幻想的な雰囲気と共に、一気に雲の上の世界にいざなわれます。スクリーンにははしごでふわふわ雲に入っていくテイラー、そして実際に雲のモチーフが会場に現れて、"Lavender Haze" の冒頭であるテイラーの 'Meet me at midnight' という言葉で Midnights Era へ突入です。
"Lavender Haze" は私もお気に入りの一曲ですが、やはり冒頭の雲のモチーフやはしごを使ったパフォーマンスが非常に印象的です。この時のテイラーは淡いパープルのキラキラシャツに、パープルのファージャケットでした。
ファージャケットを脱いでマイクを再び手に取ると、そのままスムーズな流れで "Anti-Hero" へ。前奏だけで観客が湧きます。この曲はステージサイドに近づいてきてくれる演出がおなじみのため、期待している人が多いのが分かりました。実際にテイラーがこちら側によって来てくれると、ステージサイド一帯がかなり湧きました。やはりテイラーと 'Hi!' できるのは最高の体験ですよね。シャツをちらりとめくってガーターを見せる振り付けも健在で、会場が大きく湧きました。マイクが少しだけ不調なのかな?と感じた部分もありましたが、機材トラブルになることもなく、テイラーの歌声が会場中に響き渡りました。曲の最後のテイラーのかっこかわいいヒーローポーズもばっちりと決まり、歓声が響きました。
テイラーたちのいるステージにキラキラとしたものが美しく舞う、雨を表現した演出に心を奪われていると "Midnight Rain" が始まります。しっとりと降り注ぐテイラーの言葉に耳を傾けていると、テイラーが傘の向こうへと消えていきます。そして傘の向こうから出てきたテイラーはキラキラが縦にライン状に伸びる、ブルーのミッドナイトボディースーツに身を包んでいました。
傘の演出も雨の演出もとても魅力的なこの曲は、ライティングもしっとりとブルーやパープルを基調としていてとても落ち着いた印象でした。
穏やかな中に切なさをはらんでいた空間から一転、'Draw the cat eye, sharp enough to kill a man' の言葉で会場は一気に黒と赤の世界に染まります。 "Vigilante Shit" の始まりです。ミュージカル『シカゴ』を想起させるこの楽曲は Ther Eras Tour の見どころの一つで、テイラーの妖艶かつかっこいいダンスが各地大きな話題と注目を集めています。私の位置からはステージ向かって右側のダンサーさんたちの動きがとてもよく見えて、しなやかな中にも力強さのあるダンスに見惚れてしまいました。テイラーやダンサーさんたちがポーズを決めるたびに大きな歓声が沸き上がるのが、少し不思議な気分でもあった一曲でした。
一転して会場が一気に明るい空気になり、 "Bejeweled" が始まります。モニターもキラキラと輝き、そして会場のライトもキラキラと輝き、とまさに Bejeweled な空間にテンションが上がります。観客の盛り上がりがいまいちだったのは少しばかり残念でしたが、あの Shimmer ダンスを生で見ることができたのと、同時にテイラーに向かって Shimmer することもできたので、嬉しかったです。改めて聞くと、本当に気分が上がる曲だなとつくづく実感しました。サビ終わりのダンサーさんたちのソロダンスも見ごたえがあり、自然と心から笑顔になれる 'Nice!' な時間でした。
またも会場が暗くなると、ステージにライトが流れ始め "Mastermind" へ。横から見ると、花道を流れていくライトの演出の動きがよく分かりました。この楽曲からテイラーのファンの間でのあだ名ともなっている Mastermind の名にふさわしく、ダンサーさんや会場を完全に制圧したテイラー。彼女の指示通りに一糸乱れぬ動きを見せるダンサーさんたちはプロ中のプロで、その動きを生で見ることができたのはとても感動でした。会場のライトも音に合わせてパラパラと光っていたのが印象的でした。
大きな歓声の中、テイラーからの感謝の言葉と共に、最後の曲 "Karma" が始まります。ああ、この最高に楽しい時間が終わってしまうんだ、と残念に感じながらも、テイラーも気に入っているだろう楽曲を楽しみました。黒っぽい紫のファージャケットを着たテイラー。最後の曲だからか、会場のライティングもとても華やかで、それだけでも十分に楽しめるほどでした。ライトは天井にも映し出されていて、最後の盛り上がり、といった感じでした。観客は少し疲れ気味でしたが、それでもフィナーレを盛り上げようという根気があったように思いました。
曲が終わり、カーテンコールさながら、テイラーやダンサーさんたち、バンドマンたちへの感謝の拍手と歓声で The Eras Tour Tokyo N3 は幕を閉じました。最後に絆の輪のような素敵な模様が天井に映し出されたのがとても印象的でした。名残惜しくも大熱狂の中、ライブは締めくくられました。
もう本当に興奮して、最高に楽しめるライブで、アトラクション性も中毒性も最高値だな、と改めて感じました。会場を離れるのも名残惜しかったですが、N4の参戦も決まっていたため、明日のためにも早く帰って寝ないと、と出口へ。入場とは違ってすんなりと出口にたどり着きました。
東京ドーム名物?の風圧が強い扉を初体験して、建物を後に。私の前にいらした(おそらく)外国の方が、風圧に驚きつつも "I'm Beyonce!" と髪をかき上げていらしたのがツボにはまりつつ、駅へと向かう波の中に飲み込まれることとなりました。
さて、翌日は The Eras Tour と東京最終公演 N4!
配信までには、レポートを完成させて公開したいな、と思っております。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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