見出し画像

*読書感想文* ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

育休中に読んだ本の記録です!

本の概要

著者 ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ
翻訳 関美和
発行 2014年9月25日
出版 NHK出版

自分なりのまとめ

本書は、スタートアップを成功させるための最低限の条件とは何か、を事例を交えて伝えています。アメリカの大学では、企業を成功させるノウハウとして成功企業の模倣の仕方が教えられていたりするのでしょうか、それは小手先であって成功の条件ではないと、リスクを避け小さな成功を追おうとする人々を批判しているとも読めます。

1章)目指すことは何か。成功例のコピーではない。テクノロジーの力で世界を変えることだ。
2章)ドットコムバブルの振り返りと間違った反省(壮大すぎるビジョン、計画は不要、既存市場から始める、プロダクト≫販売)
3章)完全競争は大きな利益を生まない。独占企業こそ目指すべき姿だ。
4章)競争を叩き込まれる教育と、その愚かさ。
5章)独占企業をどう創るか。二番手より10倍優れた核となるテクノロジー。非常に小さな市場の独占から始める。破壊しない(無駄に敵を増やさない)。ラストムーバーになる。
6章)成功は運次第ではない。曖昧な楽観主義は捨て、自らの手で未来をより良くしようとすること。
7章)VC的なリスク分散の考え方は成功に繋がらない。ひとつのことが他の全てに勝る。
8章)隠れた真実にチャンスがある。
9章)創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップはあとで直せない。
10章)メンバー選びの重要性
11章)営業の重要性
12章)機械は人間を代替しない、道具として活用できる
13章)クリーンテクノロジーバブルの失敗事例とテスラの成功例
14章)創業者は過信せず、社員から最高の力を引き出せる。賞賛と汚名は隣り合わせ。
15章)シンギュラリティが起こるかどうかは分からないが、未来は勝手に良くなるわけはない。自分の頭で考えて、選び、創り出せ。

感想

ハウツー本な感じかなと思って読んだのですが、わりと散文的でちょっと頭に入りにくい印象でした。スタンフォード大学での授業をもとに書籍化したらしいので毎週トピックが分かれていた感じだからですかね。6章とか14章とか主義やら思想やらのテーマが結構長くてそのへんはフーンって感じで読みました。。
スタートアップ成功させるには小手先じゃない、種と準備と想いが必要なんだ!というメッセージには強く共感できます。私はスタートアップやりたいと思って読んだわけじゃないのですが、会社では新規事業開発の業務に携わっているので参考になる部分が多々ありました。特に印象に残った箇所を記録しておきます。

起業の瞬間を引き延ばす…新しいものを作り出している限り、創業は続く。
大企業の新規事業開発部隊にいるので、まさにこうありたいですね。

最高のスタートアップは、究極よりも少しマイルドなカルト。
これ凄く共感です。今いる部署がまさにそんな感じ。周囲から若干白い目で見られることも。でも自分はそこを心地よく感じれるので、性に合っているんだと思う。新しいものを生み出すチームはそれでいいんだなと、納得できた感じ。(しかし盲信すればそれはカルト。ここが大事ですね。)

演技と同じで、売り込みだとわからないのが一流のセールス。…新規顧客の開拓は事業開発と呼ばれる。誰も売り込まれたくないからだ。
大企業向けの個人セールスと、消費者向けの広告宣伝の間には、デッドゾーンがある。中小企業への有効な販売チャネルはないようだ。
いちばんよくある失敗の原因は、ダメなプロダクトではなく下手な営業だ。有効な販売チャネルがひとつでも手に入れば、ビジネスは成功する。

自分は技術営業やりたくてメーカーの営業組織に入社したものの、より自分のやりたいことを選択していった結果いまの事業開発部隊にいて、営業ではないんだけども顧客開拓をしている。それはまさにこういうことだったんだなと、(いまさら)整理がついてスッキリしました!
そういうバックグラウンドがあるのでこの章がいちばん印象に残ったし、営業部隊を抜けたことも含めて目指す方向が間違っていないと後押しされた気がしました。新規事業を成功に導くメンバーになること。そのために復帰後に向けて何ができるのか、また考えていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?