上手に相談するコツ
「困ったことがあったらいつでも言ってね」と言われても、何をどう伝えたらいいかわからないので何も言えない。
こう感じる人が他にどれくらいいるか知らないが、私は「相談」することにストレスを感じることが多々ある。
相談は、本来なら他者に意見を求めて解決へ導く行為であるはずだ。それ自体がストレスの要因になっては本末転倒である。
そこで、以下のように自己分析してみた。
なぜ相談することがストレスなのか
思いつく限りでは、次の3つの理由がある。
悩みを言語化できていない
何らかの不満があるが、それを言語化できず他者に伝えられないため、相談ができない相手が適切ではない
他に話したい相手がいるのに、特定の相手との相談を半ば強制されていて、自分の納得のいく形で相談できない自分が求めている意見をもらえない
相談しても期待したアドバイスを得られず、相談そのものを無意味に感じる
1は個人の問題と思われるかもしれない。だが自助努力と突き放しては、離職率も自殺率も改善されない。
2は会社での1on1などで起こりうる。体制がニーズに合っていないまま固定された状態だ。
3は、もちろん相手が悪いという可能性もある。しかし、自分で話し方を工夫することで、望まない結果はある程度回避できる。
原因別の対策
1. ただ話を聞いてもらう
大切なのは、とりあえず自分の外に出すことである。「相談」のハードルが高いと思うのであれば、ただ近況を話して壁打ちをすればいい。あらかじめ「辛い」「悲しい」などの感情を頑張って探しておく必要もない。
当然、相談相手からどのようなフィードバックが来るかは場合によるが、思考を整理するのには少なからず役立つはずだ。
特に会社では、社員は互いのストレスを軽減することは全体の利益となる。上席に愚痴って嫌な思いをさせるなどは一切考慮しなくていい。後輩に対しても、節度ある内容であれば、親近感から自分もこのレベルで悩みを話していいんだと安心してもらえるかもしれない。
2. 制度の外で話す
相談できる制度があるとそれを使いたくなるが、その制度内でしか相談してはいけないわけではない。わざわざ意見箱に入れなくても、意見を述べて問題ないはずだ。
エレベーター、トイレ、休憩室、ランチ、別の打ち合わせのついでなど、ただ話す機会はいくらでもあるだろう。また、対面が難しければチャットやメールでも十分だ。
ちなみに私は、ツイートと称して、チャットで他の社員に思いつきのアイデアや気づきを送りつけている。
3. 誘導尋問する
建前は「相談」でも、想定されるリスクだけ聞きたい、背中を押されたいだけ、など本音はいろいろあるだろう。その場合は、最初からピンポイントで質問すればいい。あるいは、「こういう可能性も考えていますが…」と先にもらいたい意見の具体例を提示し、そこから引き出すこともできる。
逆に、すでに自分で答えが出ているが他者の意見も聞きたい、という場合は、自分の意見は伝えずにいきなり相手の意見を聞くのが効果的だと思う。先に答えをだすとそれ以外の思考の幅が狭まってしまうからだ。私はこちらの場合が多い。
やや脱線するが、「あなたをサポートします」イコール「あなたに都合の悪い意見は言いません」であってはならない。多角的に考えたいと思っているのに、自分と同じ視点での議論しかできなければ、それは不満に繋がりかねない。
そもそも「相談」である必要はない
困りごとを伝えたり他者から意見をもらう方法は「相談」だけではない。
というか、「相談」は幅が広く、その中には「愚痴」「質問」「交渉」などさまざまなコミュニケーションが含まれているはずだ。
自分が目指す着地点に持っていくにはどの方法が一番有効であるか細分化して考えると、抱えている悩みも相談するストレスも解決しやすいのではないか。
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