水無月の花をしたためて
ラテン語では水の器を意味するらしい紫陽花を
今晩は見掛けました
しとしとと降る雨に濡れた藍色に、
深くまた静かな
安らぎを覚える夜は久々で、
四季はまた巡ったのだと
少しばかり心が揺らめきました
今宵の星は雲に隠れている様です、
次の紺にはまた姿を見せてくれるのだろうか
柔らかな大地から、瑞々しい木の葉から、
香る歓びのことは
早速手紙にしたためてしまいました。
この手紙をひらいて
読む姿を想像しましたところ、
あなたの指先には紫陽花の変化する、
藍、紫のあの澄み切った花の色で
染めてあげたい、
なんて浮ついたことを考えておりました。
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