見出し画像

周りが気になって仕方がない【HSP】

さて、自己紹介の記事でタイトルのみ紹介した本について、深掘りしていこうと思います。

私が仕事中に気になること、それは「周りの人」です。
周りの人の視線や感情がチクチクと痛く感じてしまいます。

「あの人今日すごく機嫌悪そうだなあ、話しかけるの嫌だなあ。」
「こんな事で怒られてしまった…皆にどう思われているだろう。」

周りの人の視線や感情とは少し異なりますが、
「〇〇さんが困っていそうなのになぜ皆気づかないのだろう。」
「△△さんのあの言い方には嫌味が含まれていたのかなあ。」

なんて、毎日疲れるほど考えていました。
そんな私の気持ちを軽くしてくれる本と出会いました。

「繊細さん」って?

私が出会った本は、武田友紀氏著「気がつきすぎて疲れる が驚くほどなくなる『繊細さん』の本」飛鳥新社(2018)です。

「気がつきすぎて疲れる」って、私のことじゃないか!と、本を手に取り、無意識にレジへ足が向かっていました。

本書から引用しながら、繊細さんとについて読み砕いていこうと思います。


私はこれまでに「気にしすぎだよ!」と何度言われてきたでしょうか。
気にしないことができたらどんなに楽か…。
本書の最初に、武田氏の印象的な言葉がありました。

 背の高い人が身長を縮めることができないように、繊細な人が「鈍感になる」「気づかずにいる」ことはできません。生まれつき繊細な人が鈍感になろうとすることは、自分自身を否定することであり、かえって自信や生きる力を失ってしまいます。
「繊細さん」の本 p.4

まさに目からウロコ!でした。「気づかないふり」をして周りに合わせようとしていましたが、そんな苦労をせずありのままの自分でいればいいんだ!と思いました。
四角を無理やり三角に変形させるのではなく、四角なら四角のままでいようと思いました。

ところで、何度も出てきている「繊細さん」とは敏感な性質を持つ人=HSPのことです。

 アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱したHSP(Highly Sensitive Person)という概念がベースになっています。
 最近ではこの概念が日本でも浸透し、「敏感すぎる人」「とても敏感な人」などと訳され、関連書も出てきました。HSPという言葉自体も定着してきた感があります。
「繊細さん」の本 p.7

なるほど、HSPについての研究が進んできたのは最近のことだったんですね。(1991年から研究に取り組み始めたそうです。)
エレイン・アーロン博士について調べてみたら、日本語訳されたホームページがありましたので、載せておきます。

日本で数少ないHSPカウンセラーでもあり自身もHSPである武田友紀氏が、親しみを込めて「繊細さん」と読んでいるそうです。
この本は、繊細なカウンセラーによる、繊細さんのための実用書なのです。

良くも悪くも、感じる力が強い

 繊細な人と繊細でない人は、一体何が違うのでしょうか。
 光や音などの刺激を受けたとき、どのくらい神経システムが高ぶるかは人によって差があります。
 アーロン博士によると、繊細な人と繊細でない人では、脳の神経システムに違いがあるといいます。
「繊細さん」の本 p.18

上記のように、感じる力が強いのは生まれつきの性質であるそうです。

繊細さんは「痛いもの」「つらいもの」を感じやすいということに悩み、ネガティブな性質と思われがちですが、そんなことはありません。

「いいもの」を感じるのも同じくらい感じやすいため、じんわりと味わったり、大きく感動したりすることもできる、感受性豊かな素敵な性質なのですね。

私の場合は、詩を読んでいる時やクラシック音楽を聴いている時、心がぽかぽかしてきます。ほろりと暖かい涙を流す時もあります。

そして、感じる力が強いがゆえ、前職場では対人関係で非常に悩みました。ストレスが原因で年に何回も単純ヘルペスを発症し、そのたびに抗ウイルス薬を内服するといった具合でした。

 自分に鞭打つ頑張りが長期間続いているのなら「何かおかしい」と疑問を持たねばなりません

 心身を壊してまでやるべき仕事など、ないのです。
「繊細さん」の本 p.198–199

自分を後回しにせず、自分をもっと大切にしようと思いました。
こんなにも基本的なことを、なぜもっと早くに気づかなかったのだろう!

私は退職をして、心身共にゆっくり休んで、心から良かったと感じています。心は思っているより脆いのです。
ありのままの自分で生きるためには、逃げることも大切なのですね。

生きやすい人間関係を築くために

会話をしている時に、
「そういう意味で言ったわけじゃないんだけどなあ。」
と、感じることはありませんか?

会話の内容に支障はないけれど自分の言葉の意図を理解してもらえない。
1つの話題をもっと突き詰めたいのに「まあ気にすることじゃないか!」と言われてしまい、その話題が流れてしまう。

私はしばしば経験しており、そのたびに少し悲しい気持ちになりました。

 言葉が伝わらない。そんな感覚を持つとき、伝わらないのは、自分の伝え方のせいでも相手に理解する気がないからでもなく、ただ心の深さが違うのかもしれません

 世の中には、物事を深く考えることがそもそも「ない」人、相手の話を深く受けとる感覚がそもそも「ない」人がいます。
「繊細さん」の本 p.134–135

「心の深さ」、初めての言葉に最初は戸惑いましたが、妙に腑に落ちます。繊細さんは、相対的に心の深い傾向にあるそうです。
他者とのやりとりの間で感じていた違和感の意味が、ようやく分かりました。

生きやすい人間関係を築くためには、自分と同じ心の深さを持つ人と関わりを持つことが大切なのですね。

「そんな人どうやって見つければいいのか分からないよ!」

と思いますが、こういう時こそSNSの有効活用をしたり、そもそも私の記事をここまで読んでいる方々は心の深い人なのではないでしょうか。

心の深い私の親しい人が、
心の深い人間を1人見つければ、あとは芋づる式に見つかるよ。
と、言っていました。

実際に私は、その人がきっかけで新しい人間関係を築くことができました。

新しく見つけることが難しくても、自分のこれまでの人間関係の中で探すこともできると思います。

 自分の感情を顔に出したり、意見を言ったり、ときには友達の誘いを断ったりすることで「誘ったら断らないあなた」「なんでも頼み事を聞いてくれるあなた」が好きだった人が離れていく。「あなたの“殻”が好き」という、本当はあなたに合わない人たちが去るのです。
「繊細さん」の本 p.98

人間関係の入れ替わりを恐れずに、素の自分を出していくことで、自分のことを大切にしてくれる人が残っていくのですね。

「苦手だけど〇〇さんと仲良くしておけば何かと得するしなあ。」
とか、かつての私はそんな損得勘定な考えを持っていました。

そんなことにエネルギーを使うという事は、他人優先で生きているという事です。
もっと自分にわがままになり、自分優先で人間関係を淘汰していき、他者との交流を深めていくべきだと私は思うのです。

おわりに

繊細さんとして生きるためのHow toは、本書や色々なサイトに記載されていると思います。
私は繊細さんについて、私なりに理解してみました。

また、HSPについての本や記事に目を通す人は、おそらくその人もHSPであると思います。
職場での人間関係を改善しようとして、HSPではない人にこの話をしても、理解されることはまずないと思います。

「私はこういう性質を持った人だから」
と、堂々と胸を張って自分らしく生きることが何よりも重要だと思います。

だからといって、HSPを自分を守るための言い訳にするのは、同じHSPとして恥ずかしい行為です。HSPではない人がHSPの人に嫌気が差してしまうのも頷けますよね。

私はこのHSPという性質を享受して、人生楽しもうと思います。
気づけてよかった!

最後に武田氏の言葉を借りて、締めようと思います。

 繊細さんが自分のままで笑って生きることを、心から願っています。
「繊細さん」の本 p.238

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?