見出し画像

告知後すぐはもう何も考えたくありませんでした。

今思えば、取るに足らないことに気を遣っていたと思うけれど、月末という事もあり、こなさなければならない仕事をするために、会社へ向かいました。

会社に到着してから、上司に声をかけるのすら泣いてしまいそうな精神状態だったので、会社の最寄り駅に到着してから、電話で結果を伝え、今後のことについて相談したい旨を伝えました。

結果、会社を退職しました。

ちなみに、これは私の場合なので、会社を辞めなくても乳がんの治療はできるのでご安心ください。

早々に最低限の仕事をこなして、この日は早退しました。

家族に報告しないと。

告知から、数日間は今起こっていることが、現実と受け入れることができるようになるまで、出勤できませんでした。

一人暮らしをしていたけれど、乳がんとは別の理由で、年明けからは実家に住んでいました。

帰ると、父親が家にいて、母親は仕事に出かけていました。

父親は何かを察したのか、乳がんとは夢にも思わないので関心がなかったのか、(後者説が濃厚ですが)結果について触れずそっとしておいてくれました。

私は、母親が帰ってくるまでの間、悲しみで胸がいっぱいだったけれど、できることをしようと、手術をお願いする病院を探していました。

母親が帰ってくると、結果を心配していたようで、すぐに尋ねられました。

「…乳がんだった…でも、かなり早期の発見で手術すれば治るって…」

告知されてすぐに報告することにならなかったことが功を奏してか、泣かずに冷静に伝えることができました。

涙脆い私だけど、乳がんのことで、人前で泣いたのは、告知を受けた時と、手術が終わってすぐの2回でした。

それが多いのか少ないのか、良いことなのか、良くないことなのか、はたまたどちらでもないのか、わからないけれど。

父親も母親も予想外の結果に驚いているようだったけれど、治るまで実家にいて良いということと、病院選びもひとりで抱え込まず一緒に見つけようと言ってくれました。

妹にも電話で報告すると、妊娠中で体調が良くなかったにも関わらず、優しい言葉と後日、病気平癒のお守りをくれました。

報告に関して、この時決めたことがひとつあって、それは、乳がんのことは、先行きの目処がつくまでは、友人、知人には絶対に報告しないということ。

無駄な心配をかけたくなかったし、同世代のがん経験者なんて稀だろうから、どう思われるかも怖かった。

報告した所で自分が思うような反応が帰ってこなければ、傷つくこともあるだろうし、
もし腫れ物に触るような反応があれば、社会的に自分はがん患者なんだと強く認識する出来事になるだろうと思ったから。

他者を使ってわざわざ自分のことをがん患者にする証拠作りをしたくなかった。

何より乳がんになった可哀想な私を心配して欲しい。優しくして欲しい。気にかけて欲しい。

そんな弱りきった気持ちのまま連絡をとりたくなかったからです。

告知から、後に大変お世話になった関西医大附属病院を受診するまでは、私の世界から色が消えて、世の中から取り残されたような孤独感がありました。

特に告知からの数日間は、メンタル大嵐期間だったと思っていて、ここでしか書かないけれど、

今思い返せば、SNSでキラキラして幸せそうに見えるアカウントを見つけると、完全に八つ当たりなんだけれど、めちゃくちゃ腹が立った。

親切を受けても可哀想な人と思われている気がして、意地を張って受け取れなかった。

憧れの人の言葉も綺麗事に聞こえて一時的に離れたいと思うほど辛かった。

ただ、こんな気持ちになるのは、私を最後に出てきて欲しくないと思う一方で、今は私にとっては必要な経験だったと思えています。

もちろん、幸運にも早期にみつけることができたからこそ書けることだということは前提で。

一見幸せそうに見える人も、ひとりひとりが、
病気、事故、事件、今のご時世だと災害など、
世の中にあるいろいろな理不尽を、表に出さず、今を一生懸命生きていることを痛感しました。

そして、そんなことを考えつかないほど、病気になるまで幸せだったことにも気づくことができました。

一番良かったことは、良い意味で、100%フレッシュジュースみたいな濁りひとつない幸せが来る日は一生こないことに気づけたことです笑

別の言い方をすると、たとえどんなに辛く苦しい状況にいても、幸せであって良いと言うことに気づけました。

人生は考え方、捉え方次第でいつでも幸せになれる。

ちなみに、本当に幸せな人ってわざわざ幸せアピールはしないというし、私もその通りだと思うけど、残念ながら書かないと伝わらないので、書きます。

あの時辛かった瞬間はあったけれど、私は乳がんになる前も、今この時も、そして今後どんなことが起ころうとずっと幸せいっぱいです。

次回、手術をお願いする病院探しについてです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?