見出し画像

結果を知る前の休日に、ふらっと商店街を散歩していて、何気に乳腺外科クリニックが目に入った。

「こんなところにクリニックがあるんだ」

また、結果も知らないし、しこりのことも忘れていたけれど、何かこれから長いお付き合いになるだろうなという不思議な感覚があったことを覚えています。

ちなみに、嫌な予感ということではなく、なんというか導かれるような感覚でした。

健康診断から2週間後、いつも通りの朝。
出勤すると、A4サイズの分厚い封筒が届いていました。

その時、私は本当に何も考えず、アレルギー検査の結果が気になって、占いの結果でも見るような軽い気持ちで封を開け、なんならウキウキした気持ちで、中身を確認しました。

家に帰ってから、結果を確認すれば良かったと今でも思っています。

開けてすぐ、画像データのCDが見えたけれど心当たりがなく一旦スルーして、アレルギー検査の結果を確認しました。

予想通り、花粉症でした。
30歳を過ぎてから春先になると、目の痒みやくしゃみ、多量の鼻水に悩まされていたので納得の結果でした........

余計な話、失礼しました。

話を戻して、次に紹介状の封筒が目に入って、


「……なんだこれ?」


心当たりがないけれど、なんだか胸騒ぎがして健康診断結果の用紙を確認すると、目を疑うような結果がそこにありました。


マンモグラフィー:カテゴリー3 要精密検査
乳腺エコー:低エコー域17.9mm




結果は、精密検査が必要なため、同封の画像データと紹介状を持って医療機関を受診するようにと書かれていました。

ちなみに、検索すると、カテゴリー3とは良性(がんではない)、しかし悪性を否定できずということと、

低エコー域とは、はっきりとしたしこりではないが、通常の乳腺と見え方が違うということを指しているということがわかりました。

なんだかうやむやな文章で、余計に不安になって、さらに検索をかけようとした時、ちょうど朝礼の時間がきました。

当然、朝礼の内容なんて一言も耳に入らず頭の中は結果のことでいっぱいになっていました。

「えっ?夢なら今すぐに覚めて欲しいーー」
「えっ?えっ?どういうこと?私乳がんなの?」
「カテゴリー3って何?低エコー域ってどういう意味?」

そんなことを頭がぐるぐるしてうるうちに、朝礼が終わり、これは社会人としてよくない話なのですが、仕事がすぐ手につかず、私の両手はパソコンを前にすると、迷わずキーボードに手が伸びて、近くの乳腺外科を検索していました。

すぐに、休みの日に見つけた家の近くの乳腺外科クリニックの予約を取ることができたけれど、この時の私は、現実を受け入れられず、乳がん検診を受けたことを後悔していました。

立場が違えば、意見が変わってくるというひとつの例になると思っているのですが、

もし、この時の結果が乳がんでなく、偽陽性だった場合、私は、乳がん検診を人に勧めていただろうか?

おそらく、若いうちからむやみに乳がん検診なんて受けるものではないと周りの人に共有していたと思います。

せっかく乳がん検診を受けようとしている方が、過去の私のように、検診を受けるデメリットについてほとんど考えていなくて、不安な気持ちや辛い思いをすることは望んでいません。

なのであえて、検診のデメリットと感じることも、出来る限りフラットな目線でお伝えしています。

私の経験からも、はっきりと乳がんという病名を伝えられるより、これから何度と経験することになった検査結果を待つ時間の方が精神的な負担は大きかったです。
そして、検査が進むごとに身体への負担も大きくなっていきます。


その一方で、乳がん経験者という立場からすると、デメリットを気にしすぎるあまり、早期発見に繋がりやすいという検診のメリットを逃してほしくないと思っています。


何が言いたいかと言うと、乳がん検診だけでなく、人生のあらゆることで、決断する時、メリット、デメリット両方を加味して、最終的にこのnoteを読んでくれた方が納得できる選択ができることを願っています。


その日は最悪な気分で家路につき、母親と妹に電話で結果を伝えました。

2人とも、温かい言葉で励ましてくれて、すぐにクリニック予約の日を迎えました。

次回、クリニックで診察の様子を書きます。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

528,964件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?