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宙組アナスタシアにときめいた話。

全組観劇派といいつつ、一番疎遠になりがちなのが宙組さん。だったのに。
アナスタシアものすっごくはまりました!!!!

運良く二回分チケットがとれた(偶然同日のマチソワ)ので二回見たのに。
見足りなくて千秋楽配信も買いました!!!!

もう次の雪組公演はじまってる中、いまだにふとした瞬間に頭の中を曲が流れちゃうくらいはまってるので、わたしの中のアナスタシアブームをいったん落ち着けるためにも、一度語っておきたいと思います!

まかまど時代の宙組で一番好きかも?

まかまどコンビは「これだ!」という作品が今までなかなかなくて、一般的にはオーシャンズとかが代表作品になるのかな?でも個人的には(再演ということもあるのかな)あんまりしっくりこず。
昨年のフライングサパは作品としてはおもしろかったけど、オバクとミレナの関係にあんまりときめかないというか、サパは見ていて考えることがたくさんあったから、ときめくどころではなかった(笑)
そんな中でまどちの専科異動が発表されて、まかまどコンビの真の魅力をわたしはまだ発見できていないのにもうコンビとして見れなくなってしまう、ということにめちゃくちゃ焦っていたので、組替え前最後の作品がアナスタシアで本当によかった!

真風ディミトリがとにかくかっこいい。まかまど作品の中で一番好き、である以前に、真風涼帆の演じた役の中で一番好き、なんです。
宝塚の舞台によく出てくる、身ひとつでどこでも生きていけそうな男性、現実では絶対にありえないけど、すごくかっこいいなあと思っていて。ディミトリってまさにそうだよね?!
あとはもちろん、ヒロインをどこまでも信じて、その幸せを願ってあげるところが本当にすてきです。自分が誰なのかわからない状態で一人で生きていくって、きっと想像もつかないくらい孤独で苦しくて、そんなヒロインを、最初は悪だくみだったとしても、誰よりも支えて、誰よりも信じて、最後は彼女のためにこっそり身を引こうとする、こんな完璧な王子様います!?

宝塚で上演するにあたって、おそらくディミトリ要素が強くなってるんだろうけど、宝塚オリジナルのソロ曲が追加されたり、一幕ラストのJourney to the pastがデュエットになったりして、物語全体が、アーニャの自分探しというよりも、それぞれ孤独な過去のある二人のホーム(居場所的な意味で)探しのような、二人の冒険(本当はヴラドもいるんだけど笑)の物語になっているような気がして、すばらしい脚色ですね、稲葉先生!!

ちなみに、書いてて気づいたけど、アーニャとディミトリだけでなく、グレブも家族というものについてコンプレックスを抱えているんだな!彼の存在だけちょっと全体から浮いてて不思議なんだけど、そういう点では作品のテーマに彼もつながっているのか。彼については以下で詳しく!

グレブも好き(笑)

ディミトリについて熱く語っておきながらなんですが、キャラクターとして気になるのはどちらかというとグレブ!なので、原作アニメにいない分、ややとってつけた感が否めず、正直彼がいなくても物語が成立してしまうところはちょっともったいない!
グレブ父はロマノフ家殺害に携わっていて、事件後自殺した、ということはわかったんだけど、冒頭のシーンでアナスタシアを引き留めているのはグレブ父なの、かな?(三回も見たくせによくわかってない笑)
ロマノフ家殺害に罪悪感を覚え、革命に染まり切れなかった父親に対して、きっと複雑な思いを抱いているんだろうけど(なんとなくグレブ自身も革命に多少の疑問を抱いているような雰囲気がある気がするのはわたしだけ?)自分が最後の一人であるアナスタシアを殺して、父親のことも、自分のことも、正当化したいと思っている。でも個人としてのアーニャへの感情も抱えて、同一人物であってほしくないとも思っている。
終盤の二人の対峙は、その後の展開に影響がないので物語全体にとっては意味がないものだなとは思いつつ(ごめんなさい)グレブ自身にとってはイデオロギーと感情が直接対決してる、クライマックス的な重要なシーンになってて、革命の象徴っぽいネヴァ河のコーラスが引き金をひくことを後押しするかのような音楽演出はミュージカルならではで圧巻!
こういう、自分の存在意義を何かより大きいものにゆだねている人物が、個人としての感情との間に綻びが生じて、眉間にしわを寄せて苦しむ、みたいな展開が好きなんですね、わたし。あと単純にそういう役が似合っちゃうキキちゃんが好き(笑)
宝塚の舞台なのでもちろんときめきも大切だけど、ときめき要素以上に、矛盾とか、不満とか、苦悩とか、何かそういう影みたいなものを抱えた役を演じている男役さんって大変魅力的で、心惹かれてしまいます!

ひたすらに曲がいい

見る前はjourney to the pastがどうしても印象的で(あと宝塚オリジナルのディミトリのソロ曲が耳に残る)そればっかり聴いてたけど、実際に舞台を見ると他も本当に素敵な曲ばかり。
In my dreamsとかMy PetersburgとかIn a crowd of thousandsとか、もうずっと聴いていたい!というかブロードウェイ版はわりと頻繁に聴いてる!
わたし、まどかちゃんの歌がどの曲も結構好きで、常に手元に持っておきたいので、実況版も買うか迷っちゃう。配信まで待てるかな?
あとは、ソラカズキのLand of yesterdayに圧倒されました、歌えて踊れて、女役もできて、完璧すぎか。ウエストサイドもソラカズキのアニタが無双してたけど、今回もなかなかの無双っぷりで(笑)

大人もときめく歴史ファンタジー

物語の中では、彼女が生きていたことは皇太后やグレブだけが知っている、というラストになっていて、見終わったあと「本当にディミトリと生きる道を選んで、歴史の表舞台から消えていっただけなんじゃないだろうか」と思っちゃうような、そんな終わり方がファンタジー感あふれてて大好き。
原作のアニメはディズニーじゃなくてFOXらしいけど、アーニャのディズニープリンセス感がすごい。宝塚ってお姫様はたくさん登場するとはいえ、こんなにディズニーっぽいファンタジー作品も珍しいのでは!?子どもに見せてあげたい宝塚シリーズですね!
ラスプーチンが悪役として登場するアニメ(結構強引だな、と思うけど)に比べると、グレブが登場して、革命やボリシェヴィキについてややリアルに描かれていて、そのあたりは子供にはちょっと理解が難しそうなので、大人向けなのかしら。

ちなみに、いろいろネットで調べてみると、アーニャはおそらく27歳くらいのようなので、実はわたしと同い年(笑)
若い頃は27歳ってもっと大人だと思ってたのに、全然大人らしくはなれなくて、でも社会人としても年次がどんどん上がって、周りにも年下や後輩が増えて、結婚もしたし、30代もそろそろ近いぞという今、自分がこれからどう大人になっていけばいいのか、たまにふと不安に思うことがある。
もう女の子ではいられないことへの寂しさというか、いつまで女の子気分でいられるんだろう、とか思うと、なんかちょっと切なくもなる。
でも、物語の中でアーニャは、女性であり、女の子であり、孫であり、なんかうまく言えないけど、微妙な年齢で揺れている自分が肯定されたような、そんな感覚になったりもしたのでした。
いくつになってもプリンセスのハッピーエンドには胸ときめくし、そういう自分をこれからも素直に肯定していきたいな。

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