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息子、自分から「シャンプーして」と言うようになる
とうとうやってきた。長かった…
自分から進んで髪を洗ってくれるまでに11年かかった。
母は嬉しいぞ(涙)
自閉症の息子は感覚過敏が激しく、普通の人達と同じような日常生活が送れなかった。
小さな頃からお風呂を嫌がり、身体に触れることを嫌がる。
3歳くらいまではそれでも毎日お風呂に入れていたけれど、それ以降は嫌がって暴れてしまいお風呂に入れる事が難しくなってしまった。
だから私は洗髪、洗顔、身体洗いを諦めた。
風呂に入らなくても死ぬわけではない。
「とりあえず湯船に浸かれればオーケー」
そう決めて育ててきた。
入浴のハードルが下がったので息子は少しずつお風呂に入れるようになった。
もちろん毎日ではないけど。
そして、機嫌の良い時にはお湯で髪の毛を流した。
顔は濡らしたタオルでたまに拭いたりしてね。
そんな感じで何年も過ごしてきたんだ。
その事を話すとほとんどの人が驚く。
「臭くならないの?髪の毛ベタベタにならない?」って聞かれる。
それがね、不思議とそうならないのよ。
人間の身体って本当によく出来てるなぁって思うけど、石鹸とかシャンプーを使わないと余計な皮脂も出ないし、皮膚の常在菌のバランスが崩れないから臭いも出ない。
だから本来は洗浄剤なんていらないのかもしれないね。
そんな息子ももうすぐ六年生。
最近ちょっとオシャレに目覚めたみたい。
髪を切るのも大嫌いだから、もうだいぶ伸びてきているんだけどまだ切らせてくれないの。
で、その長い髪で色んな髪型にしてみて「カッコいい?」って聞いてくる。
少しずつ、自分がどう見られるか気になってきたんだね。
そんな心境の変化のせいか、最近はお湯で流すだけで済ませずに「シャンプーで洗う」と言うようになった。
どうやらシャンプーで洗うようになったら、数日洗わないと頭が痒くてたまらなくなるらしい(笑)
それで毎回洗うようになった訳である。
まぁどっちが良かったのかわからないけど、とりあえず身体を自分で清潔にしようと思ってくれるようになって良かったなぁと思ってる。
洗顔も、身体を洗うことも、そのうち出来るようになるだろう。
息子は息子なりのペースでこの世界の常識に馴染んできている。
もちろん馴染めない部分は多いと思うけど、全部を合わせる必要なんてないし彼が少しでも生きやすくなってくれればそれでいい。
私は息子にはなれないからね。
変わってあげられないし、そもそも彼の感覚を本当に理解するのは不可能だから。
私はただ、これからもとなりで一緒に考えながら共に毎日を過ごしていこうと思う。
梨々香
感覚が過敏な私は、周りの影響を受け過ぎてしまうのでリアルで多くの人と触れ合うことができません。 だから直接会うことなく皆さんの考えを知ることができるこのnoteは私の学びの場。沢山の栄養を頂いて今もスクスク成長中です。 こんなステキな場所に居させてくれてありがとう。