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在宅勤務と孤独とnote

在宅勤務はとても楽だ。ストレスフリーだ。と思ってた。でも、気づかないうちに孤独が襲ってきてたらしい。人と繋がりがある中で感じる孤独は厄介だ。

うちの会社はありがたいことに在宅勤務体制を早々に整えてくれて、私はすでに15ヶ月自宅で働いている。出勤したのはこの15ヶ月で5回。

在宅勤務はストレスが少ない。必要なミーティングはオンラインでできる。在宅勤務万々歳だと思っていた。

ところが、この前マツノさん(仮名)と話す機会があって、ハッとしたのだ。

実は、孤独感じてたんじゃないかと。


マツノさんは同じ部署の先輩で、違うチームだけど明るくて快活で大好きな人だ。在宅になってからは部のオンラインミーティングで見かけるだけ。でも元気そうだと思っていた。

それが、久しぶりにお話ししようよとお誘いがあってオンラインで話したら、この一年実はとてもつらかったんだとマツノさんはため息をついた。

驚いた。私も、つらかったからだ。

個人的なことでつらいと思っていたのだが、マツノさんと私のつらさの種類がとてもよく似ていたのだ。

古畑任三郎に夢中になるような楽しさはある私だが、仕事はつらいところがあった。会社に対して疑心暗鬼になっていた。

例えば私は異動したばかりで、新チームの仕事の要領がよくわからないまま在宅勤務に突入した。元からそのチームにいた年下の同僚の同席がないと満足にミーティングもできない。少し口を挟むと、沈黙が起きる、気がする。早く身につけなくちゃ、頑張らなくちゃと思うなどしてるうちにその同僚が昇進。そうなると、じゃあ私発言する必要がないじゃんと感じてしまう。オンラインミーティングで発言機会がないことが続くと、画面を閉じた時、今の時間何だったんだろうって虚無感に襲われる。

望まれて異動したのに、案外使えないと思われてるんじゃないか。私のいないところで秘密のオンラインミーティングが行われているんじゃないか。被害妄想が止まらない。

過去の資料をあさっていると、エクセルの機能を丸無視したようなおそろしいファイルが出てくる。こんなことしかできない人なんじゃん、、と卑屈な悪口が心をよぎる。

それでも徐々に担当を増やし、何とか自信を回復すると、今度は少しでも口を出されるとカチンときてしまう。

でも、誰にも言えなかった。年下の同僚の昇進にいらだっていること、仲間はずれにされている気がするだけで不安になっていること、たかだか小さな作業テクにカリカリしてること、協力さえ疑ってかかること、さすがに人として小さい、情けないと思っていた。

それが。マツノさんの話を聞いて、不謹慎かもしれないけど、気持ちがすーーーーーっと楽になった。

これ、きっと私だけの問題じゃない。

マツノさんのつらさの具体的なポイントはもちろん私とは違うけど、抽象化するとよく似ていた。自分だけがつまらないことをさせられているような気持ち、仲間はずれにされているような感覚、自分以外はみんな仕事がうまくいって成長しているように見える、など。

これ、孤独感、というんじゃないか。

会社に通っていたときは、こういう風に追い込むことはなかったように思う。マツノさんはいつもキラキラしていたし、とても有能で誰もが頼りにしていた。きっと今でも誰もが頼りにしているのは変わってはいないのだろう。

でも、マツノさんは自分を追い込み、評価されていないと上司を疑い、体調を崩し、異動を考えているらしい。

マツノさんは、自分がこんななのだから、みんなは平気だろうかと思ってくれた。それで、思い浮かんだ人たちと1人ずつ話していると。

・よく怒鳴ることで有名なボスのいるチームの人

・部のムードメーカーの人

・優しくて仕事を断れないとよく知られている人

・いつも仕事量が多い人

・異動したばかりで年下の同僚が昇進した人(これは私)

などなど。私はさておき、窮地の人が多かったそうだ。精神的なことで通院している人。そのチームでの仕事にドクターストップが出て異動する人、退職を決めた人。

全然知らなかった。画面上ではみんなのびのびとしているように見えていた。

茶々丸さんは大丈夫?と聞いてくれた。気が紛れることが少ないからつらいよねと。それを聞いて、息がすーーーっと吐けたような、力が抜けるのを感じたのだ。

そう。起きている事象が少なくて気が紛れない。それに加えて、会社にいれば見えていた周囲の様子が見えない。

理不尽な叱責、強引な仕事の押し付け、小グループの中で起きる多数決、職場では周りから見られていた。周りからの視線は抑止力にもなっていたし、助けを出すことも求めることもできた。その話変じゃない?と口を挟むこともできたし、あとで、あれはないよー!と駆け寄って支えてあげることもできた。

それが、15ヶ月、起きなかった。

まるで密室の説教のように、全ての関係が個別の枠で起きた。オンラインで会話しても画面を閉じたら会社員としては基本は一人ぼっちになる。

この孤独が、たくさんの人を襲っていると思った。

マツノさんに声をかけてもらった私たちは、なるべく日頃から声を掛け合って(オンラインだけど)つらくなった時はつらい、と言ってみようと話し合った。

それから私は、noteをやっていて良かったと思っている。まだわずかに書いただけだけど、日記のように思いや古畑任三郎のことを書くことで、まさに気が紛れている。調べたらうつ傾向の人に日記は良いようだ。つらいことも楽しみも、書くことで落ち着けるんだとか。よしよし、これからも書いていこう。そして読んでいこう。

在宅勤務はとっても楽で続けたいけど、結局チームで仕事をしてる限りは、たまには出社したいなぁ。それで、時々はビールを飲みながら愚痴を発散するなどして帰りたい。




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