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断捨離と現在・過去・未来

久々に気力が出て片づけを始めた。
要らないものはある程度処分してきたけれど、ずっと手をつけていないものがある。断捨離下手くそNo.1、それは書類。
引っ越して少しづつ収納家具を揃えていって、いよいよ書類をどうにかしないと片づけが終わらなくなってしまった。
書類と言っても事務的なものだけでなく、そこには昔の手紙なんかも含まれている。
親が転勤族だったせいで、私には子供時代を通して時間を共に過ごした友達や土地がない。私の過去を証明するもの、というと大げさだが、そういうもののひとつとして手紙類を保存してきたように思う。
見返すことなんてない。でも処分できない。

若い頃に抱いた目標を、私はずっと持ち続けていた。それは単純に資格を取ればよいという類のものではなく、自分なりに頑張ったがどうにもならなくて、でも時間もお金もかけてきたし、これが自分を自分たらしめてきたことだから止めるなんて…
そう思っていたことを、体調不良もあって、あるときスッパリ手放した。寂しさなのか悔しさなのか分からないしんみりとした感情が、私の土壌の肥やしとなっていった。
体調が上向いてきて引っ越しもして、今後の自分のために何ができるのだろうか?と思いを巡らすようになった。
自分を消耗させることなくできることに、小さな小さな一歩を踏み出してみた。

人生の後半を前を向いて過ごしていきたい。
見返さない手紙という過去に引きずられながら、未来を歩めるだろうか?
それとは逆に、子供の頃に上達しなくてサヨナラしたピアノをこの歳になってまた弾くようになって、気持ちがガラリと変わった。思うように指は動かないが、子供の頃より断然ピアノが楽しいし、まったく分からなかったコードの練習だってしている。まさか私がピアノに還ってくるとは1ミリも思ってなかったけど、縁があればこうしてまた出会うんだね。
過去はもう手放してもいい、そう思えた。

書類の整理、まず古い手紙をシュレッダーにかけよう。
ひとつひとつ手に取って広げてシュレッダーへ。中身はやっぱり読んじゃうよね。ほんとたわいもないことを書いて送りあってたんだな。
そして、折り合いの悪い母親からの手紙にあたった。運悪く母の嫌な気質がさく裂しているものだった。
読まなければよかった…。気分軽く処分作業をしていたのに、鉛のような気持ちになってしまった。
いたたまれなくなって、こうしてnoteに向かっている。

こういうものを私は長い間手元に置き続けていたんだ。未来がこの過去の延長ではいけない。だから、やっぱりちゃんと処分することで、新しい未来がやってきたらいいなと祈っている。



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