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シナモンロールのかたち

その季節になるとどうしても欠かせない食べ物は何ですか?

このお菓子がなければ、シーズンが始まらない!あの料理を食べたら、前回味わったときの街角の賑わい、空模様や気温まで思い出すような・・

『ムーミンママのお料理の本』(作/サミ・マリラ 絵と引用/トーベ・ヤンソン 訳/渡部翡 講談社 1996年)に「往復ビンタ」(p.95)と紹介されているシナモンロールを作ってみました。

シナモンロールといえば、渦巻き型で、白い糖衣のかかったお菓子パンの焼きあがる甘い匂いを連想される方も多いと思います。溺れそうに甘い誘惑。今日作ってみたのは「北欧風シナモンロール」と呼ばれる種類で、具のシナモンに加えて、パン生地にカルダモンという、清涼感のあるスパイスを使います。映画「かもめ食堂」でおいしそうに、印象的なシーンで使われていました。北欧カフェでは定番ですが、日常生活(Fikaと呼ばれるコーヒーブレイク)に欠かせない、家庭的なお菓子、おやつといえると思います。(「シナモンロールの日」まであるそうです。)

レシピのサイトでも多くの投稿が見られます。レシピ(材料の配合)とともに形(成形)も見どころです。スウェーデンは、やはり、太巻きのように、渦に巻いて切ったもの(カタツムリ)が多いのです。一方、フィンランドでは、この切った1片の中央を上から押さえて、はみ出した耳の形(膨れて往復ビンタ!!)が代表的です。この他に、畳んで紐状にした生地を、結んだり(ノット)、巻き付けたり(毛糸玉)。紐を捩じることで複雑な模様が出ます。

・・・ここまでは、定番なのですが、最近興味深い気づきがありました!

中華の「花巻」。巻いたり、畳んだ生地がくっつかずに層をなすように油を引く。(無地もありますが)花椒やゴマを振る。手結びでは難しい成形を、菜箸を使うことで見事に、「腫れた耳」や、「毛糸玉」ができます。工程も、出来あがる形の特徴も、驚くほど、全く同じなのです!!

ムーミンの故郷フィンランドと、ハンガリーは、ヨーロッパの中で言語、民族がアジア系といわれていますね。各地で発展した独自の小麦粉文化なのかもしれませんが、もし、祖先が伝えた、お母さんの味に共通のルーツが見つかれば面白いですね。

『ウー・ウェンの小麦粉料理-包子 花巻 焼餅-』(高橋書店 2010年) 次は、ほかほかの肉まん・野菜まんに挑戦したいと思います・・・

ではまた。喫茶去


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