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小三の息子から教えられた「自ら橋をかける」ということ

私も息子も、Nintendoの「あつまれどうぶつの森」が大好きです。
3月に入り、スーパーマリオの家具が配信され、あつ森熱が再燃しました。
ちょっと飽き気味だった息子ですが、数日にわたって頑張り、なかなか満足のいく島ができたようです。

「今日、学校で話したら、友達が大勢おれの島来たいって言ってたから、夢番地教えようかな」と言っていました。

「あつ森」システムをご存知のない方に補足しますと、夢番地とは、インターネットを介して相手の島をのぞきにいける方法です。直接通信するのではなく、島主が公開した瞬間の状態の島をのぞけるだけのシステムです。

「〇〇くんとか、〇〇ちゃんとかもやってるらしいから、教えようかな」
「いいね、教えてあげたら」

そんな話をしていた矢先、息子が言いました。

「Aくんにも教えてあげようかな」

Aくんとは、長年息子と折り合いの悪い子です。
すぐに「タヒね!」と言ったり、何かというと息子につっかかって来たり、いじわるなことを言ってきたり。
実は、今年度の最初の頃(ちょうど新型ウイルスによる休校が明けたあたり)にそれでかなり傷ついて、「学校行きたくない」などと言っていた要因でもありました。

最近は「たまに変なこと言ってくるけど、もう気にしないことにしたよ」とは言っていたので、まあおおむね平気だとは思ってはいたのですが…。
なので、いきなりの展開にビックリです。


「えっ、Aくんて仲あんまり良くないんでしょ?教えてほしいって言われたの?」
「いや、言われてない」
「じゃあ、どうして教えようと思ったの?」
「あんまり仲良くないんだけど、でも(こっちから)仲良くしていけば、少しずつ仲良くなっていけるかもしれないでしょ?」

「話さないままだと、仲悪いままだけど、こっちから仲良くしていけば、もしかしたら仲良くなっていけるかもでしょ」


正直、私は感動しました。
私より大人じゃないか。
いつの間にか、そんな風に考えられるようになっていたんだね。
「ママは、君のことを誇りに思うよ」と伝えました。

人間関係で相手と関わろうとするのは、心理学でいうと「橋をかける」といいます。心の中の橋ですね。
実際、イメージ療法やヒプノセラピーの中でも、橋をかけるというイメージは大切だったりします。


一年ほど前、ひどい事を言われて泣いていた息子とは、えらい違いです。
もう学校行きたくないとまで言っていたのに。
「あいつとは仲良くできないし、許したくない」とまで言っていたのに。


でも、人間関係も国と国との関係も、そういうものなんだよなあと思います。
どちらかが歩みよらなきゃ、ずっと平行線のまま。
たとえ歩みよっても、拒絶されるかもしれない。
それでも、橋をかけて歩みよることで、少しずつ変化が起こるかもしれない。

その、前向きなほうの「かもしれない」に少し意識を向けて、行動してみる。
もちろん、そうならないかもしれないけど、それはそれ。

「自分がそう思い、その気持ちに従って行動した」という価値は、そこに残る。


私はもうある程度大人ですから、「関わらなくてもいい人間同士」というのはあると思ってしまいます。人間が一生のうちで関われる人間は、ある程度決まっているので、それを自ら選ぶことも大切だと思うのです。

でも、「関わることになっている相手」や「避けて通れない相手」には、息子のように、橋をかけるという気持ちが必要なのではないかと。

息子に改めて教えられた、桃の節句の夜でした。


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