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論文の読み方
はじめに
筆者を知らない方が読んでくださった場合のことを考えて簡単に断っておくと、この内容は当研究室(=海棲哺乳類学研究室)の後輩たち向けに話した内容をまとめたものですので、当然研究分野が違ったりすれば参考にならない内容も出てきます。対象は学部2~3年生、初めて論文に触れる学生です。その点よろしくどうぞ。
今日覚えて帰ってほしいこと
①論文は全部読むな、目的を持って情報を拾え
②論文は一回で読むな、必要な時に何度も見直せ です。
いきなり頭から最後まで通して読んで内容も理解して…なんて、誰でもできません。そして論文を読むことに慣れてからも、最初っから最後まで隅々まで読むことはあまりありません。なぜなら論文を読むことには目的があって、その目的を達成できれば他の情報はそこまで優先度が高くないからです。その都度状況に合わせて、集中して読むとことそうでないとこを分ける場面が多いかと思います。それでは論文を読む必要があるシチュエーションとはどんなものがあるでしょうか?
論文の中身
と、ここで様々なシチュエーションを想定する前に、一旦論文の中身がどういう構成をしているのかを抑えておきたいと思います。そもそも論文の中身を理解していなければ情報の取捨選択もできません。
論文はざっくりと、タイトル、要約(Abstract)、はじめに(Introduction)、材料と方法(Materials & Methods)、結果(Results)、考察(Discussion)で構成されています。これは科学論文によくある並びですが、なぜでしょう。
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