footballlist #005

スペイン代表のルイス監督や、代表選手達、
彼らは皆『誇り高きスペインの騎士』であり、
僕は、彼らに敬意を表している。

しかし、日本代表の森保監督も、代表選手達もまた
『誇り高きサムライブルー』であった。

『ティキ・タカ』というサッカースタイルだが、
シャビや、イニエスタといった、
世界最高峰の選手達らが、中盤を圧倒的に支配していた頃、
彼らを止める術は、殆ど無かったと言っていいかもしれない。

ボールのポゼッション率を高めて、相手にはなるべく渡さず、
ゲームそのものを一方的に支配していく…
このスタイルは確かに、ひとつの戦術としては面白い。
相手はボールを奪う為に、絶えず走らされ、
ボールが取れなくてイライラし始めた頃には、
気が付けば、ファウルもかさんでいく。
さらに、みるみるうちに、スコアも離されていけば、
感じる疲労度も増し、さらにそれらが蓄積していき、
ボールを奪って、再び攻撃に打って出るも、
その頃にはもはや、体力が残ってはいない。
そして、いつしか身体は動かなくなる。
やがて相手は、後半戦の何処かのタイミングで
戦意を完全に失い、
ゲームのいく末は完全に決してしまう。

一見すると、完璧な戦術理論のようではあるが、
サッカーというスポーツにとっては、
『やや、面白味に欠けるのである。』

例えば、バスケットボールというスポーツがあるが、
何故このスポーツが、数あるスポーツの中において、
『キング·オブ·スポーツ』と呼ばれているか…。
その事の意味がわかるだろうか?

バスケットボールは、前後半に渡っては、
コート上の10人もの選手達が、激しく動き回り、
絶えずポジショニングが入れ替わり、
攻守の入れ替えも激しく、またとても早い。
そして、絶え間なくシュートを放ち続けていくスポーツだ。
その展開の速さに観客は魅了され、また興奮していく。

では例えば、バスケットボールのルールが
『一部変更された』としよう。
何処かのチームが、一方的にボールを支配し、
味方同士でパスを回し続けるスタイルが確立したとする。
相手チームは疲労困憊し、戦意喪失し、もはやスコアは
観ていて『気の毒になるほどに』差をつけられている。

この圧倒的なゲーム展開を観ていた世界中の指導者達は、
ここぞとばかりに、同じスタイルを模索していくだろう。
バスケットボールという、ひとつのスポーツ文化において、
こういった戦術の『世界的大流行』が、果たして



好ましいか?
好ましくないか?

…この答えはまだ、僕にはわからないのだが、
ただ、バスケットボールというスポーツを衰退させると思う。

同じ事は、サッカーにも言えるに違いない。

プロのサッカーは、結果が全てなのだが…。

同時にサッカーとは、
エンターテイメントの側面もある。


これら相反するような『2つの概念』を
どう両立させていくのか…。
世界中の指導者達は今も、頭を悩ますのである。


それから『最強の戦術』などは存在しない。
新たなる『無謀な挑戦者』が現れ、彼らはたちまちのうちに
その強者を叩きのめし、彼らが中心となった、
『新たなる時代を作っていく』からである。



THE END 













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