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【映画】鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

ゲゲゲの鬼太郎の映画版、いい意味で予想してたのとまるっきり違いました。そうだよ、鬼太郎は「怖い話」なんだよ、これこれ!って思いながら視聴しました。これは良作です。まあ、鬼太郎ほとんど出てこないのですがw

「鬼太郎 VS 邪悪な妖怪」みたいなバトルものじゃないんですよね、昭和の土着ホラー要素、横溝正史要な、市川崑要素。で、妖怪&人間のバディものなところは「うしおととら」かな。あんな強い妖怪じゃないけど。

物語

昭和31年、日本の政財界に多大な影響力を持つ龍賀家の当主時貞が亡くなります。元日本兵の水木は、社の密命により「M」と呼ばれる血液製剤の謎を探るよう、龍賀家本家のある哭倉村(なぐらむら)へ向かいます。そこで奇妙な男と出会います。

その男は、生き別れとなった妻を探し哭倉村へやってきたのですが、龍賀一族の遺産争い中に起こった殺人事件の犯人と疑われ、身柄を拘束されます。水木は彼のことをゲゲ郎と呼び、行動を共にします。

血液製剤の謎は?ゲゲ郎の妻は一体どこに?龍賀一族が繫栄したのは何故?
哭倉村の秘密は?八頭身になって美しくなった猫娘の出番は?

キャラクター

水木
主人公の「人間サイド」の水木は、序盤は割とエグいキャラクターでした。第二次世界大戦で「勇敢に戦って玉砕した」というつじつま合わせのために上官に犬死にを命じられるも生還。戻ってからも、家族が財産を親戚にだまし取られていた事実に直面。戦地も内地もかなりの地獄です。この世界を生き延びるために、彼は平気で人を騙す男。でも、根は悪くないんですよね。そんな彼が「人間らしさ」を取り戻すのは妖怪のおかげだったりするのがなんとも…

ゲゲ郎
目玉のおやじが「目玉だけじゃなかった頃」ですね。失踪した奥さんを探して村に来るのですが、殺人事件の犯人に間違われて囚われてしまいます。クールな感じかと思いきや「嫁さんの話はデレデレで語り始める」というところが割とおもろかったです。

龍賀沙代
村を出た事ない、東京にあこがれている娘。結構エグい体験をしている…もしかしたら、日本のどこかに土着の「忌まわしいしきたり」とか残ってたりするんでしょうかね。水木と共に東京に行こうとするんですが…

ねこ娘
殆ど出てこない。初期より断然かわいくなった。

その他
扱いが雑なのは許してください。

感想

子供の頃、鬼太郎のとあるエピソードに心から震え上がってた記憶があります。鬼太郎ってのは幼少時の私からは「怪談」の類でした。まあ、成長するにつれて「怖くはないな」ってなって、鬼太郎もどんどん「ヒーロー」っぽくなって...。でも、なんか子供の頃の「ああ、鬼太郎は怖い話だったよな、うん」って思い出しました。こういうのいいよね。

「妖怪以上に醜悪な人間」というのは、小野不由美の「屍鬼」みたいですね。ヒロインに該当するのは沙代だと思うんですけど「ああ、かわいい。こんな娘いたら守ってあげたくなるよなぁ」とか思ってたらどん底に叩き落されます。

この水木とゲゲ郎でもっと連作でやれば「バディもの」としても深みが出てくるんじゃないかなぁ。期待します(ないとは思うけどw)


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