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【映画】NOPE

これは観る人を選ぶ映画なのかもなぁ、と思いました。監督は「空のジョーズ」を目指したそうで、確かにホラーと言えばホラーですし、SFと言えばSFですし、怖いかというとあんまり怖くはないです。が、独特の雰囲気、薄気味悪さはなかなか私好みではありました。

これ、沢山の映画好きをうならせるネタがあったりもするので、視聴後に色んな記事を漁って読まれることをお勧めします。「ああ、あのシーンにはこんな意味があったのか」なんて発見がありますので。

恐怖について

人間は「理解できないもの」に恐怖を感じるって言いますよね。でも、これには少し私は異論があって「まったく理解できないもの」はあんまり怖くないと思うのです。例えば日本のホラーで「田舎の村社会特有の陰惨な因習」なんてのはアフリカの人から見たらさっぱりだと思うのです。逆に遠方の国の部族で恐れられている祟りなんてのも、日本人が見たらさっぱりかもしれません。かの有名な「オーメン」も、キリスト教の知識があった方がより「悪魔の怖さ」に肉薄できる。

今回のNOPE、UFO(映画中ではUAPと表現されていました)が怖いかというと、イマイチ怖くなかったです。残酷なシーンもありました。捕食された人間は命を落とし、その後血の雨が降ったりもするのですが、比較的描写があっさりめ。昨今は人体破壊描写がある映画も多く、私も少し感覚が麻痺しているのかも…。それは少しよろしくないなぁ。

逆にチンパンジーが人を襲うシーンはめちゃめちゃ怖かった。あれは「痛みを想像できるから」だと思います。ジュラシックパークの「デカい恐竜から食われる」の方が痛みを想像しやすいのと同じですね。

感想

見る側、見られる側

これは「見る側」と「見られる側」の物語です。ストーリーもさらっと紹介(ネタバレしない程度に)します。

田舎の広大な敷地の牧場経営で生計を立てる一家。長男オーティス・ジュニア(ダニエル・カルーヤ)は、家業をサボり市街に繰り出す妹エメラルド(キキ・パーマー)にウンザリしているところ、突然、空から異物が降り注ぐ。止んだかと思うも束の間、直前まで会話していた父親が息絶える。オーティス・ジュニアは父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹に明かし、やがて兄妹はその飛行物体の物的証拠を収める“バズり動画”を撮影することを思いつく。「絶対似見つめてはいけない」ヤツらの存在…。彼らには想像を絶する事態が待ち受けていた。

FILMAGA

見る側の人間、見られる側の馬
見る側の人間、見られる側の未確認飛行物体
見る側の人間、見られる側のチンパンジー

現代の日本で生きてたって「目を合わせちゃいけません」って対象はそこそこいますが、これは「相手がおっかない場合」ですよね。小さい子供と目が合っても何も恐怖は生まれない。仮に人間であれば、意思疎通でトラブルを回避できるかもですが、動物や未確認飛行物体だとそうもいかない。徹底して避けるしか、悲劇を免れる方法がないのです。

ゴーディ

登場人物の回想シーンについてです。かつて彼はとあるTV番組に出ていたのですが、そこに出演するチンパンジーが、風船の割れる音に驚いて取り乱し、人を襲うシーンがあります。これがトラウマ級の怖さ。

これ、実はモデルとなった実際の事件があるようですね。ぐぐると画像も出てきますが、少し閲覧注意なのでWikipediaで。

「人を襲う動物」にちなんで、別件ですが…私が多分一生忘れられないのはこれ。当時ニュースで見て、心の底から震え上がりました。気が弱い方は再生しないでください。なお、被害者の方は命は無事だったようです。
(【閲覧注意】1997年 那須サファリパークの事故)

Gジャン

このUFOというか謎の生命体、おどろおどろしくないんですよね。最初は円盤状なんですが、変化後の形態は布っぽい、クラゲっぽい感じです。ポケモンで例えるとウツロイド。布がシュバッ!シュバッ!て広がる捕食も恐怖を感じにくかったなぁ。

まあ、飛んでくるし追ってくるし逃げるのもかなり大変ですし、実際あんなのがいたらめちゃめちゃ怖いと思うのですが、どことなくファンタジック。んで、倒す方法も微妙w

雑記

複数の映画オマージュ

スコーピオンキング、ET、エヴァンゲリオン、AKIRAと、色んな映画のエッセンスが散りばめられています。ゴーディとのグータッチはもろにETでわかりやすい。Gジャンは使徒モチーフらしいですね。まあ、私の中ではウツロイド(しつこい)なんですけどw

AKIRAオマージュシーンはかっこいいですよ!必見!


NOPE + AKIRA


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