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【エンタメ小説】東海道五拾三次OLスキー珍道中 第14話 原

 やがて松林は終わり、原に出る。
「いい景色!松を数えてこの景色を見ないなんて、もったいないわ」
「本当ね。これじゃ天女も、思わず景色に見とれて、羽衣を忘れるわ」
 だが、羽衣伝説があるのは、ここではなく、まだもう少し先。
 清水の三保の松原だ。

 駿河湾を左手に見ながら、気持ちのいい直線を滑っていく。
「キャッホー!」
「キャッホー、キャッホー!」
 軽くエンジンをかけるだけで、風を切る。
 その日、原の地元の人は、スキーウェアを着た二人の天女が、颯爽と滑っていくのを見たのであった。

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