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「コーヒーを大切に」を考える

皆様,こんにちは。こんばんは。

前回の記事でコーヒーの生産者,主に農家さんや精製所の人たちにできることってないのかなと思ったので考えていきたいなと思います。一応,バリスタをしているのでかなりバリスタ目線にはなっているかもですが…。
もし良ければ読んだ方の意見もほしいなと思います。

前回の記事も良ければ読んでください。コーヒー農園に行った話です。


コーヒー飲みながらのんびりと。

ではでは…


コーヒーって誰がつくってるの?

僕たちがよく目にするコーヒーは液体,もしくは焙煎された後のコーヒー豆です。コーヒー屋さんでコーヒー豆が焙煎され,お店でバリスタがコーヒーを抽出しお客さんに渡っています。あるいは,お客さんがコーヒー豆を買い,家で自分でドリップをし,飲んでいます。
このようにしてコーヒーが飲まれているんですが,コーヒーって誰が作っているんでしょうか?ドリップをする前,焙煎する前のコーヒー豆は誰がつくっているのでしょう?

コーヒー豆を作っているのは生産者の農家さん,生産者の範囲をもう少し範囲を広げると精製と呼ばれるコーヒーチェリーから豆を取り出すことをしている精製所の人たちです。


僕はこのコーヒーの根本を担っている生産者の人たちがもっと知ってもらえる状態になればいいのになと思います。というか知らせたい…!コーヒーを飲む人たちの興味があるかどうか問題はあると思いますが,それをおいてももっと注目されてもいいのではないかなと思います。


コーヒーの味は様々な要素で決まりますが,皆様は何が思い浮かぶでしょうか。

コーヒーの味は主には5つで決まります。それは生産地,品種,精製,焙煎,淹れ方。バリスタが担うのは淹れ方のみです。多くのコーヒー屋さんは焙煎もしています。生産者の人たちが担うのは精製までのところです。
どんなコーヒーも精製までの過程で味はおおよそ決まると思っています。味が優れていないコーヒー豆が焙煎や淹れ方で劇的に美味しくなることはないです。例えば,精製までで60点の味のコーヒー豆があったとしたら焙煎や淹れ方で90点の味にあげるのは難しいということです。あくまでも焙煎や淹れ方はそのコーヒー豆のいいところを引き出すためのものだと思います。

もちろん,バリスタも大事な役割を担っていると思っていますし,焙煎や抽出もコーヒーの味づくりにおいてすごく重要なものだと思っています。
美味しいコーヒーを届けられるように焙煎や淹れ方を逐一調整したり,工夫を凝らしたりしています。それと同じように生産者も年々変わる気候に合わせて栽培方法を考えたり,より美味しいコーヒーやおもしろい風味のコーヒーを作るために精製方法のやり方を工夫したりしています。

誰がえらいとか誰の役割が大きいとかじゃなくて,コーヒーの味づくりの過程で生産者もバリスタも全員が最大限美味しくなるように工夫しているからこそ目の前のバリスタだけではなく,裏側の生産者にも注目が集まってほしいです。

でも,コーヒーを飲む中で生産者に注目する機会ってなかなかないですし,そこに興味を持つのだって難しいなと思います。お店でコーヒーを抽出,提供してくれるのはバリスタで,そこに注目するのも自然なことだと思います。僕もコーヒー飲み始めたころは,淹れ方とか器具とかに興味があって裏側の生産者のことは考えたことなかったです。だから,難しい部分といいますか…。その時の自分に言っても「そうなんだ…。」って言われて終わりそうです…(笑)



裏側を知ることで美味しさ,体験価値が上がる

これは僕の考えですが,裏側を知ることで美味しさや体験価値が上がるんじゃないかなと思います。

皆様は生産者のことやそのストーリーを聞いて何か食べたり,飲んだりしたことはありますか?
例えば,あるごはん屋さんで『地元の○○さんが□□という想いをもってつくった野菜で,こんな料理を作ってみました。そしたら味がこうなってより美味しくなったんです。』という感じ。抽象的かもしれませんが,実際にそんなふうに伝えてもらい食べてみると美味しく感じたり,ちょっと特別感があって満足度が上がります。

そんな感じでコーヒーも裏側を伝えてもらえたり,知ったりする機会があるとおもしろいというか美味しく感じるのではと思うんです。一種の共感性というか,そういうふうにして飲まれたり,選ばれたりするコーヒーもいいですよね。


シングルオリジンコーヒーであれば生産者と消費者の間で,美味しいコーヒーによってもたらされるハッピーなことが循環していて最高の形だと思います。


コーヒーを大切に

コーヒー農園での体験を通して「コーヒーを大切にする」ってなんだろうと思いました。そう思った理由は,僕がというかバリスタが生産者にできることを考えたときにパッと出てきたのが「コーヒーを大切にする」でした。でも,なんだかアバウトでもやもやしたんですよね。

「コーヒーを大切にする」で出した結論は,「最大限美味しいコーヒーを作り,伝えること」。そうすることがバリスタとしてできる生産者への貢献だと僕は思います。


コーヒーを大切にするって考えるとコーヒー豆を無駄にしないこととか出てきたりもしたんですが,それって「生産者にできること」とはなんかずれている気がしました。間違っているとは思わないですし,大事なことだと思います。


コーヒーの生産者にとって重要なことの一つは生活するためのお金を稼ぐことです。スペシャルティコーヒーを作ることでより多くの対価が手に入ります。生産者によっては生きることに精一杯な人たちもいます。


そのため,生産者にできることの一つとして「より多くの対価が生産者に渡るようにする」が思い浮かびました。では,より多くの対価が渡るためにはどうすればよいのか。「コーヒー豆を買ってもらうこと,コーヒーを飲んでもらえるようにすること,そしてこれらを続けてもらうこと」です。実際には,生産者である農家さんや精製所の人とバリスタの間にはコーヒー豆を輸出する人,輸入する人など様々な人たちが関わっていて,結果として現れるのは時間がかかりますが,より多くのコーヒー豆を買ってもらえる,消費され続けるとその分農家さんにオーダーされるコーヒー豆の量は増えることになります。結果的に農家さんにはより多くの対価が払われます。


そして,コーヒーを買ってもらうこと,買ってもらい続けるにはどうすればいいのか。「美味しいコーヒーを作ること,美味しいコーヒーの体験価値を作ること」だと僕は思います。
そもそも,コーヒーが美味しくなければ買いませんよね。だから,美味しいコーヒーをつくるのはもちろんですし,サービスやコーヒー屋の空間を含めたコーヒーの体験価値も大事だと思っています。美味しいコーヒーに感動してもらってまた飲みたいと思ってもらえるようにしたりだとか,コーヒーの生産ストーリーを伝えたりだとかしたいです。こういうコーヒーがあるんだよって伝えて知ってもらうこと,これもコーヒーを飲み続けてもらう大事な要素だと思います。そうしてコーヒーを飲み続けてもらえるようになったとき,コーヒーが飲み手の日常の一部になった時に生産者に少し貢献できたかなと思えると思います。だから,「最大限美味しいコーヒーを作り,伝えること」が結論として出てきました。

こうしてみると僕は美味しいコーヒーが循環している状態を作りたいです。今,重要視されているサステナビリティでもあると思います。この循環構造は作り手も飲み手もハッピーです。そのため,より多くの人にコーヒーを手に取ってもらうきっかけを作りたいとも思います。美味しいコーヒーを日常的に飲む人がどんどん増えて,毎日が少し豊かになればいいなと思います。




僕が思う飲み手の立場の「コーヒーを大切にする」で大事なことの一つは「美味しいコーヒーを楽しむこと」かなと思います。さっきまで書いてたことを飲み手が意識し続けていると,きっとどこかで疲れます(笑)そしたらコーヒーを飲みたいなんて思わないです。家では今日もコーヒー美味いわ~で飲んで,たまにお店に行ってバリスタにコーヒーの抽出や生産のストーリーでも何でも聞いたときにまた少しコーヒーに興味を持つくらいでいいと思います。楽しむことが循環につながっていきます。





最後に

僕は,お店で飲むような美味しいコーヒーを家でも淹れたくて,コーヒーの抽出に興味を持ち,バリスタにもなりました。抽出を楽しんでいるときに,とあるコーヒー屋さんで浅煎りのストロベリーチョコの味のするコーヒーに出会いました。そこからなんだこのコーヒーは?ってなってコーヒーにより興味を持ってたくさん調べて,今では日本からの出たこともなかったのに海外のコーヒー農園に行くまでになりました。

コーヒーを楽しんでいるうちに気づいたらコーヒーを大切にしていると思います。どんなコーヒーのハマり方でも,どんな好きな形でもきっと。



ここまで読んでいただきありがとうございました!
これからもコーヒー楽しんでいきましょー。


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