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#78 春になったら/及川恵子

駄菓子を買ってさ、エグゼイドにも会いに行こうね

【往復書簡 #78 のやりとり】
水曜日(3/ 9):泖〈春への3ヶ条
金曜日(3/11):くろさわかな〈まつり
月曜日(3/14):及川恵子〈駄菓子を買ってさ、エグゼイドにも会いに行こうね〉

今日の仙台の最高気温は13℃もあったようですね。

こんなにあたたかいとお出かけしたくもなりましたが、日々マネー稼ぎに汗水垂らす私はなかなかそうはいきません。ただ、家の中にいてもわかる春の陽気に気分が高まったのか、当番が回ってきたゴミ置き場の掃除は午前中のうちに済ませましたし、なんだか仕事もテキパキ。部屋の掃除までしちゃってさ。天気がいいと無意識に気持ちが軽やかになるのがうれしいですね。毎日春だったらいいのに。そんなもんで、子どもができたら春と名付けたいです。(これは昔から本気かつ密かに思っていることです)

そんな春に、やりたいことはたくさん。
何より、甥っ子と買い物に行きたいんです。

ここ数ヶ月、甥っ子と「駄菓子屋さんに行こうね」とずっと話しています。卸町にある駄菓子の問屋。大人でもテンションが上がるあの場所です。
最近仮面ライダーにもハマり出したので、歴代の仮面ライダーのフィギュアが並ぶ「石ノ森萬画館に行こうね」とも。
しかしそんなささやかな願いも、コロナウイルスの広がりがなかなか叶えさせてくれませんでした。
(というより、看護師の姉が仕事上遠方への外出も外食も禁止されているのでダメというか。説明こまか)

しかも、姉が甥っ子に「コロナがなくなったらけいちゃんと買い物に行ってね」と言うもんだから、私と買い物に行きたくて仕方がないの甥っ子は「もうコロナはいない」と主張し出す始末。3歳の思考の中ではコロナが終わったことになっているのに、なぜいまだに駄菓子屋にも萬画館にも行けないんだ!というフラストレーションを抱えている姿を目の当たりにすると、なんて悲しい子ども時代を生きているのだろうかと涙が出そうになります。

だから、コロナの感染者も徐々に減りつつある今、この春の季節に甥っ子と出かけたいです。ただ、それだけ。恐竜の人形も、好きなお菓子も、仮面ライダーエグゼイドやらブレイブやらドライブやらウィザードやらのフィギュアも買ってあげるからね。もう甘々で甘々な1日にしてあげるからさ。コロナがいなくなる世の中にしてあげることはできないけど、そんな中でも君が楽しくなるようなことには全力で頑張るからね。

それから、私は1日も早く買ったばかりのテロテロ素材のかわいいかわいいパンツを履いて出かけられたら幸せです。東北の3月に、テロテロ素材はまだ早いのですが。

及川恵子