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入道雲立ち込める青々とした夏
巨大な太陽が降り注ぐこの海辺の都市は
いつか夢で見た大麦畑のように思われた

夜になると幾分涼しい
心地よい風がわたしの身体と戯れて遊ぶ
風はシルクのように肌に生じては溶けた
どこかで風鈴が鳴っている

頭上高くには荘厳たるオリオン座
火照った家々の壁を冷ます
猫がこちらに気づいて大きく伸びをした

わたしもひとときの涼みに甘えてみようか
おなかを出して床に寝転ぶ
軽い衣にくるまれて
生まれたままの姿で

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