蛍 そこに 星群 が 生命 蟲 のような 無数の ・
近づいては 離れて 他と交れど 解けず やわらかくはずむ膜 透明な輪郭をキラリとさせる膜 温…
愛は空間的なもの 世界を永遠に証明する印 一瞬一瞬、形を変えて 流れては再構成する運動体 …
何年もかけて積み上げた 形に残らないもの 後ろを振り返る足跡 この手からこぼれ落ちた 私の…
その星の瞬きを いつか見失うのだろうか 黒い空に煌めいた怪しい光を いつか忘れるのだろうか …
秋風に歩みが早まる 誰もいない工事現場を横切って 橋が見える川沿いに立つ リズミカルにゆれ…
入道雲立ち込める青々とした夏 巨大な太陽が降り注ぐこの海辺の都市は いつか夢で見た大麦畑の…
再びやってきた すべてが消えたような朝 大理石の沈黙 見知らぬ白けた空 気の抜けたサイダー…
水銀の波がまぶたに押し寄せる夜
自由を知らずはじけた柘榴に吹く乾風
巨大な旅客船が横切る 窓には無数の顔、顔、顔 皆こちらを見ている 二人乗りジェットスキー …
レモンになった日 頭から果汁滴る 胸のあたり どっしり魔物がいて ヒリヒリした愛の熱を 手足…
どこまでも 鳴り止まない和音 幾重にも重なり 途切れることなく 頭の中を埋めつくす それは肌…
深い霧につつまれて 人生の終わりを待つ これが本当の最期なら やり残したことあるけれど 本当…
みんなバブルの中 朝の光に目を覚まして 遊びまわる微生物 世界にはどれだけの 草の露が存在す…
空気をもとめて 呼吸する言葉たち 溢れかえって 苦しくもがいて 砕けて散って また出会う 僕…