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曖昧な顔【4】

あれほど気に入っていた黒子の手術を経て
二重の幅が狭くなりあったものがなくなった

とても後悔している

もともと片目は奥二重で嫌いだった
それが黒子を除去した目も同じ幅になったので
両目とも嫌いになった

クーポンなんか使わなかったらよかった

いざ、何か変わったらという気持ちで
黒子の除去なんかやらなければよかった

ふとインスタを何気なくみている

以前から気にしていた大手美容外科の
先生のアカウントの症例写真を見ている自分がいた

整形、、、
埋没、、、

やってみるかな、、


気づけばカウンセリングに予約して当日を迎えた
大人気の先生ということもあり
カウンセリングにいくまでの受付でも
二重整形対決で優勝した経緯が
ずっと流れていた
見入ってしまうような放送が流れていた

広告とわかっていながらも
半信半疑で先生のカウンセリングを受けた

順番に呼ばれますのでお待ちください

受付の方に言われ待っていると
思ったより早く先生のカウンセリングに呼ばれた

「あ、、、本物だ。」
第一印象はテレビやYouTube、インスタで
追いかけていた医師(アイドルのような感覚)が
目の前にいて自分の目をみてくれる

一気に特別な感覚になった

こんなチャンスまたとないかもしれない
そんなことがよぎった

「どんなふうにしたいですか?」と聞かれて
「末広の感じでナチュラルな目元にしたくて」
とっさにインスタでたくさん宣伝していた
画像を持ってきてくださいと言っていたので
自分がアイプチをした写真を持って行ってみせようとした、、

すると
「アイプチはね、ノリで固定しているから
整形とはまた違うの、写真しまって」

みてくれることもなかった


あれだけなりたい目、アイドルでも症例写真でもいいから気になってる画像持ってきてって言ってたじゃんと、、心の中でつぶやいた

「あ、あと末広とかはきめられないし
その人の目元にあった目になるだけだから」

、、、、、、


なんかインスタの先生と全然ちがうそっけない態度

それでも私は必死に会話を戻そうとして
えっとあ、あの

と漏らしたが
じゃあイメージしていきますねといわれ
二つの金属の棒で目の形をイメージされた
「こんな感じですか?」

私は欲張りにこう答えた
「もう少し広めがいいです」

「うーんこれ以上広いと変な線ができるよ」

「じゃあさっきの感じで」

「了解。やる方向でいいのかな?」

。。。ドクン。。。

こんな忙しい先生に手術してもらえる機会は
またとないチャンスかもしれない、、、

あんなに案件も実績もあるし
絶対成功するはず
先生が独立でもしたらここにはもういないから、、
とかいろんなことを考えて
「はい」と答えた

。。答えてしまったのだ

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