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むっくんだいすきクラブ シーズン2最終回によせて




おかげさまで椋原健太選手とファジアーノ岡山の2019シーズンも無事に終了。有馬監督就任1年目ながらオーガナイズされたサッカー(この言葉がサッカー通っぽい2019第一位)を見せ、昇格PO圏内へあと一歩というところに迫りました。残念ながらわずかに及ばず9位のフィニッシュでしたが、まずはみなさまお疲れさまでした。

今回は椋原健太選手とファジアーノ岡山の1年を振り返り、来るべき新シーズンに向けてのひとつの区切りとして、つらつらと語っていきたいと思います。打ち上げです。



最後まで遠かった長谷部水戸の背中


まずは最終節に関して。

開幕節で4-4-2の指導を受けたという形容がふさわしいほどの内容差を見せつけられた水戸ホーリーホックが相手でしたが、順位としては近い位置での対戦となりました。岡山は前節の敗戦によって昇格の可能性がなくなったとはいえ、開幕節での水戸との出来の違いに比べれば、よくここまでやってこれたなあという感慨の湧いてくる一戦。




むっくんは大敗したホーム町田戦以来のスタメン復帰。このまま大敗を引きずって終わるのはつらい...と思っていた編集部にとってはおもわぬ福音でした。残念ながら風邪をひいてしまったうえに雨天であったので、水戸行きを見送ったのが無念すぎましたが……最後にまた元気にサイドを駆け上がりボールホルダーをガッツリアタックするむっくんが見られてよかったです。

しかし残念ながら、水戸のCHとSHの見事な連動の前に終始押し込まれてしまい、根負けする形となってしまいました。42試合を経て有馬監督のチームもだいぶ強くなったと思うのですが、それでも水戸の背中の遠さは開幕節と変わりありませんでした。脱帽。しかしこれで6位にも入れないとかJ2ヤバすぎでしょ…。

岡山はイヨンジェと仲間隼斗の二枚看板の推進力に乗る形で勝ち点を確保しつつ守備組織もビルドアップもかなり積みあげてきていたと思うのですが、昇格を争う頃合いになったあたりからは、負傷が重なりに重なり、日替わり定食のようなやりくりになってしまいました。それが最後のところでの競り合いで響いてしまったかなという感じです。

序盤中盤終盤隙が無くスタメンで出てた選手が怪我で抜けたことは大きな課題になりそうです。自陣サイドの守備がド根性状態だったので無理がたたっていた部分はあるのかもしれません。




むっくんだいすきクラブシーズン2名場面集


さて、チームの振り返りに関しては全部見れているわけでもないですので簡単な印象論にとどめるとして、本マガジン本来の目的とするところである、椋原健太選手のプレーぶりについて振り返っていきたいと思います。


出遅れと本職ハッスルタイム


有馬新体制となった2019年のファジアーノ岡山ですが、昨季からの不調を引きずりむっくんは出遅れてしまいます。復帰戦となったのは4節の福岡戦。ここで同じく新体制・ポゼッションに注力するペッキア監督のチームを競り落とせたことは大きかったのではないかと思います。むっくんも復帰初戦でしっかりと火消しができ、編集部も胸をなでおろしました。ここで勝ちきれなかったらけっこうやばいシーズンになってたかもしれませんね。




続く5節の柏レイソル戦でスタメン復帰。瀬川・菊池の強力サイドコンビとミスマッチでだいたい2対1になる苦しいポジションでしたが、粘りこみで試合を膠着させます。(アクロバティックイエローめっちゃ笑いました)

その粘りが呼び込んだか、イヨンジェの値千金のゴールで昇格候補筆頭の柏レイソルに勝利。むっくんと有馬ファジアーノの躍進を期待させるナイスゲームでした。




4月からは元J1チームとの連戦となり最初の関門を迎えますが、力ですり潰されたり、勝ちきれなかったり、むっくんも出たり出なかったりで、残念ながら勢いに乗り切れず。天童はいいところでした

4月後半あたりからむっくんスタメン定着となり、京都戦ではイヨンジェに完璧なクロスを供給して今季初アシスト。




残念ながらこの試合は負けてしまいましたが、試行錯誤のチームを支えるベテランとして存在感を増していくことになります。このむっくんはなかなかエモーショナルで良かったです。



試行錯誤で求められる新しい役割


最終ラインをビルドアップ重視のメンバー構成にして、イヨンジェに蹴るにしても良い状態にしようぜという姿勢を見せていた今季のファジアーノ。岐阜戦でその粗をつかれてしまい手痛い黒星を献上してしまったものの、その精度は日を追うごとに向上していき、その中でむっくんはモーレツオーバーラップやハードタックルもさることながら、落ち着いた配球センスも見せていきます。オトナだ。


編集部が最も感動したのは16節の愛媛戦です。




昨年はモーレツに戦いを挑みモーレツにチンチンにされた愛媛の可変型ビルドアップとCBによる前進を加速させず、岡山もボール保持を展開してにらみ合いにもっていきました。ここで横か縦かとリズムをコントロールしていたむっくんはちょーかっこよかったです。司令塔むっくんや...と編集部の中の彦摩呂が度肝を抜かれました。

サイドに抜け出すヨンジェに糸を引くようにスーッと正確に繋げてチャンスメイクするむっくんは夏の風物詩になっていきます。今季のむっくんベストシーンと名高い(当社比)長崎戦のアシストもこのあたりですね。むっくんは夏男なんですかね。





7月には上田康太の復帰から上昇気流に乗りクラブ史上初の4連勝を達成。このときにはむっくんは左SBとしてビルドアップ隊と守備部隊の再編制に貢献しています。甲府戦の勝利は非常に劇的で、昇格争い参画の機運が一挙に盛り上がりました。編集部的にはベストゲームはこれかなあ。左むっくんと右むっくん、1試合で二度おいしい劇的勝利でしたからね。





テコ入れと闘将と化すむっくん


クラブ史上初の4連勝で驀進続ける柏レイソルを迎え撃つ!というところでしたが開始早々のセットプレーで撃沈。勝負にならず、そこから3連敗と一気に転げ落ちてしまいました。

しかし、そこで意地を見せたのが控えに甘んじていた選手たち。川崎フロンターレに対して一歩も引かない好勝負を演じ、90分では勝利していました。公式戦4連敗となったものの、チームはさらなる団結力と自信を手に入れました。




しかし残念ながらむっくんはここから出場機会を失っていくことになりました。新潟戦ではフランシスをシャットアウトして左足ダイレクトクロスで決定機を演出、ベストセーブにもノミネートされて完全復活かと期待させましたが、町田戦での完敗から、増谷・廣木コンビがファーストチョイスとなり、リリーフに転向となりました。

ゲームメイク役では夏に補強された増谷が抜群の働きを見せ、球際と運動量では廣木が巻き返しを見せ、チームも再びの上昇気流へ。椋原投手はクローザーとして5つのセーブを記録します。

6位争いの好位置につけていた岡山でしたが、シーズンを通じて負傷者に悩まされました。前線から中盤、最終ラインとスキがなく抜け(仲間とイヨンジェが無事だったのは逆に奇跡というか、彼らの身体のケア方法はたぶん並々ならなかったんでしょうね)、終盤戦には日替わり定食のようなメンバー構成になっていきます。

CBに欠員が出すぎてなんとむっくんがCBをやるという事態にもなりました。186cmだとか193cmだとか遠近感の狂うような大変なミスマッチにさらされますが、持ち前の闘争心で堂々と競り勝ってたのはさすがにびっくりした。むっくんの可能性が無限大すぎる。



最終節には本職で復帰を果たしたものの、残念ながら力及ばず。J1昇格という夢は再び果たせませんでした。




未来へ


2019シーズンのむっくんは30試合出場し2アシストを記録。スタメン出場は22試合となり、昨季に比べて10試合減らしたことになりますが、クロスのチャンスメイク指標は昨季より向上しアシスト数は同じとなっています。

有馬監督がチームの新境地を築き上げていく中で、本職SBとしての輝きを見せることができました。サイドでフリーになる機会が増え、クロスに入る選手の量と質が向上したことでクロスによるチャンスメイクが改善したことがデータに反映されていそうです。

ですが、残念ながら9月以降に出場機会を失ってしまい、チームも最後まで昇格PO圏内を狙う位置につけることはできたものの、最後の一伸びに欠けてしまいました。J1昇格のための実績ある選手として岡山にやってきたという観点からすればむっくんの二年目のシーズンはさみしい結果となってしまったというべきでしょう。

それでもやはり、出場すれば対面の相手選手を体を張ってせきとめ、周囲を鼓舞し、猛然と駆け上がり敵陣を脅かす、本職SBのかっこよさを見られたことは編集部にとっては何よりも嬉しかったですし、パスの受け手・出し手としての技術を強く要請される現代的なSBとしての新たな一面を見ることができ、クロス精度についても向上がみられました。CBとして緊急出場したりと心臓に悪すぎた意外性もありましたがw この1年はいいもの見れたなという気持ちです。

ただ、増谷がテコ入れされることになったということは物足りないところがあったということになるでしょう(もちろんDF陣にケガ人が続出しているという影響もあるでしょうが)。決定機創出という観点からすると致し方ないところです。廣木が盛り返したことで仲間の相方というポジションも確保できませんでした。競い合うこと自体は良いことなので、複雑なところなのですが...やはりわかりやすく試合を見る集中力は落ちてしまいました...w そこは反省点です。

来シーズンも有馬監督で継続と決まったようですので、もう1年競い合ってJ1に届く選手になるところを見たいなと期待しています。今季を見る感じでは有馬監督とそのチームにはそれだけの可能性を感じるのでね。

ともあれ、まずは1年間やりきったというシーズンにできていないと思いますので、まずはそれが叶ってほしいなあという願いをもちまして、本稿を締めたいと思います。シーズン3は大団円で終わってほしい。


むっくん今年も一年ありがとう!来年も応援してるで!



それでは!



追記 2019 12/17



シーズン3の制作が決定しました!ご愛顧に感謝!


ポゼッション攻撃のできるSBは補強せねばという波が押し寄せており予断を許しませんが、何より怪我なく1年やれれば...それが岡山の道をも拓くことを信じてやみません。


🎅改めまして来季もよろしくお願い申し上げます🎍