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【どくしょかんそう】footballista 特集「サッカーとメンタルのはなし」



国産のサッカー誌としては一線を画す綿密な構成と情報の量と質、そして最前線のリアルを明快に抉り出すインタビューと折に触れ愛読しているfootballistaから、特に今回の企画はジャストミートだったので、よかったよ!みんなも定期購読しよう!定期購読なら10%オフだ!バックナンバーも電子版で読み放題だぞ!というはなしをします。

今回の特集は”メンタル”にまつわる話でした。とかく問題を有耶無耶にする魔法言語になりがちな"メンタル"ということばですが、現代のサッカーシーンにおいては、フィジカルと同様の、科学的に捉え、トレーニングやケアの対象となる、専門家の領分であるという認識が広まってきています。

まず清武弘嗣と乾貴士のスペインでの適応の差はどこにあったのかというコラムにはじまる海外移籍での適応とチームのメンタル担当スタッフにスポットを当てるセクション、メンタルをフィジカルの一部として捉えることで”強化”や"調整"を可能とする専属メンタルコーチ達のインタビューセクションからキャリア上の問題解決の手法が語られます。

そして、主将のベテランであるブッフォンと新米主将となった酒井高徳のインタビューから「キャプテンシー」の正体に迫るセクション、チーム全体のメンタルを統括する「監督のモチベート術」セクションへ射程は個人からチーム、組織へと延びてゆき、最後により脳科学的な部分からプレー精度や戦術論へと広げていく「認知と判断」セクションという構成になっています。

海外の第一線で活躍する日本人選手たちの生の声から紡ぎだされる「適応観」からは浅野拓磨君が無事なの、とんでもなく偉業なのでは…と偲ばれますし、サッカー選手という特殊で過度なプレッシャーに晒されるからこそ大きな効果を発揮する、「メンタルは練習で強化できる」「メンタルは身体と同じで栄養素や睡眠が直接作用する」「感情を左右する化学物質から自身の身を守る」という知見にはひじょうに刺激されました。「サッカーとメンタル」という話題に関するものは網羅しようという意欲が溢れ、とても勉強になり満足しています。

サッカーというか、普通に仕事や学業やプライベートでモノを言ってくる部分でしかないと思われる…"メンタル"という言葉が出てくるたびに取り出して眺めたい…そういう愛蔵版となりうるものだと思います。ちょっと自分の生活も改善しようとなるやつでしたね…

話題によってはまだ読み込みが足りてないのでこの先もじっくり読みたいですし、参考文献ほしくなるやつだったんですが、我に返れば最も参考になるメディアは生の試合でしたね。試合を見るのがより楽しみになりました。今週も最高の週末…