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美しすぎるアシスト、その秘密を追う…vs.Vファーレン長崎の会報【2019-6/8】




今回のむっくんだいすきクラブ会報は報道とくべつ番組「美しすぎるアシスト、その秘密を追う」になります。ご了承ください。

今節はもうこのゴールの話をするしかない。美しい。


仲間隼斗という”イレギュラー”存在の格

1点ビハインドの長崎は後半立ち上がりから攻勢を強めてきました。これまで連動性に乏しかった前線の動きを整理して、SHを内側にボールを受けに来る動きに応じてFWをサイドに開かせて、岡山のCBとSBの隙間を狙ってくることでそのまま裏に抜けたり、岡山の守備隊形を乱すことでセカンドボールを拾いやすくしていました。この形は岡山がイヨンジェを使っていつもやってる形で、わかっててもやり返されるとつらいものがありましたが、SHもDFラインの穴埋めに加わることでなんとかゴールへのルートを塞いでセットプレーに逃れていました。こう押し込まれると頼みの綱はカウンターということになります。

岡山も長崎も同じ陣形で試合をしていたので、基本的にマークすべき選手は自分の目の前の選手というという認識でおり、それは両者譲らずバチバチの膠着状態であったので、それを乱す「イレギュラー」をいかに生み出すかに腐心していました。その役を主に岡山は仲間隼斗、長崎は吉岡雅和が担っていましたが、今節では仲間隼斗の遂行力と周囲の選手(むっくん)の活かし方のうまさが差を分けたのかなという感じでしょうか。このゴールにそれを最も強く感じました。端的に言えば超興奮した。


むっくんが口火を切り、むっくんで締める。この美しさ。

さて、このゴールの始まりは、右サイドに開いた呉屋のスプリント、をさらにブラフにしたイジョンホの裏抜けによって岡山の守備が崩されて中央に折り返されたシーン。そこにCH新里が飛び込むところを逆サイドから仲間がスライドしてボールを奪い取ったところから始まります。

仲間からボールを引き受け周囲を見渡し大竹が奪いに行くところをかわした武田の展開を受けたのがむっくん。ここで同サイドの久保田をSB香川がチェックする長崎ですが、そのサイドに紛れ込んだのがボールを奪った仲間隼斗でした。守備の”イレギュラー”存在となって久保田をマークする香川の裏をとった仲間にむっくんがドンピシャのパス。これによってスピードが上がり、岡山攻撃の合図となります。

SBの裏を抜かれたのでCB高杉がスライドして抑えに行くところで開いてしまうスペースはCH磯村が下がって埋めていました。このスライドの間にむっくんが大外、久保田が前、武田が中央とパスを受けやすい位置を取ります。むっくんを見るために香川が出ていくと中央がまずいなということで磯村はそのままDFラインに待機。その様子を仲間と武田のパス交換からボールを受けたむっくんが察知します。どういうことかというと、ボランチがDFラインに吸収されて中央が開いているので仲間がフリーである=チャンスであるということになります。

仲間がドリブルを開始すると、長崎の5枚となったDFラインは釘づけになります。1点目のゴールシーンと同じような形が逆サイドで起きているわけですからね。その危機感をもっとも強く持っていたのはCBの高杉で、強く寄せに行きますが、距離が遠く、香川の視界外から飛び出したむっくんに絶妙のパス。このワンプレーでDFラインから香川と高杉の二人が消えた状態となった長崎は埋め合わせが間に合わず、そのままなだれ込むイヨンジェと赤嶺の2人を抑えるだけで精一杯でニアの仲間を消すことができませんでした。ここまで読み切ってむっくんは余裕をもってニアサイドにスピードのあるクロスを供給。仲間隼斗がしっかりと合わせ、ゴールとなりました。


未来へ

2アシスト目は昨季も相性の良かった仲間隼斗とのコンビネーションとなりました。長崎で上げたゴールはいずれも仲間隼斗のフリー状態を計画的に生み出し、そこを境にPAで2トップ、久保田和音、2CHを段階的に配置するという「事前準備(仕込み)」によって生まれています。それが何より良いことですね。やってることがあっているぞと自信になります。

そこへいいボールを送るという重責をむっくんはになっているわけですが、その供給者として武田君が非常に頭角を現していることが大きなインパクトとなっています。前節同様武田君の配球の妙によってこの試合もうまく回りました。長崎にも配球役として角田誠がいることで連勝につながっているとの話があるので、彼の不在も大きかったかもしれません。パワープレーに追い上げられてしまったので、ほんと助かった…w

赤嶺の復帰によりヨンジェとの2トップの連動がより深まったこともあって中盤より前には明るいニュースが続きますが、DFラインは廣木の体調不良によってやや暗雲という状況になってしまいました。さすがにパワープレーで競り合いとなるとむっくんも厳しい。畑をぶつけられるとつらいぞというシーンが多くみられてしまいました。それ以外の時間帯は悪くなかったと思いますが(よし、ファウルスローのことはみんな忘れたな!)

5バックでしのぐとか、柔軟に手を打てるようになれるとより良いのですが、それもメンバーがそろって練習で手ごたえがつかめないと難しいでしょう。パワープレイの練習よりも90分ボールを握るための動き出しを高めた方が優先度は高いでしょうし。夏に向けてどのように枝葉末節を整えていくかという次元までチームが成長してきたことをまずは祝いたいですね。枝葉末節はベテランに任せよう。むっくんも任されてくれ。


それでは。