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番外編 -ピカデリーサーカス-

1924年のネオン全盛期。
皆んながネオンを手放しで喜んでいたわけじゃなかったみたい。この年のニューヨークタイムズに、(小説家の?)ジョージ・ムーアがこう書いている。

London must be beautiful: but let us not do anything to interfere with our business or with the taste of today, with the savagery of electric signs, for example.
Piccadilly Circus, because of its monstrosities in flam-

Rudi Stern / Let There Be Neon
P79

"ロンドンは美しくなければならない。しかし、例えば電光掲示板のような野蛮なもので、私たちのビジネスや今日の趣味を邪魔するようなことはやめよう。ピカデリー・サーカスは、その怪物のような電飾のせいだ。"

Piccadilly Circus is more ridiculous than anything savages ever invented. It would be a disgrace to any planet. A cannibal feast is not more absurd.

Rudi Stern / Let There Be Neon
P79

"ピカデリー・サーカスは、野蛮人が発明したどんなものよりも馬鹿げている。どの惑星にとっても不名誉なことだ。人食いの饗宴は、それ以上にばかばかしいものではない。"

But if we were to say, let us begin by taking away your electric signs, the reply would be made that it is a matter of business and that people must advertise their goods. Nobody buys port wine because a ruby decanter is displayed pouring ruby light into a goblet. Ruby lights and electric port! It is fantastic!

Rudi Stern / Let There Be Neon
P79

"しかし、電光掲示板を取り上げることから始めよう、と言えば、それはビジネスの問題であり、人々は商品を宣伝しなければならない、と答えるだろう。ルビーのデキャンタがゴブレットにルビーの光を注いでいるからといって、ポートワインを買う人はいない。ルビーの光と電気ポートワイン!素晴らしいことだ!"

かなり興奮しているので、翻訳がよくわからないが、確かに、古く美しい街並みに、被せるように電飾を付けられるのは、抵抗がある人も一定数いただろうなぁ。気持ちはわかる。

それでも、ピカデリーサーカスは芸術家にとっては、刺激的な場所であるようで、モチーフとして使われることもよくあるそう。

⚫︎イギリスの画家 チャールズ・ジンナーは、"ピカデリーサーカス"という名の絵画を描いているらしい。
⚫︎写真家のポール・マッカーシーも"ピカデリーサーカス"という写真集を2冊も出しているらしい。
⚫︎音楽でも"ピカデリーサーカス"を冠した曲がいくつかあるらしい。

私としては、タイムスリップして、当時のピカデリーサーカスを見てみたい!


※ 引用部分については、Let There Be Neonさんのご厚意により、直接許可をいただいています。


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