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眠っているときに見る夢のはなし

今日も夢の中の事件が一区切り付いたところで飛び起きた。

時計を見ると予約していた時刻の30分前だった。どうあがいても間に合わないので、申し訳ない気持ちを前面に出しながら寝起き感を極力隠して病院に電話した。

二度寝をすると体感で90%くらい夢を見る。普段の睡眠では眠りが浅くて困っているのだが、なぜか朝方の二度寝では深い眠りの中で鮮明な夢を見る。このときの睡眠は、一般的に夢をみるとされるレム睡眠を超越した状態であると勝手に思っている。そしてその夢にオチがついたとき、ふと夢と現実の狭間に放り出され、飛び起きるのだ。

過ぎたことを後悔しても仕方ない。先程まで身を置いていたどこか心地のよい非現実空間を思い浮かべようとしてみた。しかし、不思議なことにほとんど思い出せない。当然だが体に残る手触りや匂いなどの感覚もなく、あるのは心地よかったという感覚だけだ。

夢など、言ってしまえば無意識下の妄想に過ぎず、何一つ実態のないものだ。しかしこれほどまでにあっさりと無に帰されると、どうしようもなく虚しい気持ちになる。

そして翌日、僕はまた夢を追い求め、二度寝をする。

だから僕は早起きが苦手だ。

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