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広告効果は新しい服

人を待つ間、
ふと街の一角にある
鉄板焼き屋さんに目が留まる。

いつもは無いものがそこにあった。
のぼり旗だ。

黒地に白文字、明朝体、
炎に「TEPPAN」のアルファベット。
シンプルなデザインだ。

しかし、たったそれだけで
私はその店に入る動機になると思った。

実はこの道、
学生時代から現在の通勤まで
およそ10年は通っていて
その鉄板焼き屋の存在は認知していた。

しかしお店の看板から、
あるいは年季の入った建物から、
イカつい店主を想像するし
年配の方が集まる、
若者を立ち寄らせない雰囲気を
なんとなく感じさせた。

だが、
今あるのぼり旗があるだけで
「あっ、私のように若い層も入って良いのだな」
という印象に変わった。

年季の入った店構えに
シンプルでかっこいい旗が映える。
温故知新、
という言葉がピッタリ当てはまるような
良い広告だと思った。

なんとなく、
この広告は新しい服のようだなと感じた。
新しい服を纏えば気分が変わるように
そこに存在するだけで
新しい光が差すような、
魅力が引き出されるような、

無理にキャッチーにならなくても
無駄にお金をかけなくても
良い広告は生まれるのだと
いい実感を得られた。


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