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【セミナーレポート】小売現場をAIとクラウドカメラが「見える化→効率化」する〜データ化と映像解析で業務改善〜 

こんにちは!Lightblueのマーケティング担当です。

2023年7月26日に、株式会社Lightblueとセーフィー株式会社による「小売現場をAIとクラウドカメラが『見える化→効率化』〜データ化と映像解析で業務改善〜」と題したオンラインセミナーが開催されました。

登壇者

砂川 政徳
セーフィー株式会社 営業本部マーケティング部 部長
大学卒業後、素材メーカーや外資系ITハードウェアメーカーでの法人営業を
経て、2019年8月にセーフィーへ入社。インサイドセールスやカスタマー
サクセスを経て、2023年1月よりマーケティング部長に就任。

セーフィー株式会社 :https://safie.co.jp/

園田 亜斗夢
株式会社Lightblue 代表取締役
東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科在学。AIの社会実装、レコメンダーシステムの研究を行う。2018年にLightblueを設立。

株式会社Lightblue:https://www.lightblue-tech.com/

ノーコードで映像から人間の動作を解析できる「HumanSensing BASE」とは

  Lightblueでは、複数の画像解析技術を高度に組み合わせたソリューションと、生成AIを活用し、業務を効率化するソリューションを提供しています。本ウェビナーでご紹介する「HumanSensing BASE」は、映像データをAIで解析し、人の動きや状態をまるで人間のように判断することが可能です。
 
 HumanSensing BASEは、動作解析AIモデルをノーコードで作成できるため、エンジニア不要で導入できるのが大きな特徴です。見やすい管理画面は誰もが簡単に利用でき、AI導入を内製化してコストを抑えることが可能となります。

 開発できる動作解析AIモデルの例として、物体検出、動作分類があります。これらを組み合わせて利用することで、どういうシーンで、人がどういう動作をしているのかという学習データを蓄積していきます。管理画面では、動作を分類して集計・グラフ化し、推論や評価を経て解析データをクラウドに送信します。解析データを既存データベースに追加したり、CSVデータとして出力したりすることができるため、基幹システム等へ連携し、より高度な分析を行うことも実現ができます。
 
現在は、林業、建設業、製造業のほか、飲食店、カーディーラーなど、幅広い業界での導入実績があります。

学習データを増やすことで、製造現場でドライバーを使う人の動きを検知し、その人が使っているドライバーの色からドライバーの種別やサイズを判定することが可能となり、この粒度での判定は実現すれば、今後、現場で故障などが発生した際の原因特定などにも活用できると期待されています。 

セーフィー:カメラ映像の解析データをもとに売り場改善し、売上向上に寄与

 防犯カメラ・クラウド録画サービスを提供するセーフィー株式会社は、小売業をはじめ、さまざまな業界のDXを推進しています。

 セーフィーが提供するソリューションは導入が簡単で、遠隔地からの録画データの確認をシンプルな操作で使えることが特徴です。

 活用事例として、担当店舗を臨店するエリアマネージャーの業務の一部をクラウドカメラに置き換える「Web臨店」「遠隔臨店」を紹介いただきました。都内を中心に店舗を展開するスーパーマーケットでは、臨店とWeb臨店を併用しています。
 
砂川氏「エリアマネージャーは売上の高いA店舗の映像を確認して、生鮮食品の商品陳列が優れていることに気づきました。そこで他のB店舗、C店舗にもこの映像をシェアして、売上改善につなげることができました。足を運ばずに臨店できるだけでなく、映像をリアルタイムで他の店舗にも共有できました」
 
さらに、AI映像解析エンジンを搭載した「Safie One」を使ったスーパーマーケットの事例では、映像データから人流を計測することで、改善施策につなげています。
 
この事例では、店舗内のお弁当売り場を4つのエリアに区切り、各エリアを通過した人数、各エリアに滞留する人数を計測し、エリア別の滞留率を算出しました。

なお、画像のCの下にレジがあるため、人はA→D→Cエリアを通過してレジに行くという仮説で、店舗ではADCに売れ筋の商品を配置していた。

砂川氏「カメラ映像から滞留率を算出した結果、意外なことにBエリアは通過人数は少ないものの、足を止めて商品を見ている人が多く滞留率が高いことがわかりました。そこで、Bエリアで足を止めている人の商品購入を促すために什器と商品を増やし、のぼりを設置したことで滞留率と売上が大幅に上昇しました。

 この事例では、データを元に正確な人流を把握した上でPDCAを繰り返したことで売上という形で成果が出ました。副次的な効果として、店舗スタッフの皆さんに店舗づくり、レイアウト作りの楽しさもお伝えすることができました」 

データの解析結果から施策のサジェストまでできるAI解析

 
人による臨店とカメラ映像を併用するメリットとして、砂川氏は、「店舗の見るべき箇所が明確になっている場合は、映像でも問題はありません。ただ、臨店の目的にエリアマネージャーと店舗スタッフのコミュニケーションや、カメラに映らない部分の確認事項もあるため併用しています。

カメラを一緒に活用するメリットとしては、映像を他店舗にも共有できることや事実を映像を通して確認することが可能です。」と回答しました。
 
セーフィー社の人流の解析事例では、カメラ映像の見るべき指標をセーフィーの担当者が提案し、現場スタッフが数値を見て改善施策を考え実施しました。

 HumanSensing BASEでは、解析したデータを元に、AIが施策を提供することが可能であるため、スタッフのナレッジにはあるが思いつきにくい施策をAIが提案することで、施策の質の向上に加えて、施策を考える時間を効率化することも可能となります。 

DXの取り組みは今後さらなる飛躍が期待できる

カメラで撮影した動画のデータ解析について、法的なリスクはないのでしょうか?
 
園田「得たデータの取り扱いに関して会社のWebサイトや利用規約などで丁寧に説明をすることが大切ですが、個人を特定してパーソナライズした施策を実施するわけではないので、神経質になる必要のないケースも多いと考えています。今後オンラインとオフラインを結びつけるOMO施策を実施する場合においても、来店者へのクーポン配布などの施策ではプライバシーの侵害リスクは低いでしょう。一方で、常連客の検出など、一人の顧客を追ってパーソナライズするような場合は、映像に映される側との適切なコミュニケーションが必要だと考えています」

AIやDXは現場をどのくらい改善するのかという質問に対しては、
 
園田「すでに小売業界では、カメラや映像解析ソリューションの導入企業が増えており、技術に小売の現場が追いついてきたと思います。しかし、映像解析から得られたデータを踏まえ、改善施策ができている企業は導入企業の中でもごくわずかです。

 映像解析と合わせてAIが施策のアイデアを提案するような取り組みを推進していきたいですし、店舗ごとに持つナレッジをデータ化することで人によっては見落としがちな施策でもAIを使って大きな改善につなげられる可能性があると考えています。」
 
砂川氏「まずは臨店によるマネージャーの店舗間移動の負担を少しでも減らすなどの業務効率化、店舗の省人化などコスト削減から始まり、今後は映像データやAIの活用を通して顧客満足度の向上など、付加価値を生み出す方向に変わっていくと予測しています」
 
 カメラ映像の活用と映像解析という2つの視点から小売現場のDXについてご紹介しました。AIによる映像解析は活用できる幅が広く、今後の導入拡大が期待されます。


Lightblueでは、定期的にセミナーを実施しています

技術トレンドや事例紹介、新製品のご案内など、Lightblueでは毎月異なるテーマでウェビナーを実施しています。ぜひお誘い合わせの上ご参加ください。

https://www.lightblue-tech.com/event/


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