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やる気のないときの勉強の仕方

今日の指導の最中に出た話です

「最近どうもやる気が起きなくて勉強が進まないんです」

個別指導を受講している方がやる気がないとかあるのだろうか?と疑問に思うかもしれません。しかし,こんな発言を聞くことはよくあります。

この発言自体にいややる気がないとか甘えだろうという精神論で返すのは簡単です。しかし,現実問題はそうではないと私は思っています。以下ではこの発言の背景にある問題点とその対策についてお話します。

1 やる気が出ないとは何か?

 人間ですからある程度の気力で日々の能力に差が生じるのは仕方ないことです。もっとも可能であれば,やる気がない状況や体調がいまいち出従前の力が出ないという状況でも,受験に合格できるという能力になっておくよう日々勉強するべきでしょうが。コンディションを考えるよりも勉強しろということです(笑

 まぁ,それは理想であって現実的にそこまでは通常割り切れません。そのため,気力が生じないことによって,頭が回らないので問題が解けないとか,本を読んでも目が滑り内容が入ってこないとか,そういう状況になることはあり得ます。

2 やる気に左右されるのは甘えか?

 そもそも,私自身は勉強は計画を逆算して立てたうえで,それをこなしていくものだと思っています。そのため,やる気というあいまいなものに左右されて勉強しないとかあまり考えておりません。しかし,一方で人間ですので,機械的に毎日勉強できないということも納得できます。そこで,やる気がない状況というのは存在し,それによって勉強できないという状況になるといえます。

 やる気や気力ということに左右されるのは人間であれば仕方ないことです。通常,受験生は大なり小なり勉強以外のこともしています。大学生なら交友関係や恋愛関係,普段の授業などなど。社会人なら仕事の関係や家族関係などなど。人によって置かれている状況が,違うため種々の外的な要因で勉強できない状況になってしまうことはあり得ます。それによって計画を立て勉強していたとしても計画が狂ってしまったり勉強が止まってしまうことは,通常ありうることです。

 そうしたイレギュラーな事象や状況に陥った場合への対処方法も計画を作る前に検討しておく必要があります。そうれによって計画にバッファーを持たせて余裕をもって計画を立てて勉強していくべきでしょう。

 以上のように,やる気が起きないとか気力が出なくて勉強が進まないことは決して甘えではありません。人間である以上社会生活を営む中で,種々の要因に左右されるのは当たり前のことです。それよりも,その可能性を受け入れて対処法をしっかり確立しておくことの方が合理的でしょう。

3 やる気がないときの対処法は①予防しておく

 では,やる気がないときはどうしたらいいのか?ということです。

 まずは,予防的措置として気力に左右されないで勉強できるような環境を作るということが重要です。自身の懸念事項につき対応策を練り実施しておく。例えば,お金が厳しいというのであれば当分の資金を用意して置いたり援助してくれる方を探したり,学生なら奨学金を増やしたりなどです。家族のいる方は家族の理解や仕事のある方は職場の理解なども非常に重要です。そうすることで,イレギュラーな事態が生じたときの自身の負担を最小限にできて勉強できない言う状況を回避できるはずです。最悪の事態は当面の間,勉強が止まってしまうということです。この状態になると勉強を再開しにくくなりますし,気力に左右される癖がついてしまい,気分の向いた時だけ受験生というなんちゃって受験生になってしまいます。これではいくら長い期間勉強していても合格はしません。

 前提として,司法試験ないし予備試験はそもそも3年~5年程度でもう合格する試験です。重点的に勉強すれば開始から1年半程度で予備試験に合格できる人はいますし,そうでないにしても3年程度,受験回数的に3回程度で合格する方は多いように思います。この点が旧司法試験とは大きく違います。司法試験の方は5回の受験制限がありますのでこの範囲内で合格する必要があります。そして統計的明らかですが,初回受験での合格率が異常に高く,その後は回数を重ねるごとに合格率自体も減少していきます。これは司法試験が現行制度になって以来の傾向です。この点についてのわたしの見解もあるのですが,長くなので割愛です。

 要するに早く受かる必要があるということです。期間が長ければ当然ライフイベントの生じる可能性が高く(例えば,卒業や就職,結婚や両親との関係の変化等)それによって気力へ与える影響や時間を取られることによる勉強の進捗の遅れは必然的に生じます。

 以上のことから,早期合格のために環境を整えて,しっかり腰を据えて選択と集中をし,一気呵成に勉強し合格してしまうことが肝要です。

4 やる気がないときの対処法②することを決めておく

 それでもどうしても何かの事象は生じるものです。その時に勉強ができない。。。となってしまっては本末転倒です。継続していくしか合格への近道は存在しません。そこで,緊急避難的な手法になりますが,そもそも計画通りの勉強ができないようなときにする勉強方法をあらかじめ決めておいて気分転換的に行ったり,勉強に触れ続けることで知識の劣化を抑えていくことが必要です。

 これには多くの手法がありますが,おおむねながら勉強という感じのものです。例えば,予備校の講義の音声データを最低でも聞き続ける。それも過去に聞いたことのある講義を復習として聞く。こうすることで新しい事はしていないので負荷は少ないはずです。それに聞いていく中で気になってきて勉強が再開できる可能性もあります。特に入門講座の初回の方とかもうずっと聞いてないよというものを聞いて所信を思い出すのもいいと思います。

 総データがないという方は,YouTubeで司法試験で検索して動画を見てもいいですし,どこかの予備校の無料講義を延々と聞いてもいいでしょう。その中で何か発見があるかもしれませんし,触れ続けることができます。

 あるいは暗記やまとめなどの作業系を行ったり,読み物として有効な無駄として基本書をある程度読んでみるとか,入門書を読んでみるとかもいいかもしれません。場合によって,より高度な実務書などで興味のある分野の本を図書館とかで読んだり新書のような手に取りやすいものを読んだりでもいいと思います。普通にテキストや普段の教科書や問題集を使わなくとも試験に関係することには触れれるはずです。特に選択科目に関しては自身で選択しているので興味監視があるはずです。そうした分野の者を読んでみるといいと思います。

 また,切り口を変えて,普段はやらない教養の問題を見てみるとか,予備試験の方は司法試験の問題を見たりとか,逆に司法試験の方は予備試験の問題を見たりとか,いっそのこと古い旧試験の問題を見たりとか普段やらないけど,やる気が起きないときに見てみようとか時間の余裕のある時に見てみよう見たいな素材を見るのもいいと思います。

 学問的な興味があるならテーマを絞って論文を読んでもいいと思います。

 より実践的なところで言えば択一の問題でもうわかっている問題を復習として解きなおすのもありでしょう。普段の勉強ではわからない部分を減らすことに重点を言置いているはずですのでできる問題をやってやる気が起きるかもしれませんし。

以上の他にもいろいろとやるべきことはあると思います。要するに,勉強できないな~という時にやることを複数決めておいてそれを単純作業的にこなしていき,勉強に触れ続けることが重要ということです。

5 やる気がないときの対処法③いっそのこと勉強しない

 それすらも手につかないのであればいっそのこと,ある程度まとまった期間勉強から離れてそもそもなぜ司法試験をやっているのか?法律家になる必要性はあるのか?を書けた時間や資金を抜きにして考えるのもいいと思います。その結果やる必要がないと思えば撤退すればいいですし,やる気のある時に余暇的に試験を受け続けるという選択をとってもいいでしょうし,ケースバイケースです。あるいは1週間くらい勉強に意図的に触れないことでやっぱりしっかり勉強したいなぁと思うかもしれません。このあたりの機微は各自のこれまでの経験によりますのでそういう方策を検討しておくのはありだと思います。

 とにもかくにも,やる気がないときに無理して勉強しようと頭を使っても生産性が悪いだけです。決められた作業もできないのであればある程度休んで回復してリフレッシュするのは長期的に見れば合理的な方法といえるでしょう。

6 最後に

 そもそも,司法試験を始めたのはあなた自身の情報収集の結果にも独決断のはずです。であれば自己責任ですので,自分のキャリアをどうするのか検証してやるかやらないかを決めなおすのもいいと思います。別に法律家になるだけが人生ではありません。所詮司法試験に合格して得られるのは修習生になれる資格でありその後も法曹資格という資格が得られるにすぎません。もしかしたら,本当にやりたいことは弁護士業や検察・裁判官ではないかもしれません。イラストレーターかもしれないし農家かもしれないし,飲食業かもしれません。そもそも働きたくない(当職はこれに該当します)のかもしれません。人間ですからその時の気分で動くのもまた仕方ないことです。一方で,先のことはわかりませんし,あなた自身の力でしか,自分のキャリアは形成できません。そのための手段として選んだ試験勉強をどうするかもあなたが決めればいいのです。

 気分に左右される自分に流される人生か,それを変えるためにコツコツ勉強するかどちらでもいいので,今後悔なく,そして可能なら将来も後悔しないような選択が何かを決めるといいと思います。

 以上長くなりましたがやる気が起きないときの対象方法等でした。少し話が大きくなりました。

 次回はTwitterでも書いた絶望のロースクールの序章を書こうと思います。

それでは!

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