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短答式試験の勉強方法~肢別?パーフェクト

久々に司法試験の真面目記事です。

1 本記事を書くきっかけ

 さて,今論文式試験直前!という中でなぜ短答・択一の話なのかというと,,,,まぁ気分です

 しかし,短答式試験に落ちた人,4月から勉強を始めた人そろそろロー入試とかだし勉強するかな~って人向けに書こうと思いまして。まぁ実際はTwitter上でのやり取りがきっかけでそういえばこの話かいてないなぁと思った次第です。

以下では,短答式試験の勉強に関する論点を種々話していきます!

2 肢別?パーフェクト?

 まず,いきなり短答式試験対策の大論点に言及します。すなわち,肢別かパーフェクトか?

 この点,私の結論は断然パーフェクト(体系別問題集)派です。

 パーフェクトのメリットは①本番形式の問題が見れる②体系別に自分の弱点を把握できる③結局は最後の2個まで絞ってどう判断するのかという観点を学習できる,この点にあります。理由は申すまでもないですが,①については当然本番の出題形式に慣れておくことが必要なのは言うまでもありません。②は勉強の進捗や弱点分野の把握が体系別にローラーするので,自分の知識の穴を正確に把握できます。加えて,③もある程度択一式短答式試験を経験している方ならわかると思います。この二つのどちらを選ぶのか?という点で大きく差が開くのです。

 一方で,肢別のメリットは①サクサクできる…すみません自分はこれくらいしか思いつきません。むしろ,デメリットとして肢ごとの正解で満足してしまい,総合的な点数がどのくらいとれるのか?という観点が勉強できないように思います。問題を細分化してしまっているので仕方ないですね。肢ごとの知識を確認したいのであれば体系別のパーフェクトでわからなかった肢を検討すれば十分に思いますし。

 したがって,自分はパーフェクト(体系別問題集)をお勧めします。

 なお,Wセミナーの短答問題集でもいいのですが,解説の多さ受験生のやシェア率,難易度に関する情報量の多さという点で辰巳のパーフェクトかなぁと思います。こちらは最終的には好みの問題ですが。。

3 いつから始めるの?

 次に短答への着手時期についてです。これにはいろいろな見解があると思いますし,司法試験なのか予備試験なのか?初学者なのか入門講座は終わっているのか?などなど事情によっても回答が違いますし,指導者の間でもある程度は見解が分かれるとは思います。ですが私の結論はこうです。

 とにかく早く始めるべし!!

 なぜなら,短答を解き復習するというのは超単調作業です。本当に苦痛です。これが苦痛じゃないひとがいるのかって思います。特に最初の一周目は非常に時間がかかります。しかも初見だからわからない,つらい,一問あたりに時間がかかる進みが悪いつらい…の悪循環です。

 ですので早く着手すべきです。具体的にはインプット講義が終わった(聞き終わっただけで結構です)の段階から論点ごとに一緒に復習として解いてほしいです。そうすることで知識が増えますし,何を覚えるべきか,どう考えるべきか,司法試験上での言葉の使い方などがわかるからです。

 そもそも,短答式を後回しにするメリットが何もありません。論文が最重要なのは当然です。しかし,そもそも予備試験の場合は,短答に受からなければ論文が書けません。同様に,司法試験でも短答式合格がされないとせっかく3日間書いて書いた答案は採点されないのです。噂ではシュレッダー送りで目も当ててもらえないのです。

 加えて,司法試験において短答式試験の成績は,総合評価に直結します。具体的な算定方式は自分で検索してほしいのですが,短答の素点175点満点は論文1科目分の配点があるのです。この点も大きいです。短答で2点あげるのはケアレスミスをなくす,正確な知識を増やすなどで比較的単純に上げらます。ですが,論文で2点を上げようとすると実際にどうしたらいいのかは不明瞭な点も多く大変です。そして,合格点からわずか1,2点の間にどれだけの受験生がいるのか…統計が出ていますので法務省のHPで情報を見てください。

 こうした情報は誰でも自分で検索をすれば公的な資料が公開されていたり,ブログを書いている人も多くいます。ですが自分で積極的に知ろうとしないで,予備校のスケジュールを信じて短答式を後回しにして初回受験では対策不十分で箸にも棒にも掛からぬ…という方が多いのも私の認識する範囲では事実です。

 もちろん,スケジュール通りやって短期で合格する人はいるでしょうがそれが多数派ではないはず,と指導経験から感じます。こうした情報を積極的に取りに行く姿勢は残念ながら情報社会の現代では必須の教養と私は思います(知らない人が損をするのが現実です。まして自分のキャリアを形成するのですから自分から動けないのはどうなんでしょうか?法曹コースのような高校生の時点ではその判断はできないと思いますが,,この点は論点がずれるので今日は割愛)。私自身知らないで損をしたことなんて山のように経験があります。

4 具体的なやり方などは???

 とはいってもパーフェクトの問題は量が多いのでどうしたらいいの?って声があると思います。実際平成18年以降の新司法試験の問題だけのものですが,もう分厚さは異常ですよこの問題集。。民法に至っては2分冊ですからね。。

 そこでまずは,解く問題を絞ってやっていくのがいいと思います。具体的にはH22年以前の問題は解かない。これは、このころの問題は、新司法試験と旧司法試験への移行期ということもあり,旧試験の影響があったような感じで難易度が難しさ的におかしかったりすること,問題自体が古くさすがに参照する価値が高いものばかりといえないこと,H23年以降の問題だけでも10年分以上あるからです。予備試験受験生の方は,予備試験に出題された問題だけをピックアップしてやるのもいいでしょう。そうしてとにかく問題集を1回回してやった!という経験を体験することが非常に重要です。

 そして、2週目以降は理解できた問題,ここでは肢すべての理由まで理解しており絶対に正答できる自信のある問題をいう,は飛ばしていき,わからなかった問題や理由付けがあいまいな問題だけをやればいいのです。そうすることで2週目以降はやる問題を絞れますし,できないものをできりょうにしていくことになるので全体の正解率を上げることができます。特に最後の2つの肢で悩んだ問題は,なぜそうなるのか?などしっかり思考して解けるようにしているか?という視点から自分の理解度を確認してほしいです。そうすることで,論文で使える思考過程を育成できますし,判例の思考過程を学習することができるはずです。

5 まとめ

 以上の次第ですので,とにかく早く着手し7科目を1周させるべきです。

6 おまけ~予備試験の教養科目対策についての私見

 ここでおまけですが,上の話は当然法律7科目の話です。

 予備試験ではほかに一般教養科目があります。しかし多くの予備校の宣伝文句は,一般教養は基本的には対策不要です!というのが,主流です。確かに論文への応用がきき,知識として論文と重なるのは当然に法律基本科目です。しかし,一般教養の配点は270点中60点,1問3点です。法律科目がおおむね1問2点ということと比べると試験戦略としてこれを軽視しすぎるのもいかがなものかと私は思います。

 そこで私は,一般教養も法務省で発表されている過去問の限りで,時間のある時に3年から5年分くらいは,教養の問題であっても過去問には目を通すべきと思います。もっとも,現代文などは著作権の関係で省略されてることが多いですが,,

 こうすることで,そもそもどんな問題が出題されるのか把握でき,何を時間内に選択し回答するべきかがわかります。また,文系の方でも理系の問題の中にある問題も,常識で解ける問題やその場で手計算すればわかる算数の問題などがあることに気づくはずです。そういうひと手間で3点上乗せできれば短答式の合格の確率は少しでも上がるはずです。

 当然これは法律科目の勉強の余裕があるタイミングでやるべきことです。あるいは勉強を始めて間もない人は,早期に見てこんな感じかと知るとよいかもしれません。

P.S

久々に書いたらめちゃくちゃ筆が載った。最近データ整理したり個別指導ガンガンしている中でブログネタはたまっているのでどんどん書いていきたい。

※この記事は2021年11月30日に微修正しました。

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