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プレイリストのマイルール

Spotify は人生必需品

Spotify におけるぼくの自作プレイリストは、いま現在 300 個を超えたところです。アカウント名は maybejunwill。音楽リスナーとしてのぼくの愛聴遍歴を網羅しているので、おそらくこの趣味は、つまり Spotify のプレイリスト制作は、死ぬまで続くことでしょう。

それらのタイトルのほとんどが「アーティスト名 + 20」という形式です。なぜ20なのか。ここには、20世紀のオールタイムベスト20曲、という意味が込められています。さらに、Spotify 使用者にはお分かりのとおり、15曲未満なら AI が勝手にリストを追加補充してしまう、というプラットフォーム側の暴挙を防ぐためでもあります。あれ、ぼくらのような世代は、少なくともぼく自身は、絶対に許せません。「こんな曲を選んだ覚えはないぞ!」「なんでこの駄作を聞かされるわけ?」等々、ファン心理のプライドに関わる問題だからです。AI に白紙委任するぐらいなら、誰もはじめからプレイリストなんて作りませんよね。だから、自動生成されたミックスリストの類いを、ぼくは信用していません (AI 奴隷にはなりたくない)。

もうひとつ、20曲は限りを設けた結果でもあります。かつての音楽メディアと違い、Spotify のプレイリストには時間的制約がありません (正確には1万アイテムまで)。長尺曲が当たり前のプログレ・ファンにとって、これはたしかにありがたいのですが、一人のアーティストだけで 70曲も 80曲もあればもうほとんど AI 推奨リストと同じになっちゃいます。有限だからこそ何かを諦め、有限だからこそ選択に価値がある。レコードにしろ CD にしろ、ぼくらが育った環境/思想はそういったものです。で、20曲分の時間は、ポップスやEDMなら約 1時間、プログレなら 2時間超。ぼくの通勤は片道 1時間なので、ちょうど1日で1~2リストが聴ける感じです。そもそも人間が集中できるのは 2時間が限界らしいし。

思い入れたっぷりのベスト20

というわけで、Spotify の自作プレイリストには、制作者/編集者としてのぼくの思い入れが20曲分たっぷり注がれています。その質と量にはもちろんバリエーションがありますが、プレイリストの制作意図によって以下の4種類に大別することができます。

  • 「アーティスト名  20」 
    これが基本形。上にあげたビートルズが具体例です。とくに注意を払ってほしいのは曲順です。1曲目から20曲目に向かってアーティストのアルバム発表順に並んでいるものは、オールタイムベストを時系列順に採りあげたことを示しています。まあフツーの取り扱い。ところが、上のビートルズのように曲順がリリース順ではないものは、かなりのこだわりと熱意が注入されています。まるで架空のライブ演目でもプロデュースするかのように、しかも熱烈なファンならでは選択理由に基づいて決めた、ということです。だから、後者のほうが思い入れは断然上位。

  • 「アーティスト名 vs アーティスト名  20」
    これは企画モノのひとつ。文字どおり、あるカテゴリーに絞ってアーティスト同士をバトらせる、対比する、際立たせる、という趣向ですね。御託を並べるよりも、プログレ・ファンなら参考例を見てもらったほうが理解しやすいでしょう。ほらね。
    「K.Emerson vs R.Wakeman 20」「Caravan vs Soft Machine 20」
    「Styx vs Journey 20」「Univers Zero vs Art Zoyd 20」 etc 

  • 「アーティスト名 comment  20」
    これも企画モノ。アーティストの公式アルバムではまとめきれないものを、ぼく独自の別視点から編纂したものです。サポート・メンバーとして、プロデューサーとして、はたまたサブ・ジャンルの象徴として、音楽史に寄与したミュージシャンはたくさんいます。
    「Brian Eno produced  20」「Mel Collins supported  20」
    「Nirvana appeared  20」「This Heat pierced  20」 etc

  • 「Jun's 音楽ジャンル  20」
    これは、ぼく個人のジャンル別ベスト20曲。音楽ジャンルで括られているため、参加アーティストは複数になります。一般的な意味でのジャンル別コンピレーションですね。アップデートの頻度は基本形に比べて圧倒的に高く、対象ジャンルもまだまだ増えそうです。
    「Jun's Avant Garde  20亅「Jun's Post Rock  20」
    「Jun's New Wave  20」「Jun's Chanson  20」 etc  

言い忘れましたが、プレイリストに採用する楽曲は、原則として公式アルバムのスタジオ録音ヴァージョンが優先です。もちろん例外的に、諸般の事情 (大人の事情) によってライブ録音のものを入れざるをえない場合もありますが、そのあたりは都度コメントします。

以上4種類が、大まかな Sptify プレイリストの分類です。占有率は、基本形が8割・企画モノが2割、って感じでしょうか。その他にも番外編として「昭和フォーク 20+20」「昭和歌謡曲 20+20」などの邦楽懐古趣味ヴァージョンもあれば、「French Prog-rock  20+20」「Italian Prog-rock  20+20」などの地域別区分もあります。いずれにしろ、最新テクノロジーに乗っかったぼくの手作りであることには変わりません。そうです、ここがいちばん大事なのですが、ストリーム全盛時代の音楽プラットフォームにあって、行なっているのは目茶苦茶アナログの創作手法なのです。

果たして品揃えは、自分で言うのもなんですが、ド昭和の個人商店っぽいってことですね。是非お手にとってご鑑賞ください。






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