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自分を受け入れるのが難しいワケ

自分を受け入れるのは難しい。


本屋に行くと、「自己肯定感」に関する本がたくさん並んでおり、それを物語っている。多くの人が自己否定をしてしまうから、これらの本はイチローのように毎年一定の打率を残して売れる。安打製造機だ。

かくいう自分も、自己肯定感は低い。自分の嫌いなところ、直したいことを10個挙げろと言われれば、瞬時にその解答欄をうめられる自信がある。なぜなら日頃から、その欠点をよく考えてしまっているからだ。

自分を受け入れられない人生はつらい。生まれてから死ぬまで、自分とはずっと付き添っていかなくてはいけないから。無駄な落ち込み回数も、増えてしまうだろう。あるいは、千載一遇のチャンスを逃してしまったり。


ではなぜ、人間という種族は、こんなめんどくさい気質を持つようになってしまったのだろう。

自己肯定感をある程度キープできるように進化できていたら、もっと生きやすくなっていたのに。ダーウィンさんに是非ともご教授させていただきたいのだが、残念ながらもうあっちの世界に行ってしまった。「あっちの世界には、自己肯定感という概念はありますか?」

調べたら答えがわかるのかもしれないが、たまには自分の頭であれこれ想像してみよう。すぐに答えを調べるのは、よくない傾向だし。

よし、ではいってみよう。


その1

予防線をはるため

他人から拒絶されたり、傷つくことを言われた時のダメージは大きい。場合によっては、尾を引いて頭の中でぐるぐると考えてしまうこともある。

自分は何事も問題ないように振る舞えていたと思っていたが、ある日唐突に周りの人にグサリと刺さる一言を言われる、なんてことは避けたい。

その対策として、先に自分のことをダメな奴だと否定しまう、というやり方が考えられる。日頃から自分に嫌なイメージを植えつけまくる鍛錬を重ねているので、他人から傷つけられた時のダメージも軽減される。

自己否定は、進撃の巨人でいうところのウォールマリアだ。予防線として、自己否定という名のウォールマリアを一枚はっておけば、巨人が攻めてきても安心だ。

ただし、自己否定による自分へのダメージはじわじわきている。



その2

ナルシシズムをおさえるため

自分があまりに好きすぎると、調子に乗った発言・行動をしてしまい、周りの人から嫌われる恐れがある。

自分のことばかり考えている人は、集団から目の敵にされ、生き残れなかったはずだ。なので生き残った我らはみな、自分のことを好きになりすぎないように調整されている。

僕もナルシストタイプよりは、少し自信なさげタイプの方が仲良くなれそうだ。あまりに自信がなさすぎる人だとめんどくさいと感じてしまうが、ナルシストより謙虚なのでうまくいきやすい。

NONSTYLEの井上よりは、宮下草薙の草薙というわけだ。うーん。だが、リーダーとしては、自信満々タイプの方がついていきたいと思う。多少ナルシストであっても、自信たっぷりであってほしい。

自信の度合いって、難しいね。



その3

足りない部分に目を向けさせるため

「自分はもう十分満足だ」と思ってしまうと、成長がなくなる。なので多少自分のことが嫌いになっても欠点に目を向けさせる、という理由も考えられる。

他人と比較して落ち込んでしまうのも、これに含まれると思われる。自分に足りないものを持っている人と比較して、無い物ねだりしてしまうのは、これが理由なのではないだろうか。

努力して改善できるレベルのものであればいいのだが、頑張ってもどうにもならないこともある。

後者は、悲劇的な結末になりやすいと思われる。変えられないものなのに、それにずっと固執してしまい、骨折り損のくたびれ儲けになるからだ。

それを見分けられる賢者の眼を、ぜひとも身につけたいものだ。



その4

悪魔の仕業

この中で最も正解の可能性が低い案。

私たちがこの世に生まれた瞬間に、悪魔がどこからともなくやってきて、「お前は自分のことが嫌いになる〜」という呪いをかけられる。

この呪いの効果は死ぬまで続き、そのせいで自己肯定感は生涯を通して低くなる。自分のことをポジティブに考えられるように画策してみても、この呪いのせいで結局は失敗に終わるケースが多い。

科学技術が発達した昨今だが、悪魔の力をみくびってはいけない。奴らの呪いは、相当強力だ。


その5まで書いた方がキリが良かったが、思い浮かばなかったので、ここまでにした。その4もムリして書いた感、満載だっただろう。

自分を受け入れるのは難しいが、ポールマッカトニーが「完璧な人間なんてどこにもいないよ」と言っていたように、諦めなくてはいけない部分は誰しも必ず持っているのではないかと、思う。



でも僕はやっぱり、その4の悪魔の仕業説を推したい。

ダーウィンさん、教えてくだちい。

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