研究をするようになって感じた疑問
研究するようになってから感じた疑問がある。
それは、「研究が楽しい」と言っている人が、周りにほとんどいないということ。
これは先生方を除いた場合です。教授の方は、楽しそうに研究されています。学生で、研究を楽しそうにやっている人がいないという意味です。
僕の周りの人で、研究に高いモチベーションを持って取り組んでいる人が、本当にいない。僕も、研究に高いモチベーションを、持っていないそのうちの一人なんだけど。
当たり前だけど、物理学科に入ったのは、研究したいことがあったからだ。それは周りの人も、同じだと思う。
じゃないと、わざわざ物理学科に来ない。良い企業に就職したければ、工学部のほうが有利だから。
みんなそれぞれ、物理に対して好奇心を持ち、何か新しいことを解明したくて、物理学科に入りたいと思い、大学入試を必死に頑張ったのだと思う。
それなのに、いざ研究生活が始まると、みんなしんどそうで元気がない。
なぜこのような事態になってしまったのだろうか。
僕が考えた理由は、これだ。
それは、「研究生活の理想像が高すぎた」からだ。
研究というと、自分の好きなことを好きなだけやれる、というイメージが強い。
自分の好きなペースで、好きなことを研究できる。
そんな夢のある研究生活を、僕は思い浮かべてたし、周りの物理学科の人たちも、似たようなことを考えていたと思う。
でも、実際の研究生活は、地味な作業がたくさんあり、苦しいことの連続だ。
嫌なことと向き合う時間のほうが、多いと思う。
そして、研究への理想が高すぎた分、現実の研究生活に対するショックも大きい。
これが、研究を楽しくやっている人が、ほとんどいない理由だと思う。
これは、好きなことを仕事にした場合でも、当てはまるのではないかと思う。
その仕事に実際に就く前は、良い面ばかりしか見えてないけど、いざ働いてみると嫌な面も見えてくる。
「こんなはずじゃなかった」と理想と現実のギャップに苦しみ、モチベーションがなくなってしまう気がする。
どんなに良く見えることにも必ず嫌な部分があり、それを受け入れてどうやったら楽しめるか工夫することが、重要だと思う。
研究も仕事も、そうやって楽しめるようになりたい。
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