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聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
研究するようになってから、意識しているのがタイトルにある言葉。
僕の研究室に、若くてめちゃくちゃ優秀な物理学者さんがいる。
初めて見た時に、大学院生かと思うぐらい、見た目が若かった。実年齢は30代後半らしい。
見た目のイメージとしては、the理系男子っていう感じ。メガネをしていて、細身で長身の方だ。外見はクールだけど、中身はけっこうお茶目。
今は東大の特任准教授も、やっているみたい。研究内容は詳しく知らないけど、東大で教えているくらいだから、やっぱり天才なのだと思う。
この先生の特徴は、よく質問することだ。
一度、外部の大学の先生が講演しに、自分が所属する大学に来てくれたんだけど、その時にその若い先生はめちゃくちゃ質問していた。
✳︎以下、このメガネの若い先生をリケダン先生(the理系男子を省略した)と呼ぶ。
リケダン先生は後ろの席に座っていたのだが、後ろの方から「すみません。先ほど言われた〇〇は、〇〇ってことでしょうか?」みたいな質問が、何度も聞こえてきた。
そのリケダン先生を初めて見た人なら、「何この学生、教授にめちゃくちゃ質問するやん」と誤解しただろう。
リケダン先生は、おとなしそうな雰囲気だけど、質問する時はめちゃくちゃするのだ。
僕もこんなに質問する人は、初めて見たかもしれない。
その質問に答える教授の方は、質問されまくってたまーに鬱陶しそうにしながらも、的確に答えていた。
そして、その教授が答えられないような、鋭い質問もあった。
この光景を見た時に、優秀な研究者かどうかを測る一つの指標として、「質問をよくするか」が挙げられるのではないかと思った。
一見当たり前に思えることにも疑問に感じて、それを質問として聞けるメンタル。
この能力は、何かを突き詰める上で、物凄く大事な能力なのではないかと感じた。
当たり前のことに疑問を持つことは、意識すればまだできることかもしれない。
でも、それをしっかり質問するのは、難しいことだと思う。
「こんなこと聞いて、バカだと思われたらどうしよう」と、プライドが邪魔してしまうからだ。傷つくのが怖くて、せっかくいい質問が思い浮かんでいたのに、その質問が聞けない人が多い気がする。
だけど、周りの人からすれば、よく質問してる人は、バカではなくむしろ「この人、好奇心がすごいな」と、良いイメージを持つと思う。
当たり前のことでも「なんでなんで?」と聞ける人は、少しうざったがられるかもしれないが、僕は「この人は、常識に惑わされない賢い人だな」と感じる。
アインシュタインの言葉に、こんなものがあります。
重要なのは、疑問を持ち続けること。知的好奇心は、それ自体に存在意義があるものだ。
科学の世界では、今までの理論が覆されることがよくあります。そうやって、科学は発展してきました。
イノベーションが起きるのは、今までの常識に疑問を持つ人がいたからです。
そして、疑問に思ったことを、周りの批判を恐れず確かめようとする、メンタリティも持っていた人。
「こんなことを聞いて、バカに思われたらどうしよう」って気にして、質問することを躊躇してしまう時があるが、勇気を持って恐れず正直に質問しようと思う。
それは、質問された側にも、新たな発見につながるかもしれない。
ただし、質問するだけでなく、自分でじっくり考えることも大事にね。
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