指数関数的なストレス
耐えた。
昨日、修士論文を提出し終えた。これまでの人生でいろんな困難やピンチに直面して、それを乗り越えてきたけど、さすがに今回は無理かと思ったぞ。
なんとか生還した。
〆切が近づいているのに、あんなギリギリまで研究している人なんて、どれぐらいいるんだろうか。普通ならもう、結果をまとめるだけの時期のはずなのに。そんな状況に陥ったのは、まぎれもなく自分のせいなんだけど(指導教員のせいでもあると思いたいが)。
デッドラインが迫っている中、うまくいくかもわからない研究をして、なんとか結果を出さないといけない。タイムリミットがあるから、やり直しも、ほとんどできない。そして、研究結果が出るまでの間、修士論文もまとめていかないといけない。
テトリスで例えるなら、おじゃまブロックが一気にどかっと降ってきたような感じ。
こんな記事を書いていたけど、〆切前の最後の1週間は正直に打ち明けると、さすがに焦った。やることが多すぎて、「あっ、自分の情報処理できる限界を超えたわ」と、キャパオーバーを感じた。
あそこまで追い詰められたのは、人生で初めてだったかも。〆切に1日近づくごとに、のしかかるストレスが上昇した。誇張しているけど、指数関数的にストレスが増えているような気がした。
ストレスへの対処法を知っていたので、なんとか耐えれたが、その知識がなかったら危なかったと思う。かなりの負荷がかかっていた。
以下、ストレスがかかりすぎてどのような反応が出たのかと、そのときのストレス対策について書こうと思う。
・ストレス反応
その1 余裕がなくなる
普段は軽く流せる冗談も、精神的に追い詰められていると、冗談だと受け取れなくなる。なぜなら、本当にピンチな状況に追い込まれているから。気持ちに余裕がなくなり、普段よりもそわそわと焦っていたり、ピリピリしたオーラが出てしまったり。
笑顔も、通常時に比べて減る。周りの人たちも、普段と様子が違って、自分に余裕がないことに気づいていたと思う。
その2 まぶたが痙攣する
左目に違和感があると思って、鏡で確認したら、左目の下まぶたがピクピク痙攣していた。はじめはパソコン画面の見過ぎが原因かなと思ったが、それだと右目のまぶたも痙攣するはずだ。ずっと片目だけウインクしながら作業しているわけじゃないので、「他の要因かもしれない」とネットで調べてみたら、ストレスでまぶたが痙攣することがあるらしい。
この症状は、「眼瞼ミキオミア」って言うんだって。数日から数週間で治るそうだけど(実際、自分も数日で治った)、まさかストレスがまぶたに現れると思わなかったので、びっくりした。
その3 頭痛
頭痛も、ストレスで引き起こされる場合があるらしい。研究の最後の方で、相図を描くという、〆切直前に激おもタスクをやることが決まり、そのストレスで相図が出来上がるまでの数日間、頭痛がずっとしていた。頭が鉄の金具で締め付けられるような感じの痛み。
めちゃくちゃ痛いわけではないけど、頭に圧迫感を感じながら、相図をなんとか完成させようとしていた。脳が悲鳴をあげていたに違いない。
相図の完成がギリギリ間に合ってよかった。
その4 食欲が増す
やけ食いしたくなった。僕の場合は食欲が増す症状だったけど、調べたら、逆に食欲がなくなる人もいるらしい。人間は何かをやめるという目標は苦手らしいので、もう食べすぎちゃうのは仕方ないと受け入れて、代わりに食べすぎてもあまりダメージが少なそうなものを食べていた。ジャンクフードは避けて、フルーツや野菜を食いまくっていた。
体に良いものほど値が張るけど、健康はお金にはかえられないので、出費がかなりかさんだことは気にしてなかった。でもさすがに、お金を使いすぎた。節約しよ。
その5 朝早くに目がさめる
朝方の生活リズムにしていたけど、太陽がまだ昇っていない、早朝5時半とかに目が覚めることがあった。「くそ、もっと寝たいのに、なんでこんな時間に目が覚めんだ」と思いながら、寝れないので、とりあえず目をつむってベッドに横になっていた。
ストレスを受けると、交感神経が活発になり、眠っているときでも脳が覚醒してしまって、早朝に目が覚めるらしい。これを早期覚醒と呼ぶそうだ。ぐっすり眠った感覚がないのに、重い作業をやるのはつらいよね。
・ストレス対策
その1 自然の中を散歩
自然がメンタルに良いのは過去の記事にも書いているし、運動がストレス解消とストレスに強い脳をつくってくれると知っていたので、その2つをかけ合わせた、「自然の中を散歩する」ことを実践していた。毎日、大学までの通学路を、歩いて通った。
自然が豊かな道を発見し、そこを雨の日も雪の日も、毎日歩くことで心が癒された。1日1日、自然は違った顔を見せてくれて、畏敬の念を感じた。高校時代、ワンダーフォーゲル部(山岳部のような部活)の顧問がしょっちゅう、あちこちの山に登りにいっていたけど、たしかに、あの先生はずっと精神的に元気そうだった。
その2 音楽を聴き、そして歌う
家で晩ごはんを作っているとき、音楽をかけながら歌って、ストレスを解消していた。アートの力は偉大だ。美しいものに触れていると、心が癒される。おすすめは、アーティストの歌い方を真似すること。BUMP OF CHICKENの『sailing day』とMrs. GREEN APPLEの『ケセラセラ』が特に、自分を奮い立たせてくれた。
の「なんどでぇぇも、んなぁいたっていいや」
と
の「のりきぃいーって、みせぇぇえーーーる」のところの歌い方を真似して、歌っていると、自分の心がメラメラと燃えていくのがわかった。
あと、たまにリズミカルに踊りながら歌っていたけど、これもストレス解消に抜群だった。騒音のクレームには気をつけよう。
その3 ストレスを読みかえる
ストレスは、悪いことばかりではないらしい。ストレスがかかっている状況は、闘争反応が起こっているということもあるので、気力や集中力を高めてくれる。〆切に追われているときの火事場の馬鹿力って、自分でもびっくりすることがある。あのひりつく緊張があるから底力が発揮されると思えば、ストレスも完全に悪だとは思わなくなり、立ち向かう勇気がわいてくる。
ただ、慢性的なストレスは良くないそうなので、その場合は環境を変えたりするほうが得策かも。
その4 生活習慣を整える
やることに追われていると、睡眠時間を削って、その分を作業の時間にあてようかなと思ってしまいがちだけど、これをやってしまうと、それこそメンタルが死ぬと思っていたので、絶対にやらないと決めていた。
睡眠は大切だ。その土台が失われれば、頭は働かないし、気分もさらに落ち込んでいく。そして、やるべきことが終わらないから、また睡眠時間を削ってしまう、という負のループに入ってしまう。こうなることだけは避けようと思い、寝る時間と起きる時間を毎日できるだけ一定にして、生活リズムを整えた。
やっぱり何事も基本が大事。
その5 入浴剤を入れる
そういえば悩み事とかがあっても、温泉に入ったら、元気になっているよなと思い、温泉気分を味わうため、お風呂に入浴剤を入れていた。これだと安上がりで、温泉のリラックス効果を擬似体験できる。
入浴剤の香りと、入浴剤が湯船の中でシュワシュワ溶けているのを見ていると、心に余裕が生まれた。体も芯から温まり、たまった疲労もいくらか消えていった。
ちょっとしたことだったけど、それでも心が少し前向きになれたのは大きかった。
以上が、今回僕の身に起きたことと、その対策法。修士論文が終わり、その喜びで張り切って書きすぎてしまった。
根詰めて頑張った反動が後でくるかもしれないので、ゆっくり休もうと思う。あーでも、修士論文の発表会が1週間後に控えているんだった。
うん。今はそのことを考えずに、ただ休もう。
またお得意の先延ばしをしたのであった。
ああ、あと最後に。
本当にキツかったら、逃げよう。
三十六計逃げるに如かずだ。
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