時間の感覚と習慣化

好きなもの、楽しいことはあっという間に過ぎ去るのに、同じ時間でも、やらなければならないものにかかる時間負担は大きく感じる。
趣味の世界に没頭しているとき、何かの期限に追い込まれて逼迫した状態で没頭しているときは何時間でもあっという間に過ぎ去ったりするもので、自分の置かれた環境や状況によっても時間の感じ方は大きく異なる。
時間の感覚の違いは当然だが不思議なものだ。

子どもの時間感覚は大人の約4倍の差があるそうだ。
つまり、大人の15分は子どもにとっては1時間ということになる。(ジャネの法則)

「30分机に座って勉強しなさい」は「2時間集中して仕事しろ」と同じ。
集中力の持続時間は人それぞれだが、少なくとも私の場合は、途中でちょっと一息入れる時間が必要だ。

子どもの学習習慣がうまく出来ない。勉強時間を決めても、集中せずにボーっとしてしまい、結局何も身についていない。ということがよくある。
昔の私がまさにそんな子どもだった。

長い時間やり続けることは、簡単ではないし、時間がかかればかかるほど、「めんどくさくなる」
そう、「ものごとが続かない」「習慣化できない」の大きな原因は「めんどくさい」なのだ。子どもも大人も同じ。

子どもの学習習慣を作りたいと思ったときに、いきなり「30分座って勉強しよう」というのはかなりハードルが高い。子どもは、大人よりもさらに時間を長く感じてしまうわけだから、必然的に「めんどくさい」と感じるタイミングも大人よりはやく訪れる。
習慣化のコツのひとつに「時間を短くする」というものがある。
「60分する」よりも「15分を4回する」ほうが、習慣になりやすい。
集中力が持続できるくらい短い時間に分割して、それを継続する方がうまくいく。

勉強に対する苦手意識が強かったり、嫌悪感を抱いている子には、もっと短い時間から、そして勉強そのものでなく、勉強に向かう姿勢(こころ)をつくるとことろから始めるとよい。

Step1  まず座る→遊んでいいよ
Step2  座る→テキストを開く→遊んでいいよ
Step3  座る→テキストを開く→1行だけ読む→遊んでいいよ

こうやって、確実にできることをスモールステップで積み重ねていくことが大切だ。短時間で、欲張らずに「やったという実績」を積み重ねていく。
「やらなければならないもの」から「もう少し出来る」とか「もう少しやりたい」という気持ちの転換が起きたら、子どもは自らやり出す。
決して欲張らず、あえて子どもが「もう少しやりたい」と思うところでやめる。
勉強に対してポジティブな感情を持った状態でやめる方が、次につながりやすい。

子どものころから、勉強するふりばかりしてきた、あの頃の私のこころを動かすためには、どのようなアプローチが有効なのだろうか。
そうやって、こども視点にたちかえって考えてみるとなんだか楽しい。


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