大学生への欠席指導 #132

長男が産まれた年から、非常勤講師として短期大学の講義を1コマ担当させていただいている。
年々増えてきている「合理的な配慮」について、感じたことを書いてみようと思う。

私が行っている学校では、「配慮申請」のある学生の履修科目が決まると、その科目の担当教員に通知が来るようになっている。
これまでに依頼を受けたのは、発達障がいの診断がある学生ばかりだ。

配慮するのは、主に①欠席しても、レポート提出で出席に替える。②レポート提出期限を延ばす。といった内容だ。

卒業するためには、所定の単位を取得しなければならない。
私が行っている学校では、全15回の講義のうち、5回以上欠席すると期末試験の受験資格が与えられない。つまりその時点でアウトだ。
講師は欠席3回目に、教務課に報告するようになっている。
教務課からその学生のアドバイザー教員に連絡が入り、その教員から学生本人に直接指導が入るという流れだ。

3回欠席の報告をすると、最終的にその講義の担当教員に指導結果が報告されるのだが、その内容は、「指導しました。」で終わることがほとんどだ。
指導しても来られないから、配慮が必要なのよね。

不登校になっている学生に、学校から指導が入ったところで「よし、行こう」と気持ちを切り替えられる学生はどれほどいるのだろうか。

自分がもしアドバイザー教員だったら、どんな言葉をかけるだろうか?
行けない状態なのに来いって言われたらしんどいよね。
追い詰めてしまうかもしれない。
出席するように励ますよりも、「学校がすべてじゃない」と言ってあげたい。

親が自分の子どもに言うならばまだしも、学校・教員側から「学校がすべてじゃない」と軽くいうわけにもいかない。
親が子どもの卒業を強く希望していたら、間違いなくクレームになるよね。
大学生なので、基本的に保護者と教員が面談する機会は無いだろうし、学生も多いなか、ひとりひとりと丁寧に関わり、学生本人やその保護者と信頼関係を構築するというのも簡単ではないだろうな、と想像する。

コロナ渦はオンデマンド配信で講義を行っていた。
不登校がちな学生は、授業のオンライン化によって、学べる機会が増えた。
一方で、対面だと出席していた子が、オンラインになると取り組めないというケースもあった。

現在は、対面講義に戻ったため、オンライン配信などはなく、出席には登校が必須となっている。
皆がコロナ渦を経験し、慣れないオンライン配信、オンデマンド配信をやってのけたのだから、登校しなくても講義が受講でき単位がとれるような仕組みが必要だ。

もちろん、学校によっては心理カウンセラーがきめ細かく対応していたり、ハイブリッド講義を行っているところもあるかもしれない。

「学校がすべてじゃない」は過激だとしても、「通学することがすべてじゃない」と、学び方の選択肢が提示できるようになればいいなと思う。

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