やる気のないアルバイトに苦労する学童職員の仕事のお悩み相談室 #173

学童の20代学童職員です。アルバイトのやる気がなくて困っています。
学童では学習の時間があり、教科書ワークに取り組んでいます。
その丸つけをアルバイトの子がよく間違えます。
結局私がもう一度チェックをしなければならないのですが、そうすると「もう見ました。」といい、間違いが多いから確認していると言うと「先生だって間違えることあるじゃないですか。」と口答えしてきます。

アルバイトがいてくれて助かる部分はありながらも、思ったように動いてくれないことがかえってストレスになっている。
アルバイトにきちんと丸つけをしてほしくてどのような対応をしたらいいかと相談してきた。

でも、その子は仕事や業務を忠実に遂行するというモチベーションがどうやらなさそうです。
素直に聞いてくれる子なら苦労しないですよね。

①じゃあ、いっそのこと、丸つけをその子に任せなければいい。
 別の仕事をしてもらうことは出来ないのか??
②子どもたち自身に丸つけさせてみたらどうかな。

まず、2つの提案をしてみたが、両方とも選べなさそうな表情をする。
別の任せられる仕事が思いつかないし、子どもに丸付けをさせたいような気もするが、 職場で既に決められている指導方法を好き勝手に変えることができないというジレンマがあるのだ。

では、何ができるかな。
そもそもっていうところに立ち戻って考えてみることに した。
アルバイトの彼女は子どもが間違ってるのに、丸をつけてしまっている。

子どもに協力してもらえるように仕向けるという方法もある。
つまり、子どもが間違えないように仕向けていくのだ。
子どもがそうやって協力してくれると、子どもにとってもいいことでしかないし、丸つけするほうも、助かる。

子どもができるだけ間違えない方法を 子どもに教えてしまうということだ。

もちろん子どもにしっかり聞いてもらい実践してほしいのだけど、そのちょっと無気力のアルバイトさんも同じ話を聞くことになるわけで、それが大きな狙いでもある。
例えば、「最近、こういうのはみんな間違えるよね。」いつも見直しをする子に、見直しで見つけてラッキーと思ったのってどんな問題なのかを聞いてみたりする。あくまでも雑談で。
子どもたちに聞いてみて、間違いよくあるランキングを作ってみるとか。
とにかく楽しく面白く、勉強だと思わせないこと。

先生さ、今日ちょっと早く帰りたいねんやん。
ペンの持ちすぎで手が痛いのよ。
だからさ、みんなさ、 1回では丸になったら嬉しいな。
そういう風に先生のこと助けてほしいねん。だから、今日のワークはばっちり仕上げて、見直ししてから持ってきてほしいねん。
みたいな形で言ってみたり。
方法はね、考えればいくつでもある。

まずは、自分が できることと、できないことを区別して、できる部分のところにフォーカスして、どんなアプローチをするかが大事ですよね。

このやりとりは、アルバイトの子がいるときにするのがポイントなんです。
自分に向けて言われる話は聞きたくないけれども、他の人にしてる話なら、受け取ることができる。
ある程度聞いているならば、自分の採点ミスを省みることに繋がる可能性が高い。

とは言っても、「ちゃんと聞いておいて」だなんて期待はせず、彼女が聞くか聞かないかは別として、 教室の空気が、もっと楽しく変わってしまったらいい。
アルバイトのやる気がないと悩むのをやめて、あなたが行動を変えると、子どもが変わると、教室の空気が変わり、そうすると、アルバイトの子も変わってくるかもしれないっていうような考えで、話をした。

悩み相談にのる時に気をつけているのは、何かを指示をするのではなくて、あくまでも提案するということ。
「こんなんどう?」という形で使えそうなら試してみてもらう。
それでもダメだったら、「また違う方法一緒に考えよう」という形で、絶対の正解ではなく、色々試してみて、最適な方法 を探していこうというスタンスだ。


ちなみに、ちょっと、やる気のないアルバイトの子は、どうやらエンターテイナーを目指している子らしい。 つまり、彼女は、自分の才能や魅力で、人を喜ばせたい、幸せにしたいと、根本では、思っている子だと思うんですよね。
その子が無気力なのは、バイト先だけの環境だけが問題なのではなく、もっと深いところに原因があるのだと思う。

とりあえず、無気力な子に対して、できていないことを注意したり、否定し、指示命令すると、もっと壁を作ってしまう。
今現在は希望する職業にはつけていない現状だとしても、まずは目の前の子どもたちを楽しませようと思って仕事に取り組むことが、夢の実現に繋がる1歩なのだ。

やる気がなくて、無気力、何を考えているかわからないと、相談者が思ってしまうと、その子はその通りにしか動かない。
相手のの個性や希望を尊重して、才能を信じて、その能力をどんどん活かしていこうといった捉え方をしてけると私たちはもっと幸せに働ける。


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