子育て相談(力が入りすぎる赤ちゃんの力の抜き方)#169

保育園、子育て関連施設に勤務しているということもあり、いろいろな方から相談を受けることがしばしばあるのだが、私はその相談にのるのが結構好きだ。
私自身の承認欲求が満たされるというのもその理由かもしれないが、相談を受けるときは誰であれ、話してよかった。相談してよかった。そう思ってもらいたくて最善を尽くす。

ある日、3か月の子どもを連れて、園見学に来られた夫婦は、子どもがモロー反射をしすぎているのではないかと心配していた。
モロー反射とは原始反射のひとつで、重力と頭の関係に反応する無意識の動き。寝ている赤ちゃんが両腕をぐわぁんと広げて動かして、起きて泣いてしまったりする。
新米ママの口から出る、「モロー反射」という言葉。もちろん知っているからどうだこうだという話ではなくて、子どもの動きのひとつひとつが気になって、いろいろ調べてみたりしているけれど、やっぱりいろいろと不安もいっぱい。そんな感じだった。
まだまだ原始反射が出る時期なので、泣いて全然眠れないのであれば、おくるみでしっかりめに巻いてあげると寝やすいかな。そんな話をしていると、どんどんと質問が続いていく。
寒くなってきたので、室温が気になる。暖房をつけるべき???
「カラダをピーンと張ってものすごい力を入れたりするんです」身体に力を入れすぎることも心配だと話された。

力が入りすぎているのは、お母さんのほうだな。
お母さんが力を抜けば、子どもの力もスッと抜けそうなかんじだ。
赤ちゃんの力を抜くマッサージをお伝えして、お母さんも一緒に楽しんでねとお伝えした。
そして、子育てに正解はないこと。正解を探し求めるよりも、その時置かれた状況でのベターを模索する方がいいことをやんわり伝えた。

一通り聞きたいことを聞いて、いっしょにマッサージをしたこともあってか、お母さんの気持ちも少しほぐれたようだった。

子どもの悩みを抱えているお母さんたちの話を聞いていると、支援が必要なのは子どもというよりも、お母さん自身ということが多い。まじめなお母さんたちは、自分のことは後回しで子どものことばかりを心配する。
目の前の気になる事を何とかするために、必死になってあれこれ手を尽くしがちだけど、その前に、肩の力を抜いておくことがとても大事だと思う。

そういう私も正解ばかりを探していたし、めっちゃ無駄な力が入っていたタイプなので、「力を抜いて」なんていわれても抜けないどころか、余計に力が入ってしまうことを知っている。子どものためと思ってやってみたら、実は自分のためだったんだ!と後から気づくぐらいがよい。
共感性が高い私は、私と同じ種類のお母さんがいると、すぐにセンサーが感知する。
目の前の必死そうなお母さんを見つけると、このお母さんの気持ちを少しでも楽にしてあげたいなとちょっと必死になる。
でもそんなことがとても楽しくて、お母さんにも喜ばれるので、やりがいのひとつになっている。

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