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シルビア日記16 方言

 標準語とは何か、それぞれの地域にある標準語。それが方言と呼ばれている。
江戸弁とも言われるべらんめー口調も然り、大昔からたくさんの言葉が行き交う東京で混じり合いながら擦れてそれができてきた。僕は東京の言葉に慣れていて耳も脳もそこに順応している。東京を中心とするから様々な現地の言葉が田舎の言葉と言われている現状だ。どこの言葉も情緒があって好きだ。沢山の方言がある中で僕の心を掴むのは絶対的に博多弁だ。
「なんしよーと。どげんしたと。がんばらんね。」
そのイントネーションで僕の心は単純にも満たされる。日頃から東京にいてその言葉になれているから反動が大きく揺さぶられるのかもしれない。
 先日関西に一週間滞在した時に怖いなーと感じた。テレビの中で見る関西弁に憧れた20代。歳を重ねていくうちになんだかキツくなってきた。そういえば民放のバラエティよりNHKの落ち着いた声色に落ち着きを感じる。
彼ら、彼女たちとっては普通の言葉なんだろう。
「やれや、なんで行かへんねん、アホか」
癒しを求めている乾いた僕の心には刺激が強すぎた。しかし日が経つにつれて脳と耳が慣れてきた。
エジプトに行った時、滞在最終日にはもう話せるようになっていた。気がした。その時の感覚に似ていた。僕は順応が早い。大阪もいいなと思い始めた頃に帰京した。ドリカムの大阪LOVERを聞いてニヤけていた。
 言葉使いというのはその人の印象に大きな影響を与える。たくさんの人に会って話しをしてみるとこういう人になりたいなって思う人がいる。私は影響されやすいのですぐにその人の真似をする。モノマネは得意だ。しかし所詮付け焼き刃。すぐに自分の素が出る。東京の耳と脳に戻ってもう一度自分を鍛え直そうと誓った。
近そうでまだ遠い大阪。

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