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シルビア日記21 スポーツの力

 毎朝ニュース番組を見ていると耳を覆いたくなるような情報や、他者を批判することばかりが聞こえてくる。いいことだけを集めた“善行“ニュース番組を作りたいと本気で考える。
 様々な考え方を異常なくらいに尊重する時代だから当たり前だ、そう自分に言い聞かせ我慢をする。
 宗教観、価値観はそれぞれ違うからぶつかることも致し方ない。そんな毎日に慣れてしまうと心に常にモヤモヤが残るようになる。これがストレス菌なるものか。と納得する。
 しかし同じ目的や同じ目標を見ているとき、熱狂しているものがあるとそんな自分の曲がった考えなどは体から出て来なくなる。批判も差別も右よりも左よりもなくなる。

 先日野球観戦に行ってきた。特別に野球ファンというわけではないが誘われたという理由で行った。東京ドームに入ると鳥肌がたった。なんなんだこの一体感、そこにそれぞれの思想などは関係ない。知らない人同士が一緒になって選手の一挙手一投足に集中して悲喜交々だ。まさにエキサイティングシート、ヘルメットを被った自分の滑稽な姿に興奮していた。
おそらくスポーツに限らず、コンサートや展示会などもそうなのだろう。
 しっかりと自分が集中できる何かを見つければみんないい顔になる。
家に閉じこもって時間を持て余すと余計なことを考える。
 この日は長嶋茂雄デーというイベントが行われ、長島終身名誉監督がグランドに車椅子で登場するとドーム全体が揺れる歓声に包まれた。本物のスターというのは輝いている。すごく笑顔になれる自分がいた。
 歳を重ねるとどうしても、外に出ることが億劫になるがこれからは知らない世界にどんどん飛び込むという目標を持つことができた。
 前向きになれた日、ドームで飲むビールは酔わないことに気づき、財布からお金がどんどんなくなっていった。


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