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シルビア日記23 青春

 純粋な気持ちで仲間と共に前に進むそれが青春というのか。じゃあいつ青春が終わるのかなんて考える。
 今年も夏が始まった。7月に入ると一気に忙しくなる
まずは7月の後半に福岡県で柔道大会があった。
 参加校数300チームを超える日本最大のトーナメントは団体戦の抜き試合、3日をかけて行われる。試合までの時間配分なども調整が難しい。
 私は10年ぶりの日本一を目指して乗り込んだ。
 今まで共に汗を流した高校3年生は選手、選手外関係なく全員で福岡に入った。
 毎年泊まる健康ランドは今年で閉館が決まっている。残念でならないが、職員の人に聞くと大人のドロドロした世界がそこにあるので愛想笑いをして触れないことにした。
 優勝を狙える位置にいる時こそ初戦からの戦いが大事になる。いつも以上に緊張はしたがしっかりと勝ち切ることができた。
 軽量級ながらエースの選手は肘の怪我があり、今大会後にあるインターハイを考えて使うかどうかを迷っていた。
 試合に出ない選手は福岡の難所とOBが口を揃えて言う恐怖の公園に向かった。猛暑の中、この階段を登るのは難しいだろうと思うがみんな楽しそうに10本ほど登った。   エースは宿舎に残っていいと言ったが2日間これについてきて涼しい顔で走っていた。みんなで苦しいことを乗り越えた表情は実に清々しい。1人倒れていたが。。。。
 試合は順調に勝ち上がりベスト16の戦いを迎えた。ここでも私は悩んでいた。エースは自分が出ます。と言ってきた。その迫力に押されて選手変更をした。1試合目は緊張して体が動かないはずだが、そんなことはお構いなしに2人に勝利して見事勝ち抜けた。
 準々決勝でも自分より40kgも重い選手たちをバタバタ切り倒して準決勝進出を決めた。毎日身近にいる生徒ながら感動を覚えた。
この試合で動画配信中に画面の中央に私の後頭部が映り込む事態になった。カメラの前に座っていたらしい。周囲から感動の試合を壊すな、笑いに変えるなと厳しい言葉をいただいた。俺はもう前には出ない。そう決心した。
準決勝でチームは敗れたが、悔しさと充実の両面を感じた福岡の夏だった。

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