アメリカでのこと#5多国籍メンバーによる、目的達成の為の前提条件すり合わせミーティングのようなものに参加して
多国籍の人を束ねる為の、一番最初のビジョン合わせの会合に出席した時の事。
会合の性格上、20代の参加者が多数を占めた。
それは自然の中で行われ、いくつかのグループに別れて、緑の芝生の上に円形になって座った。
私達のグループはインド系の女性がリーダで話をしてくれた。
最初に共有されたのは時間の概念の事。
最初に、10時集合といわれたら、その時間きっちりに来ると言う意味だということを、繰り返し教えられた。
ここで皆と過ごす事。自分の当たり前が、他の人にとって全く当たり前でない事を知ることだと。
国や同じ国でもareaにもよるが
10時集合といったら、11時頃から集まりはじめ、12時頃やっと9割が集まるのが「あたりまえ」だとする価値観がある。
主催者のその人達への配慮、異なる文化へのリスペクトを感じた。
様々な国の人がいた。
ロシア、南米、中東、アフリカ、ヨーロッパ。アジアは中国、台湾、韓国、タイ、インドネシア。
本やテレビでしか見たことのない、それらの国の人がそこにいて、自分と同じ話を聞いていることだけで、何かプラチナチケットのスポーツの試合やコンサートをみていたようだった。
いや、あれは文字通りプラチナチケットだった。
時間きっちりに集まる事に重きをおかず、それぞれが快適な時間に集まる事で産み出される何かがあることを否定しない。
その価値観を手に入れる為のチケットだった。
それは時間を守ることが当たり前の世界しか知らない人には一生わからないだろう。
多様性とは、自分の当たり前の慣習、
そのことが、他人の快を脅かす可能性がある事を許容し、尊重する事も含むのかもしれない。
共通の目的の為には、どちらの手法をとるのがよいかは本当に長い目でみた時、誰にもわからない。
最短最速で最大化する事が、最上の価値のようにとり扱われる事について、みな何も疑問に感じないのかと、ふと、不思議な気持ちになる事がある。